はじめての異世界人
相変わらず長々とした駄文です^^; 因みに主人公の会話はしばらく出てきません。なるべく目立たないようにしているので
追記:変更部分です。
はじめて魔法陣を見たときああいうものを目にしたら絶対に感動する、とか思ってたけど、まさか楓の心配が真っ先に来るとは思わなかな~ はははは……
「っつつつつ」
ようやく揺れも光も収まったために目を開けると、そこは石造りで出来たと思われる広い部屋が見えた。明らかに先程の教室とは違う光景、さらに俺が居る中央付近には周りより数段高くなっており明らかに何かの祭祀用だ。
そして改めて周りに目をやると周囲には誰も居ず、正面には大きな鉄製の扉ががっちりと閉められている。
「楓、大丈夫?」
僕は慌てて楓の元に駆け寄る。
「コウちゃん こそ大丈夫? 私は大丈夫だよ」
ニコッ と微笑みながら僕に対して答えた。
「ってぇ~ なんだぁ ここは? 地震か?」 小山がそう文句を言ってる。
「なんだよこれ……」「やだ、私達どこに居るのよ」「俺達どうなっちまうんだ」
「みんな落ち着け!! 楓、場を落ち着かせる為にも君の力が必要だ。今は孔明1人だけに構っている暇は無い。手伝ってくれ」
「ええ、解ったわ。それじゃあ、コウちゃん 気をしっかり持ってね。大丈夫、私が付いてるから」
「う、うん 楓 も気をつけてね」
優しいね、ありがと、とお互い言いあった後、楓は皆を落ち着かせに行く。
「みんな、とりあえず落ち着いてくれ。こういう時冷静に行かないと。そうですよね? 先生」
「え? えぇ そうね…… その通りよ。光輝君の言うとおりよ」
動揺しながらしどろもどろな口調で同意する。
「どうやらこれは非常事態のようだ。これからは僕か先生の支持に従ってもらいたい」
しばらく沈黙が続いたが、ふぃに誰かが口を開いた
「出たよ。このリーダー気取りの偽善者が」
秀郷だ。周りの、特に女生徒達からいっせいに白い目が向けられる
「秀郷、別に僕はリーダーを気取ってるわけじゃない。だが誰かをまとめ導いていく存在が必要なのは確かだ。それに冷静になれと発言した事について間違っているとは思わない。僕の発言が間違っているのならまだしも、そうでもないのに僕に嫌味を言うのはどうかな? と思うんだが」
「はっ おーおー クラスの優秀なイケメン様は、ご自分のいう事は必ず正しいってか? それにいつ俺が冷静になれと言ってる事が間違いだっつった? 俺が言いたいのは、そのお前が言えば皆はついてきて当然だっつうその考えが気に入らねぇんだよ」
「光輝君に対してなんて言い草よ」
別の女生徒が言えば
「は? なに言ってんだよ。秀郷の言うとおりだぜ。だいたいあいつが俺達を監督する権利でもあんのかよ」
と別の男子生徒が反論する。さらに
「お前、光輝の決定に文句あんのかよ。前から気に喰わねえ奴だと思ってたが、今ここで決着つけるか? 秀郷よぉ~」
とうとう光輝の友人護が切れだした。ふと陰では光輝と親しい? というより光輝の子分になっている田山の方を見ると、友人二人を手で押さえて様子見を決め込もうという態度を見せてる。
しばらく経たころ、ゴゴゴゴッ 重々しい音が開き、複数の人物が入ってくる。え? なに? あの格好……ってか、あの格好とこの状況ってあの例のラノベとかにあるお決まりの奴だよな?
「な、なんだあいつら……」「なぁ これってひょっとして、あれか?」「ああ、異世界転生って奴だろうな」
そうこうする内に10人程の人物が室内に入ってきた。大半は明らかに騎士様という格好だが、二人ほど異質な人物が居た。1人は大きく十字を書いた白いローブに頭にはミトラっぽいのを載せて右手には白銀に輝くバクルスの様な杖を持っている70代ぐらいの白髪で長髪のお爺さん。
この人達が僕達を呼んだのかも知れないね。うわ~ あのおじいさん、完全に中世キ○スト教徒の司祭服だよ
もう1人は典型的な白人、まあ白人にも色々あるんだが所謂一般人が白人というと思い浮かぶ所のデーン人系統の特徴と一致する金髪碧眼の容姿を持った女性である。髪はお尻の辺りまで伸ばしたロング、頭にはティアラを載せ豪華なドレスを着た俺よりちょっと背が低いって感じだ。妖艶っぽい感じで切れ長のまなじりはあのおじいさんと一緒で嫌な雰囲気が漂っている。中々のグラマラスで光輝も見惚れているが、王女っぽい人の目線を追うと光輝の方に行ってる。なんでだろう? 多分光輝君がリーダーだと見抜いているのかな?
王女の方が憂慮な表情をのぞかせて口を開いた。
「ようこそ皆様、この度の事突然で驚いておられるでしょう。誠に申し訳ありません。ですが、今我が国は危機に瀕しております」
「それって魔王を倒せとか、魔族と戦争しろって事ですかぁ~?」
誰かが間延びした声で質問する。
「え、ええ 良くお分かりですね、と言いたいところですが半分しか当たっていません。魔王は現在は不明となっていますが、最近魔族の侵攻が激しくなってきています。さらに人間の国の中にも世界の覇権を握ろうと欲望丸出しで侵略をしてくる国家もあります。まことに勝手とは思いますが、皆様には是非弱い立場に追い込まれている我々を救っていただきたくこうして勇者様方を召喚した次第です。」
そこにおじいさんが横から口を挟む
「姫様、とりあえずは自己紹介をした方がよろしいかと」
「ええ そうでしたね。一番年上なのはその方だと思いますが、リーダーはそこの貴方でよろしいですわね。改めまして、私はこのローザラム王国のサー・ジュリア・ヘイワードと申します。」
「わしは光聖教会の人間じゃ。この王都エクセスとその周辺5つの都市を束ねる大司教にしてローザラム王国国内の教会をまとめるもの、そして宮廷司祭長をつとめておるサー・ヨアキム・カマーフォードじゃ。よろしく頼むぞ」
「ぼ・・・いえ、私は皆を引っ張るつもりとかはありません。あくまで人生の先輩であり、この中で唯一大人なのは犬養先生なので」
「そうね。でも冷静で品行方正、人気もありクラス委員も勤めている貴方ならみんなのリーダーを努められるわ。光輝くん、頑張って導いて頂戴」
「私も賛成よ。この場を収める能力があるのは光輝君しか居ないわ」
と楓が言えば
「そうだな。僕としても光輝が引っ張る事に異論は無い。何かあれば、古い付き合いだ。僕も協力するよ」
と雫が言う。
「そうだぜ。まぁ、中には不満な奴も居るみたいだが?」
そういって 護 はチラッと横目で秀郷の方を見る
「ふん」
秀郷がその言葉に対して馬鹿にしたような冷笑を浴びせたため、再び一触即発の気配が漂う。が、「チッ」と舌打ちして 護 の方からその場を収めた。
「皆さん、お話はつきましたか? それではこれから陛下、つまり私の両親との謁見がありますので詳しい説明や質問はこちらでお願いします。」
「解りました。それでは案内をお願いします」
光輝がそう言って頭を下げると、皇女やお爺いさんが歩き出したため俺達も後を付いていく。
なんか嫌な予感しかしないな~