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ハズレ判定から始まったチート魔術士生活  作者: 篠浦 知螺


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魔落ち

 クラウスさんに門の設置の許可をもらった後、もう一度マイホームへと戻って来ました。

 今はまだ殺風景な外観ですが、家と言うよりも屋敷と呼んだ方が相応しい大きさです。


「こんな家、東京で建てたらいくらかかるんだろう……と言うか、ヴォルザードでも広すぎじゃないかな?」

『ケント様、我ら眷属も暮らす家ですぞ、むしろ手狭なくらいですぞ』

「そうか、そう考えれば、広すぎることは……うーん……」

『ぶははは、工事が終わり、花嫁を迎え、暮らしが営まれるようになれば、実感を持たれるようになるでしょう』

「そうだね。今はまだ、我が家になる途中だからね」


 ラインハルトと並んで家を見上げていたら、セラフィマに付いているヒルトが戻って来ました。


「わふぅ、ご主人様、セラフィマが困ってる」

「えっ、セラがどうかしたの?」

「行列が進められないんだって」

『ケント様、様子を見に行かれた方がよろしいのではありませんか?』

「うん、そうだね。ヒルト、案内して」

「わぅ、こっちだよ」


 バルシャニアの皇女セラフィマは、年末年始の連休の最終日に盛大なパレードを行って帝都グリャーエフを出立しました。

 その後、行列は粛々と道中を続けていたのですが、四日目の昨日、ちょっとしたトラブルが起こり、足止めを余儀無くされているそうです。

 セラフィマは、老齢の男性と面会している最中でした。


「セラフィマ様、それでは、どうあっても御出立なさるのですか?」

「この程度で怖れをなして帝都に戻るなど、考えておりません」

「ですが、このように不吉な事が起こっては……」

「今回の騒動は、皇家とケント様が縁を結ぶことを良しとしない者達の仕業でしょう。ここで引き返しては、相手の思う壺です」

「しかし……」

「護衛の騎士達は、いずれも腕利きばかりです。魔落ちした者など恐れるに足りません」

「ですが、婚礼の行列が血塗られては……」

「くどい! 私は、このような卑劣な手段を用いる者達に決して屈しません!」

「か、畏まりました」


 セラフィマの強い口調に決意は揺らがないと感じ取ったのか、老齢の男性と付き添いの男性は、深々と頭を下げてから退室していきました。

 

「セラフィマ様、騎士達に明日の出立を伝えて参ります」

「頼みます」


 面談の間、セラフィマの傍に控えていた女性騎士が、指示を伝えに部屋を出て行くと、セラフィマは大きなため息をもらしました。


「はぁぁ……ヒルト、ヒルト出て来て」

「どうしたの? セラ」

「ケント様! どうして……あぁ、ヒルトが知らせてくれたのですね」

「うん、セラが困ってるって……何があったの?」

「実は……行列が襲撃されました」


 今朝、セラフィマの一行が集落を出立した直後、剣を持った男が二人、行列に斬り掛かってきたそうです。


「護衛の騎士が武器を奪って制圧しようと試みましたが、二人とも魔落ち……魔物となり果てていたので、討ち果たしました」

「それって、魔物の肉や魔石を口にしたって事?」

「そうとしか思えませんが、この辺りは頻繁に魔物が出る地域でもありませんし、食べる物に困っている土地でもありません」

「誰かに無理やり食べさせられたとか?」

「そうかもしれませんが、ハッキリしたことは分かりません」


 バルシャニアでも、魔物の肉や魔石を食べれば、強い魔力が得られると思い込んだり、誤った知識によって魔物化する者が現れることがあるそうです。

 程度にもよりますが、自我を保てなくなるほどに魔物化が進んでしまった場合には、命を奪うしか方法が無いとされています。


「でも、どうして魔物化しているって分かったの?」

「ケント様は、魔落ちした者をご覧になったことが無いのですね?」

「うん、話に聞いただけで、見たことはないよ」

「完全に魔落ちすると、自我を無くし、凶暴になり、身体強化を使った時のように力が強くなります。そして、肌の色が常人とは異なります」

「肌の色……ゴブリンみたいな感じ?」

「はい、青や緑といった普通の人間では考えられないような肌の色となり、中には鱗状になる者もいると聞きます」


 今回、セラフィマ一行を襲撃した者達も、肌は赤黒くゴツゴツしたものへと変質していたそうです。


「ちょっと話を聞かせてもらったけど、やっぱりムンギアあたりの仕業なのかな?」

「その可能性が高いとは思いますが、どのような手を使ったのかが分かりません」


 通常、繰り返し魔物の肉や魔石を摂取しなければ、完全な魔物化はしません。

 強制的に魔物化させたとして、どうやって連れて来たのか、そして、自我を失った者達に、どうやって行列を襲撃させたのか分からないのです。


「身に付けていた服はムンギアの衣装ではありませんでした。あまり裕福な生活をしていた者ではなかったようですし、この集落の者でもないようです」

「どこかで魔物化させて連れて来たか、連れて来てから魔物化させたのかも分からないのか……」

「念のため、この先の道中に異常が無いか調べるために、騎士を先行させています。護衛の騎士も人数が揃っておりますし、切迫した危険は感じませんが……」

「うん、不気味は不気味だよね」

「はい……」


 セラフィマの一行には、リーゼンブルグへの牽制の意味も含めて、百人の騎士が護衛として同行しています。

 例え十倍の人数の魔物化した者達が襲い掛かって来たとしても、セラフィマに危害が及ぶことは考えにくいです。

 たぶん、相手の目的は、身体的に危害を加えるよりも、流血の事態を引き起こして、輿入れが不吉なものであるかのような印象を植え付けたいのでしょう。

 セラフィマも気丈に振舞ってはいますが、どことなく元気が無いように見えます。


「大丈夫? セラ」

「はい、勿論大丈夫です。この程度のことで揺らいだりいたしません」

「そう、なら良いけど、無理はしないでね。ヴォルザードまでの道中は長いから」

「はい、旅をするのは慣れておりますし、回りは気心の知れた者ばかりですからご安心下さい」

「セラがヴォルザードに到着する頃には、我が家も出来上がっているかもしれないよ」

「私達が暮らす家でございますね。どのような家なのか楽しみです」

「うん、眷族のみんなが土台を作ってくれたから、あとは内装と外装を整えれば……あっ!」

「ケント様、どうかなされましたか?」

「家具が無いや……」


 マイホームの仕上げはハーマンさんに、必要な魔道具はノットさんに頼みましたが、家具をすっかり忘れていました。


「ケント様、これから内装の工事に取り掛かるのであれば、まだ時間がございます。家具などは私以外の花嫁にも相談なさった方がよろしいですよ」

「そうか、そうだよね。あっ、そうか……家の様子とか、今度映像にして持って来るよ」

「映像……で、ございますか?」

「うん、楽しみにしていて」


 マイホームの話をしているうちに、セラフィマの懸念も晴れたようで、表情にもやわらかさが戻ってきました。


「じゃあ、何かあったらヒルトを使って知らせて」

「かしこまりました」

「頼むね、ヒルト」

「わふぅ、任せて、ご主人様!」


 ヒルトをワシワシと撫でてやって、セラフィマをギュっと抱きしめてから影に潜りました。

 足を向けた先は、バルシャニアの帝都・グリャーエフです。

 当然セラフィマも知らせを走らせているでしょうが、僕からも襲撃の件を伝えるつもりです。

 とは言ったものの、宮殿のどこに皇帝コンスタンが居るのか、広すぎて分かりません。

 仕方がないので、コボルト隊のみんなに宮殿の中を探してもらいました。

 人海戦術ならぬ、コボルト海戦術ですね。

 宮殿が広すぎて一人でなんて探していられませんし、コボルト隊を動員しても二十分ほどの時間が掛かりました。


「ムンギアのネズミどもが……」

「父上、まだムンギアの仕業と決まったわけではございません」

「ふんっ、このような姑息な手段を使うのは、あいつらに決まっておる。それとも他の者がいるとでも言うのか?」

「それはまぁ、そうなのですが……」


 バルシャニアの皇帝コンスタンは、執務室の机を挟んで、内政を補佐している次男のヨシーエフと向かい合っていました。

 どうやら、こちらでも騒動が起こっているようです。


「これで三日連続か、まだ手掛かりは掴めておらんのか?」

「はい、騎士達だけでなく密偵を放って探らせておりますが、まだ目ぼしい情報はありません」

「ふむ、グレゴリエとニコラーエはどうしている?」

「事案が事案だけに、直接現場には出ないように言ったのですが……」

「言葉だけで止まる連中では無かろう」

「はい、そちらにも密偵を付けて怪しい者が近付かないか見張らせております」

「ふふっ、兄弟を囮に使うか……」

「いえ、そのような意図では……」

「分かっている。止めても止まらぬ猪共は囮として使って構わん、一刻も早く犯人を炙り出せ」

「畏まりました」


 話が途切れたタイミングを見計らって、二人の視界に入る場所に闇の盾を出し、室内へと足を踏み入れました。


「こんにちは、お義父さん、お義兄さん」

「ふんっ、ケント・コクブか、この忙しい時に何の用だ?」

「セラフィマの行列が襲撃されました」

「何っ! セラは無事なのか!」

「問題ありません。男が二人、行列に斬り込んだそうですが、護衛の騎士が対処したそうです」

「そうか、ならば良いが……」

「斬り込んだ男達は、魔落ちしていたそうです」

「何だと!」


 驚きの声を上げたコンスタンは、ヨシーエフと視線を交わしました。


「すみません、少し話を聞かせてもらったのですが、こちらで起きている騒動にも?」

「そうだ。魔落ちした者が暴れて市民に被害が出ている。そちらの状況をもう少し詳しく話せ」

「はい、僕もセラから聞いただけですが……」


 いやいや、緊迫した状況なんだから、セラフィマをセラと呼んだだけで、そんな不機嫌な顔をしなくたっていいでしょう。

 セラフィマから聞き取った襲撃の状況を伝えると、二人は視線を合わせて頷き合っていました。


「どうやら同じやつらの犯行だろうな」

「グリャーエフで起こった騒動について教えてもらえますか?」

「いいだろう、ヨシーエフ、説明してやれ」

「分かりました。最初の騒動が起きたのは四日前だ」


 その日、セラフィマの輿入れを祝うパレードが終わり、グリャーエフの街には祭の後の喧騒が残っていたそうです。

 突然、魔落ちした男が大通りで暴れ出し、通行人を二人殺害、五人に大怪我を負わせたそうです。

 幸い、パレードの警戒をしていた騎士によって討ち果たされ、それ以上の被害は広がらずに済みました。


 魔落ちした男は、いわゆるホームレスの男だったようです。

身なりの汚さが原因で、セラフィマの輿入れを祝した振る舞い酒にありつけず、路地裏で喚いていたのを何人かが目撃していたそうですが、その後の足取りなどは分かっていないそうです。


 その翌日には、魔落ちした男が酒場に乱入し、従業員の女性や止めようとした男など四人を殺害する騒動が起こりました。

 犯人の男は、殺害された女性に交際を申し込んで断わられたばかりだったそうですが、魔落ちするような様子は見られていなかったそうです。

 そして、一日おいた今日、またしても魔落ちした男が暴れて犠牲者が出ていますが、こちらの詳細は調査中だそうです。


「これまでに分かっているのは、こんなところだ」

「ありがとうございます。一応確認なんですが、グリャーエフで魔落ちした者が暴れたことは、過去にもあったのですか?」

「皆無ではないが、それこそ十年以上昔の話だ」

「では、やはり何者かが意図的に魔落ちさせているのですね」

「まだ確証が得られたわけではないが、それ以外には考えられんな」

「簡単に他人を魔落ちさせるような方法は?」

「聞いたことがないな。魔落ちする者の多くは、安易に力を求めた結果だ。魔物の肉や魔石を口にする行為は禁忌とされている」

「これは、やはりムンギアが関わっているのでしょうか?」

「そうに決まっておる! いや、むしろそうでなければならん!」


 ムンギアという言葉を聞いた途端、コンスタンさんが口を挟んできました。


「ここグリャーエフの騒動に留まらず、セラフィマの行列にまで襲撃を試みる者が、ムンギア以外に存在する方が、バルシャニアにとっては厄介だ」

「ギガースの頭蓋骨を展示したり、セラが僕の所へ輿入れするのが原因なんでしょうか?」

「さてな……このような騒動を何の下準備も無しに引き起こせるはずもない。前々から準備を進めていたのだろうが……」


 コンスタンさんは、言葉を切ると考えをまとめるように黙り込みました。

 眉間に深い皺を刻んで考え込んでいる様子は、ちょっと話しかけにくいですね。


「父上、何か懸念がございますか?」

「うむ、ムンギアの連中は、これまでにも姑息な手段を用いてきたが、多くは奇襲、夜襲の類いだ」

「ボロフスカですか?」

「近頃は良好な関係が続いているが、騒動の状況を考えると、やつらが絡んでいる可能性は否定できん」

「すみません、そのボロフスカというのは反政府の部族ですか?」

「以前はもっと強硬であったが、今は反政府寄り……という程度だな」


 ボロフスカは、ムンギア、カジミナなどと並んで反政府寄りの部族だそうです。

 ただ近年は、コンスタンによる歩み寄りの政策が功を奏して、態度を軟化させているそうです。

 そしてボロフスカは、ファルザーラなどの麻薬を秘密裏に製造している地方の部族だそうで、薬物の扱いに長じているそうです。


「ケント絡みの策が、ボロフスカを刺激してしまったのでしょうか?」

「そうだとしても、今はライネフの復興で人も金も足りない状態だ。大規模な武力闘争を抑え込むためには必要な措置だ」


 二人の会話にライネフの名前が出て来たので、忘れていた事を思い出しました。


「あっ、そうだ、忘れてました。ラインハルト、お願い」

『畏まりましたぞ』


 闇の盾を出すと、ラインハルトとマルト達が、影の空間に積んでおいた金塊を運び始めました。

 バッケンハイムのオークションで、ギガースの魔石を売却した代金は、運びやすいように金塊にして受け取っておいたのです。


「ケ、ケント・コクブ、これは……」

「これは、僕とヴォルザードからの弔慰金です。ライネフの復興に役立てて下さい」

「そうか、あの魔石を売却したのか……だが、それではギガース討伐がタダ働きになってしまうだろう。これは、受け取るわけには……」

「僕はセラフィマと家族になります。それはバルシャニア皇家とも家族になるってことですよね。それに、魔物による災害は、どこの国、どこの街にでも起こり得ることです。ましてやギガースなどの巨大な魔物は、個人の力でどうこう出来るものではありませんし、その災害からの復興も多くの力、多くの資金が無ければ成し遂げられないものです」

「本当に良いのか?」

「はい、被災した方々のために使って下さい」

「分かった。ならば誓おう、この金塊は一ラブルに至るまで、全てをライネフの民が元の生活を取り戻すために使うと……バルシャニアの誇りにかけて!」


 皇帝コンスタンと次男ヨシーエフは、右手の拳で力強く胸を叩き、天を指差して誓約しました。

 あぅぅ、また混ざるタイミングを逸してしまいました。


「セラの行列については、僕の眷族も派遣して周囲を見張らせるようにしますので、ご安心下さい」

「そうだな。これまでの手口から見て、一度に大勢で襲って来るような事態は考えにくい。セラには百騎の護衛も付けてあるから問題なかろう」

「こちらにも、顔を出すようにしますので、分かった事があれば教えて下さい。セラの所へ知らせますので」

「頼む。そちらで分かったことも知らせてくれ」

「分かりました」


 コンスタンさん、ヨシーエフさんと握手を交わしてから影に潜りました。

 少し時間が遅くなってしまいましたが、マールブルグのデュカス商会へ行き、仕上げの治療を済ませてしまいましょう。


 マールブルグの街は、お祭騒ぎが続いていました。

 大聖堂前の広場には多くの出店が並び、色々な品物が売られています。

 食べ物、飲み物、衣類など、日本で言うなら大規模なフリーマーケットという感じですね。


「ラインハルト、こちらの世界の新年って、家で静かに祝うものなんじゃないの?」

『普通はそうでしょうが、通常の年末年始の休日期間は過ぎています。店を営む者達は、事故の影響で売上が落ちていた分を取り戻そうとしておるのでしょう』

「なるほどねぇ……でも、この賑わいを見ていると、例年の行事になっちゃいそうな気がするよ」

『かもしれませんな。おそらく相当な売上になるでしょうから、来年も……と考えても不思議では無いでしょうな』


 広場の賑わいとは対照的に、デュカス商会はひっそりと静まりかえっています。

 こちらは事故の救出作業で休暇を返上していた坑夫達に、改めて休日が与えられているからでしょう。

 何人かの人たちが帳簿の整理を行っているカウンターを抜けて奥の住居部分へと進むと、オルレアンさん一家が日当たりのよい部屋で談笑していました。

 奥さんのシビルさんは、病み上がりで面やつれしてはいるものの顔色も良く、既に床払いをしていました。


「こんにちは、オルレアンさん、お邪魔してもよろしいでしょうか?」

「これはこれは、ケントさん、どうぞお入りになって下さい」


 闇の盾を出して部屋へと上がらせてもらうと、娘のリシルちゃんが、突然現れた僕に驚いていました。


「シビルさん、お加減はいかがですか?」

「おかげ様で、もう何年も忘れていたほど健やかな気分で、まるで生まれ変わったようです」

「それは何よりです。今日は仕上げの治療をしたいと思っていますが、よろしいでしょうか?」

「はい、よろしくお願いします」


 シビルさんには、ベッドにうつ伏せになってもらい、軽い床ズレになっている部分に手を当てて治療していきます。

 ジックリと身体の中にまで治癒魔術を流していくと、一昨日とは比べ物にならない程スムーズに魔力が流れていきます。

 よく気の流れが健康を左右するなんて聞きますが、こちらの世界では魔力の流れ方が体調を左右しているようですね。


「はい、終わりです。いかがですか?」

「あぁ、背中の痛みもすっかり取れて、本当に何とお礼を申し上げて良いのか……」

「いえいえ、僕は依頼を果たしただけですので、お気になさらず」

「ケントさん、本当にありがとうございました。妻も娘も健康を取り戻せました」

「お役に立てて何よりです。それでは、依頼達成の報告をして構いませんね」

「はい、報酬はギルド経由の振込みでよろしいでしょうか?」

「はい、それで結構です」


 この日は、デュカス商会で夕食を御馳走になりました。

 シビルさんは食欲を取り戻していて、面やつれが解消すれば美貌に磨きがかかりそうですね。

 さて、明日は三回目の帰還作業を済ませて、その後はみんなと家具選びでも始めましょうかね。

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[気になる点] そう言えば研究者が魔石砕くって言ってたけどあれ、食べたりしませんよね? 空気中に撒く実験しそうだしやばいのでは。
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