表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

勝利への第一歩!!

7月25日 10時30分 新宿駅前到着


大きなビルから煙があがっている。

いつも、多くの人々でにぎわう新宿。

今、その面影はどこにもどこにもない。

「マスター、いつ敵が襲ってくるやもしれませんので、引き続きフィルターの解除を続けてください。」

現在の解除率20%・・・・


「あー、マジ最高だわーww俺を見たヤツみんな神様でも見るような目で見てやがった。ガキなんかウサギみてーに震えてたぜ。マジ傑作だわwwwwwwwwwwww」

「『マスター』、敵ト思ワレルAIト他2名ヲレーダーデ確認。2名中1人ハ敵マスタート思ワレマス。」

「やっときたか、こねーんじゃねーかとも思ったが、まあ、派手に騒いだかいはあったってことだな」

「『マスター』、ドウシマショウ。」

「あー、100万だぜ!!決まってんだろ、皆殺しだ!!」


目の前に、ニュースのロボットが降ってきた。

「惜しー、もうちょっとで潰せたのに。お前、感がいいな。」

「マスター、フィルター解除を続けてください。」

「でも、今の声って、あの中に人がいるんじゃ」

「だからなんなのです。殺らなければ、こちらが殺られてしまうのです。私たち3人まとめて・・・」

「3人って、美鈴も?だって美鈴は、このゲームには関係ないじゃないか。」

「犯人からすれば大有りです。美鈴さんは、犯人の『声』聞いています。殺す理由としては十分です。」

そう言うと零は、巨大ロボットの方へ走って行った。


フィルター解除率25%

「なんだー、ずいぶんとちっちぇーAIだな。おまけに美人ときた。こんなにかわいいと、グチャっと潰したくなっちまうなーwwwwww」

「フォルムチェンジを行います!フォルム『ハヤブサ』」

零がそう言うと、彼女の背中から翼が消え、特殊な『アーマー』のようなものに体が包まれた。

「加速時間約3分、その間に解除率を30%まで上げてください。『マスター』信じていますよ。」

僕は、小さくうなずいた。それを見て、零も小さくうなずいた。

「加速開始まで5秒!!3!2!!1!!!加速スタート!!」

解除率27%、残り時間2分45秒・・・


地球上で最も早く空を飛ぶ鳥は『ハヤブサ』なのだそうだ。

その最高速度は200㎞になるとも言われている。

今の零は、まさに『ハヤブサ』だった。

空中で向きを変えながら、高速で飛行している。それはまるで、『ハヤブサ』の狩りを見ているようだった


「ちっ、ちょろちょろしやがって」

敵は背中から、ミサイルを出した。

「それは、追跡型ミサイルだ。ターゲットに当たるまで絶対に止まらねー!!これでチェックメイトだ!」

「それはどうでしょう。」

そう言った彼女の声は、笑っていた。戦闘を『ゲーム』として楽しんでいるのだ。

そう言うと、彼女はさらに加速した。もう肉眼で追うことはできない。

「いくら、加速しようが無駄だ。そのミサイルは振り切れねー」

「ミサイルを振り切ろうなんてはなから思ってませんよ」

彼女がそう言うと、ミサイルが突如爆発した。

「なんだー?急にどうしたってんだよ」

敵は、何が起こったのか全く見当もつかないといった表情だった。

「ソニックブームです。物体は音速を超える速さで移動すると強い衝撃破を生むのです。その衝撃破で、ミサイルを破壊させていただきました。」

「調子に乗ってんじゃねーぞガキ!!」

AIはそう言うと、遠距離攻撃を諦め、接近戦へと切り替えた・・・

解除率29% 残り時間0分・・・


「3分経過、ハヤブサフォルム解除」

間に合わなかった!!・・・・・このままじゃ、零が・・・殺される!!

「い、急がないと」

僕は解除を続けた。

「なんだー、さっきまでの威勢はどうした?燃料切れで何もできねーか?」

AIは、そう言うと零を持ち上げた。

「すぐ殺したんじゃつまんねーからなー。ゆっくり握り潰してやるよw」

早くしないと、零が死んじゃうよ。あんなに苦しそうじゃないか。

早く早く早く早く早く早く早く早く早く!!!!


解除率30%

「フォルムチェンジを行います!フォルム『マーメイド』」

零を包んでいた銀の鎧が、青へと変わっていった。

体を青い鎧で包んだ零の周りに、大量の水がどこからともなく集まってきた。

「け!なにをするかと思えば、そんな水でなにができんだよw」

「・・・知ってますか?高圧の水流は、鉄を『切る』ことができるのですよ」


「・・・・・なにか『言いたいこと』があるならお聞きしますが。」

「は!そんなのハッタリだ。『水』で『鉄』を切る?できるわけねーだろうがよ!!!」

そう言うと同時に、AIは零へと突進していった。


「・・・つまらない一言でした。それでわ、『チェックメイト』です。」

次の瞬間、AIの胴体は、2つに分断された。

2つの胴体は、それぞれほぼ同時に爆発した。

「あなたの敗因は2つあります。1つ目は、私がフォルムを解いたとき直に殺さなかったこと。もう一つは」


「・・・AIとしての、出来が違うんですよ。」




『昨日、ニュースでお伝えした「ロボット」についての速報です。ロボットは、なにものかによって「破壊」されているところを、警察に発見された模様です。警察側は、この事件に規制を敷いて、詳しい調査を進めている模様です。』


「はー、これで僕もテロリストの仲間入りかなー?」

そう言って、僕は深くため息をついた。

「大丈夫ですよマスター。警察は私たちの足取りもつかめてないんですから」

「中の人、大丈夫だったかな?」

「さあ、それはなんとも言えません。ただ1つ言えることは、私はAIは切りましたが、中の人は切っていないということです。」

「・・・生きてるといいね。そしたら、君が人殺しにならなくて済む。」

「・・・そうですね」


彼女はニッコリ笑った。



8月8日 午後3時42分 太平洋上空

「あーあ、もう終わっちゃったの。これで世界ランク15位とかガッカリだよ。」

「『八神サマ』、そろそろ帰りませんと、寮の門限もんげんに間に合いませんが」

「うげ、もうそんな時間!!しかたない、帰ろうか『マリア』。『神ノ宮学園』へ。」







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ