天才なのにオタク的?(元・日常)
2035年 7月10日 7:30
朝。目覚まし時計に起こされて、いつものようにPCの前へ向かった。
いつものようにPCを起動して、いつものようにインターネットを使用する。
これが僕、永田未来の毎朝の日課である。
それと、朝の日課はもう1つ。
「未来。今日こそ一緒に学校行ってもらうわよ!!」
僕のアパートの隣には幼馴染が住んでいる。
名前は、千羽美鈴。
朝早く幼馴染が迎えに来るなんて、なんて幸せ者なんだ。
そう思う人も少なくないだろう。
しかし、そんなのは甘い幻想でしかない。
たしかに美鈴はカワイイ。
整った顔立ち、腰まで伸びた黒い髪、すらりとのびた細い足。青い瞳の大きな目。
だが実際それは表面的なものであり、内面的に見ると・・・とても残念だ。
「あーもう信じらんない。ふざけるなっての。幼馴染の美鈴ちゃんがダメ人間のあんたを迎えに来てやったんだからさっさと出てきなさいよ!まったく、これだからあんたは周りからニートだのオタクだのって言われんのよ。もう社会復帰不可能のところまできてるんだからせめて学校にきなさいよ。まったく、出来の悪い幼馴染を持って悲しいよホント(笑)」
このように、千羽美鈴はかなり性格がひん曲がっている
世の中には、『ヤンデレ』『ツンデレ』という言葉があるが、美鈴の場合ヤン99対デレ1なので『ヤンデレ』が成立していない。むしろこっちが病んでしまいそうだ。
「いいかげんにしなさいよ!このニート野郎!!」
「あ~もううるさいなー、そんなに行きたいなら1人で行けよ。そもそも僕はニートじゃねーし、自宅の警備まかされてんだよ。その間PCやってるだけだ。」
「そうゆうのを世間一般的にニートって言うのよ。」
「自宅警備員だっての!!」
「だいたい、『毎日ここに来る必要もないし、授業を受ける必要もない。ただうちの高校に入ってくれるだけでいい』って言われたから入ったんだよ。無理して行く必要ないだろ。」
「だいたい、あんたは『特待生』としての自覚が足らないのよ。私たちの行動は一般生徒の模範、もっとつつしみもって行動しなさいよね。」
ぼくの通っている高校『私立神ノ宮学院』は、国内ナンバー1の呼び声高い超有名校だ。
そんな名門・神ノ宮学院では、10人の『天才』が特待生として全国から選ばれる。
天才といってもその才能はさまざまだ。
スポーツ・学問・経済ビジネスなど、1人1人異なった才能を持っている。
美鈴も、そんな才能を持った一人だ。
彼女は『天才プログラマー』。
彼女の造ったプログラムは、世界的大企業でも使われている。
僕は、『天才ハッカー』として特待生の1人に選ばれた。
『天才ハッカー』などと呼ばれている理由については、またいつか話すとしよう。
僕にとってもあまり良い思い出ではないから・・・。
「ちょっと、あんた聞いてんの?」
「ん、何が?」
「何が?、じゃないわよ。一緒に学校に行くって話よ。」
「あー、もうわかったわかった。行くよ、行きますからちょっと待っててください。今アニメの速報チェックするから」
「・・・バカ。・・・アニメより私のこともっとみなさいよ」
「ん、何か言った?」
「な、なんでもないわよバカ」
こんな調子で、僕は2日に1度のペースでいやいやながらも学校へいっている。
これが、僕の日常だった。
7月25日の夏休み1日目。
あの『黒い段ボール』が届く前までの・・・・。
初めての投稿なので、『感想』、『アドバイス』等をいただけるとうれしいです。なるべく早く次話を書いていきたいと思っています。