雨音
出張のとき
駅で電車を待っていたら
雨が降ってきた
ぱらぱらぱら
大きな粒で降ってきた
ああ
そういえば
ずいぶん雨音を聞いていなかった
雨は降っていたんだろうけれど
あなたの入院していた病院はとても大きくて雨音なんか聞こえなかった
あなたが白い箱の中にはいって
家に帰ってきてからは
泣いてばかりで雨音なんて気付かなかった
ぱらぱらぱら
大きな粒で降ってくる
そんな日は
リビングのテーブルで一緒に
コーヒーを飲んだね
一緒に
何をするというわけでもないけれど
一緒に
時間が流れていったね
ああ
あれは
とっても幸せだったんだね
ゆっくり
ゆっくり
ぱらぱらぱらと
時間が流れていったね
ああ
雨音が聞こえる
幸せな
幸せの音
駅のベンチで膝をかかえて
幸せの音を聞いている
この詩を投稿してから眠ったら、あなたの夢を見ました。あなたと話ができなくなってから初めてです。小学校6年生の授業参観で、体育館でステージを見ているのですが、休憩になってトイレに行こうとするあなたが笑顔で脇を通っていきます。私はあなたの腕を取って、呼び止め話しかけました。
なぜかタイムパラドックスを心配しながら一生懸命将来どんなことがあっても死んで欲しくないことを話しかけました。
「もう、わかってるよ。」といってあなたはトイレにいきました。
目が覚めたら、やっぱりあなたはいないので泣いてしまいました。
でも、またあなたの出てくる夢が見たいです。あなたの笑顔がみたいです。あなたに触れたいです。夢の中のあなたは、温かかったです。それなのにやっぱり夢を見る前より苦しいかもしれません。