表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

アクアリスト王国物語

俺の天才な妹

作者: 水無月 撫子

 

 ここはアクアリスト王国という魔法を扱う者たちが集う国。この国の国民は大なり小なり一人一属性は魔法が使える。

 国民はとても穏やかな人間が多く貴族や王族もとても優れた人間が多い。この国の貴族や王族はその身分特有の傲慢さや残虐さが一切なく皆が民たちを優先とし大陸一豊かな国となった。


*****************


「サフィーが王太子の婚約者になった…。」


 剣の稽古をしていたところ公爵である父から突然呼び出され来てみればその口から聞かされたのは俺が一番聞きたくない話だった....。

 

 俺はレイディオール・セシル・ユリニスト。ユリニスト公爵家の長男であり、次期公爵だ。

 俺には三つ下の妹がいる。

 妹はそれはもう可愛らしくてひたすらなめまわ……ゴホゴホ…甘やかしたいかぎりだ。

 妹の美しいハニーブロンドの髪とまるで宝石のような大きく可愛らしいペリドットの瞳は妖精のようだと感じる。

 そんな妹はいまは4歳。つい先日、研究棟で毒の研究をする許可をくれと父にねだって木に魔法で登っていた。とても聡明で天才な我が妹は木に登っているとまるで本物の妖精のようで無理にでも捕まえたくなった。


 そんな俺の唯一の心配は、俺の最悪な主というか、この国の王太子、エレディオール・ライト・アクアリストだ。

 俺はエディーの奴に5歳の時から付き合わされいつの間にか側近になっていた。

 もちろんその頃にはサフィーもいた訳で、エディーの方もサフィーを知っていた。

 だが、あいつにサフィーを合わせたのが間違いだったのだ。

 あいつは、俺が訪ねる度サフィーは元気?とかサフィーは何が好きなの?とか聞いてきた。

 昔から近くにいたんだ。あいつの腹黒さなんかいやと言うほど知っている。だから、サフィーをあいつから遠ざけねば!と、そう思っていたのに…。


 遅かった……。


 あいつのことだ、王と王妃にそれとなくサフィーを妃にしたいと言ったんだろう…王と王妃はそれはそれはサフィーを気に入ってるからな。俺が城に訪れる度、サフィーに贈り物を渡させるくらい…。

 サフィーを気に入っているのは何も王と王妃だけではない。仲が良い三公爵家はみんなサフィーが一番だ。前々から三公爵家(我が公爵家を除いた二家)の息子の妻にと縁談が来ていた。もちろん即却下。

 だぁれがお前らなんかにうちの可愛い妖精を渡すか!!

 と、まぁそれは置いておこう。

 問題は今の話だ。サフィーが王太子の婚約者?あのやろうもう動いてきたか…。

「父上。それは決定事項ですか?」

「あぁ。残念ながら…。今しがた王宮より知らせが届いた。…王命だと…。」

「はい?今なんと王命?あの、そうおっしゃいましたか?父上。」

 いや、きっと違うさ!きっと俺の耳が腐っているんだ!だってそうじゃなきゃおかしいじゃないか!!婚約者決定に王命を使うなんて!卑怯だ!きっとあの腹黒王太子の入れ知恵だろう…。あの穏和な王様じゃこんな卑怯なこと思い付かないはずだ…。じゃなきゃ残るのは王太子だけだ。王妃の場合、サフィーが幸せならそれでいいという方だから無理に王太子妃にしようなんて考えない。

 あのやろう、しっかり見張っとけばよかった…。

 俺は心の中で盛大に舌打ちをした後、それはそれは父を責めた。

 父上はサフィーが可愛くないのか!とか鬼の宰相なんて言われるくらいなんだから王様止めろよ!とか言った。まぁその後、娘溺愛な母上からも同じことを言われていた。


 翌日、俺はいつもどうり王太子のもとへ行ったがことあるごとにチクチクと嫌味をいってやった。

 王様からは宰相がめちゃくちゃ機嫌が悪いから助けて!と言われたけれどサフィーを婚約者にするため王命を使ったので王様も同罪。そんなことは知らないと言わんばかりにスルーした。


******************


俺の天才で世界一可愛い妖精の妹は腹黒な王太子に溺愛され、花の妖精と言われるほどの王太子妃になったのはまた別のお話で……。


俺の妖精を奪ったやつは許さん!!

 これは、そんなことを言いながらもやっぱり王太子の側近をやめられないロリコ…ゴホゴホ…妹大好きな次期公爵、レイディオールの話……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ