捨てられた無能
すごく難しいですね。小説を書く事って^^;
追記 書き直しました
その日、空には厚い雲がかかり、雨がシトシト降る非常に重苦しい雰囲気で少し嫌な気分だ。
国王・マデリーン王后・ジュリア王女に呼ばれた一行は、謁見の間で彼等の話を聞くことになった。
「ご苦労じゃ、皆の者。実は横暴な隣国が我が領に一方的に攻めてきての、これも貴重な体験じゃと思うて北西にある砦の方に行っては来れぬか」と持ちかけてきた。
当然断る事は出来ないので、仕方なしに全員付いてきた。パッと見た感じ周りは相当な兵で囲んでおり、逃げ出さないようにという事もあるだろうがあながち体験の為というのも嘘じゃなさそうだ。
雨が降り続く中しばらく歩くと、前方に煙が立ってるのが見える。
「な、なんだ これは!!」、周りの兵達が次々と慌てふためいて煙の方へ駆け出していく。
砦に着くと、そこは地獄絵図だった。全裸にされて転がっている近くの住民と思われる女性、バラバラにされた兵士っぽい人、辺りは血の海で付いていった生徒の大半がゲーゲーと吐き続けている。楓 を見るとプルプルと震えて袖を掴んでる。
この実体験はみんなの心に大きな影響を与えたと思う
あの実体験から一ヵ月後、ジュリア王女に呼ばれた一行は、謁見の間から王族直々の案内で城の地下まで案内されたんだ。「たしか、ここは・・・・・ 僕たちが召喚された所に似ているような」なんて事をぼんやり考えていたんだ。
光輝も「ここは、俺達が召喚された所か?」とあたりをキョロキョロしている。ふと、楓 の方を見るが 楓 は光輝の方にピッタリとくっついていた。その時僕の心にずきりと痛みが走る。
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部屋に入るとそこは最初来た時は興奮とパニックでまともに見なかったが、中央には円形の台の様な物が設置されている。台の前で王女様は立ち止まった後振り返って「皆様、召喚当時は突然の事で覚えておられないかも知れませんが、ここは皆様が召喚なされた時の場所です。これは古代遺跡より発掘された転移装置です。簡易の物で陣が青く光っている時は対となる小型の魔道具が設置されている先に転移する事が出来ますが、今の様に赤になっている時は何処に飛ばされるかは解かりませんが、伝承では飛ばされた物は大いなる災いを受けるとあります。ちなみに召喚は少し構造をいじって幾つかの事を行いましたが、このいじった事が原因かどうかは解かりませんが誤作動をおこしました。したがって、向こうに帰す事が出来なくなったわけです」とひとしきり説明を終えた。
そこに秀郷がガラの悪い口調で、「それで? これからどうしようってんだよ」と王女に尋ねた。王女は暫く両親と顔を見合わせた後、「皆様にはこれからダンジョンの方に行ってもらいますが・・・・・」と言うとおもむろに僕の方に視線を向けた。僕は嫌な予感がしたが、すぐにそれを振り払った。
「相馬様、悪いのですが、あなたとはここでお別れしたいと思います」、唐突に言われて僕は言葉を失った。後では他の生徒がザワザワとしている。「あなた達を召喚する為に、平和な世を目指す為にどれだけの人間が犠牲になり、どれだけの想いを力に変えてきたか? あなたには解かりますか?」
そう言われて僕は呆然としたが、なんとか「そん・・・な、僕のせいじゃないし、それに僕だって努力して」とやっと口に出した。国王も王后も僕の方を睨みつけている。王女は「努力すれば良いという物ではありません。今のこの状況は結果が求められており、出せないような愚か者には出て行ってもらうと言いたいところですが、外に出してこちらの情報が漏れるのも得策ではありません」と冷徹に言い放った。
光輝は「孔明、俺達も実は陛下方とクラスで話し合ったんだが、やはり君は足手まといだ。かと言って町民になったからといってきちんと暮らせるとは思えないし、城で世話になると言っても経費の無駄遣いだ」と驚くべき事を言い放った後に王女は「さすがは勇者様方よくお解りですわ。本当なら私が楽にしてさしあげてもよろしいのですが、そこは私もあなた方を勝手に召喚してしまった事ですし。さあ早くその装置に乗ってくださいまし」とせきたてるように言い放つ。
「なんで・・・・・ なんでだよ!! 楓、楓 も同じ意見なのか?」、ショックを受けた僕は 楓 の方を見る。だが驚いた事に 楓 は「ごめん・・・・ 孔明君、ここは日本じゃなくて違う世界。私達もこれからダンジョンに行って命のやり取りをしなきゃならないのよ? あなたは私を守るって言ってるけど、守れるのは光輝君しか居ないと思うのよ。そして光輝君は元の世界に帰る為には、使えない人を抱え込んだままでは難しくなるって言ってた。だから、、、、ごめんね。それに、今 私ね・・・・・・」とさらに言おうとするのを手で遮った光輝は 楓 の腰に手を回して抱き寄せると、「悪いな、楓 は俺の女だ。多分子どもが出来る日も近いだろう」ととどめの一言を言い放った。国王・王后は能面のように表情を作らなかったが、王女は思わず「ぷっ」と噴出しそうになっていた。
なんだよ・・・・・・・ なんだよそれ・・・・・・ 自分達が無事なら僕の命なんかどうだって良いってのか?
「おら!! なにチンタラしてんだよ!! さっさと行けよ!!」、魔術師である田山の放ったウィンドウボールが直撃して陣まで吹っ飛ばされた。外の生徒も「「そうだ!! さっさと役立たずは死んじまえ」」とか「元の世界でもお前なんか居なくても一緒だったが、こっちでは命が掛かってるんだぞ!!」とか好き放題言ってる。秀郷は侮蔑の目で他の生徒を見ていたが、同時にその目は僕にも向けられていた。雫 は我関せずと言わんばかりに、目をつぶっている。
王女は「運が良ければ生き残れるかも知れません。まあ今までそんな例はありませんでしたが」と語った。
良く解かったよ。ここも向こうの世界と同じく俺の命なんてゴミと同じ、いやここはより残酷な世界だったって事が。僕だって努力した、みんなの為に一生懸命やった、楓 の為に寝る時間も削ってまで必死にやった。結局は僕はいつ死んでも良い、そんな程度の人間だったんだ。特別扱いなんか望んでない、普通になりたかっただけだったんだ!!
「まあ、サンドバックが居なくなるのは残念だが、こっちも本腰を入れてまじめにやらなきゃ帰る事なんて出来なさそうだからな、あ~ばよ~ 弱虫ちゃん」、転移される瞬間の醜く歪んだ田山の顔を見たのが最後だった。




