性質と性格
「花奈?一応聴いておくけど、精霊の性質のことちゃんと覚えてるわよね?」
また知らない言葉です。今日の綾ちゃんはどうやら難しい子です。
「えっと…なんでしたっけ ?」
「はぁ。もう、ちゃんと覚えてないとだめじゃない。性質は精霊の能力と関係する要素の1つよ。まあ、感情とか欲望とかね。それに合ったことをすると本来の能力が使えるの。わかった?」
怒りながらでもちゃんと教えてられる綾ちゃん。素敵です。神父さんよりもよくわかります。
「それでたぶん精霊の性質って、なんとなく感覚でわかるはずなんだけど…どうかしら?」
綾ちゃんに聞かれるとなんとなくわかるような…わかりません…。いっそのこと本人に聞いてみたら意外とわかったり…?
「精霊…さん?あなたの性質ってなんですか?」
綾ちゃんからはため息が聞こえ、愛梨ちゃんも不思議そうにこっちを見てます。あー、私呆れられちゃってます。でも、わからないんだから仕方ないですよね?
「僕の性質は『友情』。友達を守り、友達を助けることが僕の性質さ。」
「本当に花奈はなにもわかってないのね。まあいいけど、私の精霊の性質は『情熱』だったわ。」
「私の精霊の性質はー『温和』でしたーふわふわですー」
なんだか私たちの性格みたいです。綾ちゃんが情熱で愛梨ちゃんが温和…ぴったりな感じです。
「そういえば精霊のできることってなんなんですか?」
「出来ることっていっても精霊は基本、守ってくれるだけなんだけどね。話しかけてなか良くなるのがいいって聞いたことがあるわ。」
それでは帰りながら沢山お話をしましょう!なんといっても『友情』ですから。
こうして、精霊との生活が始まりました。
この先の悲劇も知らずに、のどかな春の午後は桜の香りを乗せていくのでした。