人型と精霊
えーと、とりあえず念じてみましょう。たぶん出てきてくれる…はずです!
「出て来てくださーい、出て来てくださーい。」
「そんなに呼ばなくてもここにいるって。」
「ふぁっ!?」
本当に出てきました。これが召喚ですね。私にもできました。
呼び出せて安心していると…
「「え?」」
ふたり揃って驚かれてしまいました。
「なななな、なんで花奈、人型の精霊連れてるの????」
えーと、これは落ち着いて答えたほうがよさそうですね。
「彼は私と契約した精r「嘘ー!!嘘よ!だって人型の精霊なんてお伽話とか伝説とかそう言うレベルでしょ?なんでそんなポンと出ちゃってるのよ!」
綾ちゃんは現実を受け入れられないのでしょう。なんと言っても私もまだ、受け入れられてないんですから。愛梨ちゃんにいたってはポカンと口を開けたままフリーズしてしまっています。
数分後…
「コホン。えーと、花奈?ふつうにその子と契約したのよね?」
「えーと、はい。そうです。」
少し落ち着いた綾ちゃんはなんとか現実だとわかったようです。私もつられて少し受け入れられてた気がします。
「すごいよー。そんなにすごい精霊のお話なんてきかないよー。」
愛梨ちゃん…落ち着きすぎじゃないですか?あっという間に受け入れて元に戻ってしまいました。
「そうそう、私たちの精霊も呼び出すんだったわね………おいで、精霊よ」
「そうねーおいでー精霊ー」
2人がそう言うと、いつのまにかそこに2人(2匹?)の精霊がいた。
「私の精霊はこの人魚みたいな子よ。半分人型だからこれでも珍しい方なのに…」
綾ちゃんの精霊は頭の上半分が切り取られたような人魚の精霊でした。大きさはちょうど私たちと同じくらいで、槍を両手で持っています。そして、私が先に呼んでしまったせいで、インパクトに欠けると呟いています。
「私の精霊は小鳥だよー。」
愛梨ちゃんの精霊は手に乗るくらい小さな鳥でした。頭が2つに分かれていて、それぞれの頭に角が生えています。
「やっぱりこうみてみると、精霊って全然違いますね。」
「当たり前でしょ!そんなことよりできることを調べない?」
むぅ…率直な感想を綾ちゃんに流されてしまいました。
でも、出来ることって気になります!