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パート04

 街中を歩いていると、あちこちから学園の生徒と聖霊を見かけた。学園の生徒は聖霊とのコミュニケーションを大事にしないといけないので、日頃から学園内でも外でも一緒に行動するように義務づけられている。

 そうすることによって、いざという時に聖霊の力を借りる事が出来るからだ。未だにどこから何しに来たのか分かっていない聖霊だが、外見はともかくとして中身は俺達人間に似ている。だから信頼関係はかなり重要となる。

 互いに信頼し合い、力を借りるのが聖霊使いの真骨頂だ。

 まあ中には相性が悪くて、契約を破棄されてしまう事もあるが。

「なあラット。そろそろ俺達も一年間経つよな」

「まあそうだな。今年で俺たちも二年生だ」

 ガリシア学園の教育期間は五年間。普通の学園が三年間あるに対して少し長いが、ガリシア学園は様々な国から支援を得て出来た特殊学園だ。一般教育だけではなく、聖霊についても学ばなければいけない。さらに護衛技術もつけないといけないため、戦闘カリキュラムもある。

 そしてガリシア学園には、その年の生徒には年齢にかなりのばらつきがある。

 そもそも、普通の学園に通う人というのはあまりいない。それはどうしてかというと、ほとんどの子供は親の仕事を引き継ぐからだ。学園に通うだけでも教育費などでお金がかかるため、わざわざ学園に通わせようとする人はいない。

 けれどガリシア学園は別だ。ここだけは特殊な条件を満たしてしまうと、強制的に入学しなくてはいけなくなる。その特殊な条件とは、聖霊と契約することだ。

 聖霊と契約する事は非常に簡単だ。ただ聖霊が契約する人を気に入るかどうかで、契約出来るかが決まる。そして聖霊がこっちを気に入り、契約する事が出来たら体のどこかに痣が出来る。刺青といった方がいいかもしれない。

 契約する人間の年齢などはあまり関係なく、その年に契約が出来た人はその翌年にガリシア学園に入学しなくてはいけない。だから年によって年齢にばらつきが出来る。

 少し長くなってしまったが、ケンがいきなりこんな話題を出したのにはある程度予想が出来る。

「それで、それがどうしたんだ?」

「いや、今年は後輩に可愛い子こないかなーと思ってな」

「……やっぱりか」

「……はあ、ケン様はそればっかりですね」

 俺とフェイは同時にため息をついた。ケンは入学した時からよく同年代、あるいは年下の女子と絡もうとする。そのおかげで交友関係などは広がったらしいが、恋人同士まではいかないとのこと。

 俺からみたら、そこまで恋人を作ろうとするケンの気持ちが分からないんだが……。

「でもま、そろそろお前も女子友達くらい作れよ。カノンだけだと身が持たねえぞ? なんなら俺が紹介したっていいんだぜ?」

「遠慮する。そんな事に時間を掛けている暇があったら、もっと別の事に使う」

「さすがラットさんです。どこぞのご主人とは違いますね」

「おいフェイ? それって俺のことじゃねえよな?」

「え?」

「いや、えじゃねえよ!?」

 こんな風に聖霊から呆れられたり、いろいろと好き勝手言われたりしているのを見ていると、一見相性が悪そうに見えるが、この二人はこれでも戦闘カリキュラムの成績は上位だ。ケンは自分の事をよく見てくれているフェイを信用しているし、フェイもまた何も言わずに、むしろ自分から要求を満たしてくれるケンを信頼している。

 俺も少し見習わないといけないな。

「……どうしたの?」

「いや、なんでもないさ」

 そう言いながらサラに手を差し伸べると、サラもいつも通り手をつないでくる。

 ケンとフェイのコミュニケーションがあんな軽口の叩きあいなら、手をつないでやったり、頭を撫でてやったりするのが俺とサラのコミュニケーションだ。

「……なあ、一言言っていいか?」

「なんだ」

「やっぱりお前はサラちゃんに甘すぎだわ」

「お前に言われたくないぞ」

「ああ? 俺がいつフェイに甘くしたって?」

「私達から見たら、お互いどっちもどっちだと思うんですが」

「…………」

 フェイに肯定したサラは首を縦に振った。バカな、俺がこいつと同じくらいに甘いだなんて。

「まあ、とりあえず着いた訳だし、ゆっくりしてこうぜ」

 少しショックを受けている内に、どうやらケンの言っていたお勧めの店に着いたみたいだ。

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