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電車の彼  作者: 小夜
1/8

朝練

わたし、高橋(たかはし)千紘(ちひろ)の所属する吹奏楽部の朝練の始まる時刻8時50分。我が家から学校まで電車で20分。---そして現在時刻8時13分。


わたしは階段を駆け下りた。


「きゃーー!嘘でしょ!?遅刻するー!」


うわぁ、どうしよう。確か次の電車は8時25分にでるはず!着替えて、髪を整えて…10分で出来るかどうか‼︎


わたしは大急ぎで支度をして、駅に走った。はぁっ、はぁっ…。あとここ曲がれば…っ


だだだだっ、と階段を駆け下りる走りながらチラリと横目で時計を確認すると、8時22分!セーフ。よかった、間に合ったみたい!


わたしはホームに止まっていた上川行きの電車に駆け込む。電車内はわりと混んでいたが、私はトランペットを持っているので荷物が重いし、かさばっていて…できるなら座りたい!


「空いてる席は、えっと~。あった」


周りを見ると一番端が一人空いている!


(ラッキー!)私は急いで空いてる席に座り、走ったせいで乱れた息を整え、前を見た。


***


「おはよ千紘、遅かったね」

「あぁ、なっちゃん。…おはよ」


部室に来て一番に話しかけてきたのは親友の佐川さがわ菜々なな。わたしのいつもと違い、素っ気なく、低めの声に


「…ちょっとどうした?具合でもわるいの?」


と、心配そうに言ってきた。しかし、わたしは首を横に振り、なっちゃんに重大な報告をする。


「違うよ、大丈夫。…あのね、なっちゃん。わたし好きな人ができたの。」


すると


「え!?なにそれ!ちょっとー、ウチ聞いてないよっ!であいては誰なの?」


と、大興奮のなっちゃん。しかしわたしはこう答える。


「わかんない…。」

「へ?違うクラスの奴ってこと?」


いや違う。あぁもうっ!思い出すだけで顔が赤くなる。


「電車の中であった人なの。」

「え。」


わたしは恋に落ちてしまったようだ。





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