『ゲーム』の始まり!!
『黒い段ボール』の中では、白い髪をした女の子が眠っていた。
「ねえ、ちょっとこれって」
「ああ、この子・・・超カワイイよな」
「あんたねー、少しは空気を読みなさいよー!!」
美鈴の攻撃『往復ビンタ』、未来は5のダメージを受けた。
「カワイイとかそうゆう話じゃないわよ。段ボールに女の子が入ってるのよ、これはたぶんなにかの事件に関係しているわ。早く警察に連絡しないと」
「その必要はありません」
段ボールの中から、女の子が立ち上がった。
「状況確認、現在位置確認、システム内データと以上のデータを照合、一致、以上のことから、目の前にいる少年を『マスター』と判断」
一瞬、背中に悪寒が走った。
彼女の発した言葉は、感情を持たない機械の様だった。
「・・・ちょっと、必要ないってどうゆうことよ、捜索願いとか出てるんじゃないの?」
美鈴がそうゆうと、少女はゆっくりと口を開いた。
「捜索願いなどが出ている可能性は0%です。そもそも私は・・・『人ではない』ですから。」
「・・・ちょっと待って、『人ではない』ってどうゆうこと?」
美鈴は震えていた。そんな美鈴を横に、少女はこちらへ歩いてきた。
「はじめまして『マスター』。私は『AIナンバー0』、『ゼロ型』とおよびください。」
「今回『マスター』は、世界ランク9位にランクインされました。つきましては、『ゲーム』への参加資格と超万能型ハッキングAI、つまり私が贈呈されました。」
「ちょっと待てよ、『ゲーム』ってなんだよ。それに、今『人じゃない』って・・・」
少女は、おもむろにテレビをつけた。
「口で言っても理解できないと思うので、自分の目で見て理解していただきましょう。一部のグループはもう『ゲーム』をスタートしているころだと思うので」
テレビにニュース報道番組が映し出された。
しばらくニュースを見ていると、緊急ニュース速報に画面が切り替わった。
『番組の途中ですが、緊急速報をお伝えします。先ほど午前9時18分ころ、新宿駅前でテロと思われる爆発が起こりました。犯人の身元はわかっておりませんが、空中を高速で移動するロボットのようなものに乗って今だ爆撃を続けており、政府から半径20キロ以内にいる人々に避難勧告が出されております。』
僕は、思わず息をのんだ。
「今のニュース速報って」
「はい、今のが先ほど言った『ゲーム』です。『マスター』には、このゲームに参加してもらい、世界ランカー100人のトップになっていただきます。・・・おわかりいただけましたか?『マスター』。」
彼女は、そういってニッコリ笑った。
「ゲーム?これが?無理だよ。勝てるわけがない。殺されちゃうよ。だって、あんな大きなビルが壊れてたじゃないか。あんな数メートルもある化け物、勝てるわけないじゃないか。」
「『マスター』はまだそんなことおっしゃっているのですか?大丈夫です、私は全AIのうちトップクラスの性能を持っていますから。」
「早くしないと『マスター』の命が危ないんですよ。」
『血で血を洗う戦争はもう始まってるんですから』
・・・彼女は、そう言うとクスッと笑った。