学校
今日もまた、いつもの電車に乗る。…なっちゃんと共に,
「もしかして、ずっと一緒に登校するつもり?」
「もちろん!こんな面白…じゃなくて、大変なこと千紘だけに任せらんないでしょ!」
「面白そう」って、ことかい?なっちゃん…。
わたしが苦笑いをすると、気まずそうな顔をし、
「いっいいでしょ!ウチのことは!ほら、あっちいくよ!」
そういってヒロくんのほうへ行ってしまった。慌ててついていくと、前と同じく、声が聞こえるか聞こえないかぐらいのところで立ち止まった。
「はははっっ」
「おい!ふざけんなよ!」
そんな声を聞きながらチラリと彼を盗み見る。
「(はぁ、幸せ)」
うっとりと彼を見つめていたわたしだが、となりからの冷たい目線で、目が覚めた。
「千紘…あんた分かり安すぎ。そんなんじゃ彼もすぐ見られてるって気づくよ?」
「え!?うそ!」
「ほんと。」
呆れたようにいわれてしまった。…あのなっちゃんに。そのことに地味に傷ついていると、なっちゃんがこう言った。
「そういえば、彼ってどこの高校だろうね?」
確かに、どこだろう?
彼、というか彼らが着ているのは学ラン。といっても、ここら辺の高校はだいたい学ランだから、制服だけでは判断できない。わたしたちが困っていると、
「あっ!そういえばヒロ。お前応援団長になったんだってな!」
「うわっ!それ言うなよ…。ただでさえ受験勉強で忙しいってのに。あいつら、「高川がいいと思いまーす!」っとかいって俺に全部押し付けやがったんだぜ!?」
「うっわ!ドンマーイ!」
そんな話し声が聞こえる。それを聞いてわたしとなっちゃんは顔を見合わせた。
「今月に体育祭やる高校って、」
「近所の西条高校だけ!」
うれしい!こんなに近くだなんて!それに受験勉強ってことは三年生かな?じゃ一個年上なんだ。
そんなことを考えながら、なっちゃんにあることを聞いた。
「ねぇ、27日ってOFFだよね。」
「…うん。」
「一緒に西条の体育祭行かない?」
「デスヨネー。」