安息の曜日の勘違い野郎
船山の訃報を聞いた翌日は安息の曜日でしたが、アマンダさんの店は闇の曜日が休みで、この日も普段通りに営業するようです。
僕は友達と会うという事にして、また魔の森の訓練場へと出掛ける事にしました。
途中、城壁の影から森を覗いてみると、守備隊の人達が総出でロックオーガの死体の処理を行っていました。
良く考えたら、倒して魔石を抜き取った後は放置しちゃったんだよね。
魔物とは言っても、死体を放置すれば他の魔物が寄って来るし、腐敗すれば酷い臭いやハエなどが発生しちゃうので、森の中に穴を掘って埋めるようです。
『ラインハルト、僕らも手伝った方が良いのかなぁ?』
『ケント様、ハッキリ言って死体を焼かないと、いずれゴブリンやコボルトが掘り起こして貪る事になりますので、埋めてもあまり意味が無いですぞ』
『そうなの? でも、埋めた方が良くない?』
『まぁ、気休め程度でしょうな』
魔の森に生息する魔物の中では、ゴブリンやコボルトは最も弱い魔物です。
それだけに、死肉は彼等にとっては欠かす事の出来ない食料なんだそうです。
『ケント様、先日クラウス殿が、魔物が大量発生した後は、魔の森の魔物が動きが活発になると言っておられたのは、これが原因ですぞ』
『あっ、そうか、餌が豊富になるんで動きが活発化するんだ』
『そうです、そして餌が豊富な時は、繁殖行動も活発化するので、魔物自体の数も増えますな』
『なるほど、そうすると、今度はゴブリンとかコボルトが大量発生するの?』
『いえ、数は増えますが、大量発生という程には増えませんな』
『えっ、そうなの? だったらロックオーガは何で大量発生したの?』
『分かりませぬ、今はワシらも魔物になりましたが、それでも、魔の森の魔物が何故大量発生するのかは、分かりませぬ』
『そうなんだ……でも、ロックオーガは少しずつ増えてた感じはしたよね』
『そうですな、ケント様が夜中に特訓している時も、時折群れで姿を現していましたが、普通あれほど頻繁には現れませぬ』
『そう言えば、クラウスさんも、ロックオーガの数は多くないって言ってたもんね』
守備隊の作業は、まだまだ終わりそうもないので、特訓場へと移動しました。
特訓場には、コボルトが数匹ウロウロしていましたが、ラインハルトが影から表に出た途端、蜘蛛の子を散らすように逃げ出して行きました。
「ねぇ、ラインハルト、ちょっとコボルトを影の世界に引き込めるか試してみてくれないかな?」
『ほう、何か目的がありそうですな、良いでしょう。ちょっとやってみましょう』
僕とラインハルトは、先ほど逃げ出して行ったコボルトを追跡して、影の中から捕まえて引きずり込めないか試してみました。
結論から言うと、試みは失敗に終わりました。
コボルトだけでなく、木の枝にとまっていた鳥でも試してみましたが、影の世界へと引き込もうとしても、なにかの壁に突き当たる感じで、表の世界と影の世界の境を越えられません。
『ケント様、どうやら生き物は影の世界へと引き込めないようですな』
「うん、何となく、そんな気はしていたんだ、生き物も引き込めたら、同級生達の救出も楽なんだけどね」
恐らくですが、影の世界には闇属性の適性を持つ者でないと入り込めないのでしょう。
ラインハルト達が自由に出入り出来るのは、僕が闇属性の魔法で召喚して、魔力のリンクがあるからなんだと思います。
何でもありなりチートな属性だと思っていましたが、やっぱり制約はあるのですね。
「あれ、でもそうなると、闇の盾を魔法じゃなくて接近戦で使うとどうなるんだろう?」
『そうですな、武器には命は無いので影の世界へと入り込み、使い手の人間は弾かれる……といった感じでしょうな』
「それでも一応攻撃は防げるのかな?」
『どうでしょうか、盾の強度がどの程度かにもよりますが、ワシらでは入り込んでしまうので試せませんな』
「そうだね……とりあえず、なにか魔物が出て来た時に試してみるよ」
今日は、昼までの時間は、闇の盾の練習に充てました
とにかく素早く出せるように、それこそ魔法を撃たれたと思ったら、反射的に盾を出せるぐらいまで練習するつもりです。
影の世界に潜っても攻撃はかわせるでしょうが、へなちょこ勇者クラスの攻撃だと避けきれない可能性があります。
それに盾を自由に出せれば、誰かを守る事も出来るはずです。
『さすがケント様、これほど素早く発動されるとは……』
「ううん、まだ一定の場所と一定の大きさに限られちゃうからね、もっともっと自由度を上げないと駄目だよ」
『いやはや、ケント様の向上心には感心させられてばかりですな、今の時点でも、普通の術士が見たら卒倒するほどの早さですぞ』
「そうかもしれないけど、騎士としての強さを手に入れるのは、救出作戦までに間に合わないだろうから、せめて術士としての強さは、出来る限り伸ばしておきたいんだ」
『そうですか、ワシらはケント様が強くなるならば、異論はありませんぞ。 さて、ケント様、そろそろ昼食になさってはいかがです?』
「あぁ、もうそんな時間か、お昼は……そうだ、カルツさんと行った店にしてみようかな……」
『確か、あまり美味しくないと言っておられたような……?』
「うん、そうなんだけど、カルツさんにはお世話になったからね」
カルツさんに恩返しする意味でも、売り上げに貢献しましょう。
ヴォルザードの路地裏に戻り、メリーヌさんの食堂へと向かいました。
前回来たのも安息の曜日なので、営業しているはずですが、カルツさんはロックオーガの死体処理で来ていないかもしれませんね。
店の入口には営業中の札が掛かっていたので、ドアに手を掛けたら、中から大きな声が聞こえてきました。
「やっぱり俺には無理だよ!」
「そんな事無いわ、頑張れば……」
「頑張ったよ! これ以上、どう頑張れば良いんだよ! もう分かんないよ!」
「ニコラ!」
何だか入り辛い雰囲気を感じて、ドアの前で固まっていたら、勢い良くドアが開いて、撥ね飛ばされました。
「ふぎゃ……痛たた……」
「あぁ……ご、ごめんなさい……大丈夫ですか?」
「もう、ニコラ、何してるのよ、早くタオルを水で濡らして持って来て! ごめんなさないね、大丈夫ですか?」
メリーヌさんに急かされて、ニコラは慌てて厨房の方へと戻って行きました。
「は、はい……ちょっと、おでこをぶつけただけですから……」
「本当にごめんなさい……あら、貴方……」
「はい、以前カルツさんと一緒にお邪魔したケントです。 あのぉ、お店は……」
「えっ、も、勿論営業してるわよ、大丈夫よ、何でも注文してちょうだい」
そこへ濡れタオルを持ってニコラが戻って来ました。
「ニコラ、お客さんよ、支度して!」
「姉さん、でも……」
「お客さんをお待たせしちゃ駄目よ!」
「わ、分かったよ……」
今度は渋々といった感じで、ニコラさんは厨房へと戻っていきました。
「さぁ、お好きな席に座って下さい、おでこは、これで少し冷やしておいて……」
「あ、ありがとうございます」
「さぁ、ご注文は何になさいます?」
メリーヌさんが、メニューを持って来てくれたのですが、開いてみると半分以上のメニューに横線が引かれています。
特に値段が高い、手間の掛かりそうなメニューの大半には横線が引かれています。
「え、えっと……本日のお奨めランチをお願いします」
「はい、お奨めランチを一人前! ありがとうございます!」
今更言う必要も無いと思うけど、お店の中に僕以外のお客さんは居ません。
少し遅くなったけど、まだまだお昼時で、アマンダさんのお店ならば、入りきれずに外で待っている人が居る時間です。
手持ち無沙汰でキョロキョロしていたら、メリーヌさんが歩み寄って来ました。
「さっきの話、聞こえちゃった?」
「えっと……はい、ちょっとだけ……」
「カルツさんには、内緒にしてもらえるかな? また心配掛けちゃいそうだから……」
「分かりました……あの、お店やめちゃうんですか?」
「私は、やめたくないんだけどね……」
メリーヌさんの話では、この店を切り盛りしていたメリーヌさんの父親が、一昨年急病で他界されて、弟のニコラが見よう見真似で跡を継いだけど、上手くいっていないのだとか。
「今日もね、ケントが一人目のお客さんだったんだ……」
「そうなんですか……」
「姉さん、あがったよ……」
厨房からニコラが声を掛けてきて、メリーヌさんがお盆を取りに向かいました。
「はいはい、さぁ、ケント、召し上がれ」
「はい、いただきます!」
お奨めランチは、パンとスープ、サラダ、そして、二種類のソーセージと目玉焼きという内容です。
まずは、スープを一口……うん、微妙ですね。
何だか間が抜けてるような味です。
ソーセージはどうでしょうかね?
うん、めっちゃ塩辛いですね、もう一種は、香草が強過ぎです。
パンは、何だかボソボソしてます。
あっ、目玉焼き美味しい……って、素材の味でした。
「ねぇ、ケント、味はどうかな? 正直な意見を聞かせてもらえる?」
「うーん……かなり微妙な感じです」
今日はカルツさんが居ないので、思ったままの感想を伝えました。
「そうか……やっぱりか……カルツさんや一緒に来てくれたお客さんは、美味しいって言ってくれるんだけど、これだけお客さんが入らないとねぇ……」
はい、カルツさんの美味しいは、完全にメリーヌさん目当てのお世辞ですからね。
当然一緒に来た人は、分かりやすいカルツさんの態度を察してしまうでしょうから、正直な意見は言ってもらえないんでしょうね。
「姉さん、やっぱり僕には無理だったんだよ……」
いつの間にか厨房から出て来たニコラが。僕らの話に加わりました。
「ニコラ、でも、父さんの店を継ぐって言い出したのは貴方なのよ」
「そうだけどさ……無理なものは無理だよ……」
僕が率直な意見を言っていたからでしょうか、ニコラは店の存続の話を僕の前で始めました。
ちょっと疑問に思った事があったので、メリーヌさんに聞いてみます。
「あのぉ……ちょっとお聞きしても良いでしょうか?」
「良いわよ、何かしら?」
「ニコラさんは、どこかの店で修行というか、働いた事はあるんですか?」
「いや、無いけど、それがどうかした?」
ニコラは、どうしてそんな事を聞くのか不思議そうな顔をしています。
「えっと……どうして、修行しないんですか?」
「いや、だって父さんが働いてたの見てたから、やり方とか分かってるし……」
あっ、何となく分かっちゃいました、典型的な勘違い野郎ですね。
メリーヌさんが頭を横に振っちゃってますね。
「あの、メニューが半分ぐらい消されてたのは、どうしてですか?」
「そりゃー……お客が少ないのに、高級な材料とか仕入れても無駄になるからだよ」
「ソーセージの味付けとかは、お父さんと同じなんですか?」
「そりゃー……父さんとは違うに決まってるじゃんか、俺が跡を継いだんだから、工夫を凝らして俺風のブレンドにしてあるさ」
「どうしてお客さん増えないんでしょうね?」
「そりゃー……俺の味が理解出来ないんだな、時代が俺に追いついて来れない……みたいな?」
あぁ、これはもう完全に駄目ですね、努力しないのに出来るつもりでいて、実際にやると出来ない、でもってその責任は他人に転嫁しちゃう……あぁ、船山がそうでした。
出来もしないのに、しゃしゃり出て来て、失敗すると他人のせいにして八つ当たりの暴力を振るう……とんでもない奴だったんですけど、まさか、あんなにあっさりと死んでしまうなんて思いもしませんでした。
「ケント? どうかしたの?」
「えっ、い、いえ、ちょっと考え事をしてただけです」
「そう? なんだか泣きそうな顔してるよ」
「うっ……すみません、だ、大丈夫です」
メリーヌさんのお店の心配をしていたのに、僕が心配されてたら駄目ですよね。
「姉さん、とにかく店は今日限り……いや、もう閉めちゃうから……カルツさんには、姉さんから言っておいてよ」
「ちょっとニコラ、何処に行くの?」
「どこだって良いだろう……気晴らしだよ、気晴らし……」
「ニコラ! ちょっと待ちなさい、ニコラ!」
ニコラは、メリーヌさんを振り払うようにして、店の外へと出て行ってしまいました。
うわぁ、何か凄いタイミングの時に来てしまいました。
「ごめんねぇ、みっともない所を見せちゃって」
「はい……い、いえ……」
「根は悪い子じゃないんだけど、いつまでたっても甘ったれで……もう、どうしたら良いの……」
メリーヌさんは、僕の向かいの席に座り、テーブルに両肘をついて頭を抱えてしまいました。
「あのぉ……メリーヌさんがお店をやるのは駄目なんですか?」
「私が? でも、私だって修行とかしていないから……」
「だったら、修行すれば良いんじゃないですか?」
メリーヌさんは、元々お店を継ぐ予定ではなかったので、裁縫の仕事をしていたそうです。
それが、急にニコラが店を継ぐ事になり、手伝うようになったのだとか。
「お店を畳むか、でなければ、メリーヌさんがやるしか無いと思うんですが……」
「そうよね……うーん、正直に言って、自分がこの店をやるだけの自信は無いけど、お父さんが残してくれた店だから続けたい気持ちもあるのよ」
「でしたら、カルツさんとかにも相談して、それから決めた方が良いと思います」
「そうね……でも、カルツさんに余計な心配を掛けるのは……」
「でも、後から聞かされて、一番大変な時に力になれなかったって知ったら、カルツさんは悲しむと思うんです、だから、相談に乗ってもらうべきです」
僕では出来ない事、知らない事も、カルツさんなら何とかしてくれそうですし、弱みに付け込むようですけど、カルツさんにとってはチャンスですからね。
メリーヌさんは、少し考えた後で、決心するように一つ頷きました。
「そうか……そうだね、うん、カルツさんに相談してみるね」
「はい、その方がカルツさんも喜ぶと思います」
「うん……それで、ケントはさっき何を考えていたの?」
「えっ……い、いえ、あれは、お店の事とは関係の無い事ですし……」
「でも、顔色が変わるくらい深刻そうな顔をしていたよ、ケントも話してみれば楽になるかもよ?」
「うっ……それは……」
とても有り難い申し出なのですが、船山の事を話す訳にはいかないので、返答に困ってしまいました。
「ごめんなさい……ちょっとお話できない事なので……ごめんなさい……」
「ううん、私の方こそ、話せない事を無理に聞こうとして、ごめんね」
アマンダさんにも、メイサちゃんにも、マノンにも、メリーヌさんにも隠し事ばっかりです。
いっそ全部打ち明けてしまえば楽なんだけど、そうしたら、リーゼンブルグとのゴタゴタに巻き込んでしまいそうで、それが原因でヴォルザードが戦争に巻き込まれるなんて事は絶対に避けなきゃいけません。
色んな事がグルグルと頭の中を駆け巡って、メリーヌさんが席を立った事にも気付きませんでした。
「大丈夫……ケントは優しい子だから、きっと大丈夫……」
テーブルを回りこんできたメリーヌさんが、そっとハグしてくれました。
「慣れない街で、まだ知り合いも少ないだろうけど、辛い時には、ケントだって頼って良いんだよ」
「うっ……うぅぅ……はい……ごめんなさい、話せなくて……ごめんなさい……」
「うん、うん、良いのよ話せなくったって、大丈夫だよ……」
「はい……はい……うぅぅぅぅぅ……」
船山が死んでしまった直接の原因は、カミラを筆頭としたリーゼンブルグの奴らにあるけれど、あいつらに憤る前に、僕にも出来る事がまだあったはずです。
それだけの力が、今の僕にはあるはずです。
それなのに、僕の見込みが甘かったせいで、みすみす船山を死なせてしまたようなものです。
結局僕も、出来るつもりになって、何も出来なかった勘違い野郎だったのが悔しくて、情けなくてボロボロ涙がこぼれました。
メリーヌさんの温もりに包まれて、このまま時間が止まってしまえばと思ってしまいますが、それでは何も出来ない勘違い野郎から脱却出来ません。
後ろ髪を引かれる思いを振り切るために、一度大きく深呼吸をしてから、メリーヌさんにお礼を言いました。
「ありがとうございます、気持ちが楽になりました」
「大丈夫……?」
「はい、立ち止まっていられないんで……這ってでも前に進みます」
「強いんだね、ケントは……でも、無理しちゃ駄目だよ」
「はい、相談出来る人達に、助けてもらいます」
「うん、私もカルツさんに相談してみるね」
「はい! そうして下さい」
メリーヌさんのお店を出て、魔の森の訓練場に戻りました。
ラストックの同級生も気になりますが、安息の曜日は騎士達を休ませるために、訓練も休みになるそうです。
とは言っても、同級生達は、駐屯地の外に出る事を禁じられていて、宿舎で寝て過ごす者が殆どだそうです。
訓練場に戻ってからは、ラインハルトを相手にした組み手に熱中しました。
闇雲に向かって行っても、進歩しないと思い、色々と反省や改善を加えようとするのですが、やはり絶対的なスピードとパワーの差を埋められない感じです。
日が傾いた頃、もう何度目かも分からないけど、地面に転がされて天を仰ぎ、足りなくなった酸素を貪りながら、思わず愚痴が洩れてしまいます。
「はぁ……はぁ……くそっ……全然追いつかないよ、フェイントとか、テンポを変える程度では崩せる可能性が感じられないよ」
『ケント様の動きには、まだまだ無駄が多くて、余分な場所に力が入っていて、動きを阻害しているように見えますな』
「それって、頭で考えて減らせるようなもの?」
『いいえ、まだケント様は、まともな立ち合いを始めてから日が浅いので、とにかく身体が反応出来るまで、繰り返すより無いでしょうな』
「くぅ……理屈じゃない部分って事だね」
『そうですぞ、考えるよりも早く反応できるように頑張って下され』
こんな事になるのだったら、日本に居た頃に、なにかスポーツをやっておけば良かったよ。
へなちょこ勇者の魔法が凄いのは、元々の身体能力とかも関係してるのかもね。
『ケント様、実績が欲しいですか?』
「欲しいよ! 一日でも早く、みんなを救い出したいし、元の世界に帰してあげたい!」
『それならば、焦りは禁物ですぞ。 功を焦る者は、必ず足元を掬われます』
「うん、理屈では分かってるつもりなんだけど、気持ちがじっとしていられない感じなんだよね」
『御学友が、あのような事になれば仕方無いとは思いますが、無理をすれば余計に彼等を危険に晒すことになりますぞ』
ラインハルトの言っている事は正しいと分かっているのに、反発心や不安が心に湧いて来てしまいます。
「でも、このままの状態じゃ、また船山みたいな事が起こるんじゃないかと思うと……」
『そうですな、それに関しては、救出を先延ばしにしようと言ったワシにも責任があります。 ですから、出来る事から始めましょう』
「出来る事って……反撃だよね?」
『いかにも、ただし、出来ない事はやりませんぞ』
「分かった、出来る範囲での反撃開始だね」
『そうです、では、立会いはこれぐらいにして、一旦戻って夕食にして、その後で作戦を練りましょう』
訓練を切り上げた僕らは、下宿に戻って夕食を終えた後、今夜は魔の森には戻らずに、今後の打ち合わせをする事にしました。





