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昔むかしあるところに

昔むかし、このアルカンデティアという世界では人間族ヒューマンの王国プロンティアの人々は他の種族を恐れ、その能力を妬み世界戦争を勃発した。

100年にも渡る長い時を経て人間族はその繁殖力の強さによる人口という武器で勝利した。


敗北した種族である、小人族パルゥム巨人族ギガント妖精族エルフ天翼族フリューゲル獣人族ワービースト地底族ドワーフは人間に支配されるのを恐れアルカンデティアをとある種族は流浪し、とある種族は荒れ果てた東の畏怖の地へ向かった。


そんな中、アルカンデティアの最南端、灼熱の大陸に住む黒魔族サタナキアはその争いに巻き込まれることなく過ごしていた。


時は流れ、プロンティアの王族達は自分たちの住む大陸だけでは飽き足らず、南の大陸まで攻め滅ぼそうとした。


プロンティアの多くの民は、なにも南の大陸までと思っていたが、当時人間にしては珍しく魔力をもち大きな魔法を使える子どもたちが現れたことにより王国は図に乗った。


その子どもたちは孤児院の四人の子ども達で上から10歳、8歳、7歳、5歳と戦争の最前線で闘わせるには酷なほど幼かったが、王族は彼らを勇者とはやし立て前線へと送った。


結局、王国はまだ幼かった四人の勇者と多くの民を失ったが、その南の大陸を得ることは出来なかった。


勇者を失った人間族に今までの罪と言うかの如く、さらなる災難が押し寄せる。


アルカンデティアは異常気象となり、作物が全く取れなくなった。


人間族の王国プロンティアでは恐ろしいまでの口減らし対策がなされ周りの村を見捨て王国都市となったプロンティアには限られた人々のみしか生活することを許されなかった。


しかし、そのすぐ翌年、流行り病が流行し多くの民を再び失った。









小さい頃から両親に聞かされたこの物語は私が住んでいる世界の出来事である。


私アリアはプロンティアに見捨てられた北の果ての村マルシュに住む6歳の女の子だ。


プロンティアでは、二十年前の流行病から見捨てた村々から人を呼び集め、残すところはこの街だけだと言うのに…


この村はアルカンデティアのはるか北にあるせいかすっかり忘れ去られてしまったみたいだ。



まぁ、そんなこともあまり考えず、この世界の歴史にもあまり左右されないこの村人たちは農作業をしたり魔物を狩ったりしてのんびりと生活していた。



父様と母様は王国都市プロンティアの口減らし対策として追い出され、この村にやってきた。


そんな両親は村の人よりも歴史に詳しく、様々なことを私と弟のカイリに教えてくれた。


魔法の使い方や剣や弓の使い方、そして魔物の狩り方からポーションの作り方まで。


父様は、魔物を狩ってそれを美味しいお肉に解体し、毛皮などの素材とお肉にわけて村人達に売ることで生計を立てていた。


私も狩るところまでは良いんだけど…解体するのはちょっと苦手。


今日も父様と私とカイリで森にきていた。


『ほら、アリア!この洞窟のすぐ側には川があるだろ?その綺麗な水で洗いながら解体すれば血でナイフが滑りにくいぞ!』


目の前には、死んだばっかりのホワイトウルフがある。

とてもいい笑顔で父様は言うけど…

だって、なんだか解体するの怖いんだもん…


『お姉ちゃん。僕かわりにやろうか?』


1歳年下のカイリは青くなって全身で拒絶している姉を見てかわりにナイフをもった。


『カイちゃん大好きー!!今日はステーキ、カイちゃんの分大きく切って焼いてあげるね!』


カイリに飛びつき抱きしめると危ないと怒られた。

なんだかカイちゃんの方がしっかりしてるなぁ…

綺麗に解体されていくホワイトウルフをみながら、我が弟ながらなんでこんなに刃物の扱いが上手なのだろうと感心する。

まぁ、私の方が魔法使うの上手だけどねっ!


解体した魔物を荷台に載せるのを手伝い、三人で帰路を急ぐ。

今日は随分遠くまできたから急いで帰らないと。



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