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パート11

 ここで、聖霊と契約しているメリットを言うとしよう。

 聖霊と契約するという事は、体にある紋章を通じて聖霊と繋がるという証でもある。つまり、その紋章を通して聖霊の力を借りる事が出来る。

 俺が今まで戦闘カリキュラムで二対一で勝ち続けてきたのは、こっそりとサラから力を借りて普通よりも身体能力をあげているからだ。とはいっても、サラから力を借りるときは相手がよほど強い時にしか借りないが。

 ともあれ、サラから少しだけ力を借りる事にしよう。

 紋章と通じて沸き上がる力を木刀に込め、勢いよく振り下ろす。すると木刀の軌跡から衝撃波のような物が枝に向かって飛んでいった。

「え……きゃああああああぁっ!?」

 狙い通りに衝撃波は枝を奇麗に切ると、支えを失った聖霊は重力に従って地面に落ちていく。その前に間に入って聖霊を受け止める。

「大丈夫か?」

「う、うん……」

 見た所怪我はない、か。まあいくら見た目がこんなとはいえ、仮にも聖霊だ。人間よりはいくらか丈夫のはず。

 ひとまずはこれで大丈夫だろう。あとは教師の誰かが来るのを待つだけだ。そうすればこの聖霊は監視局の方へと連れて行かれ、適切な処置を受ける事になるはずだ。

「…………」

 ジー。

「……なんだ?」

「いや……、いつになったら降ろしてくれるのかなーと思って」

 そういえば、受け止めてからそのままだったな。

 だけど、聖霊は降ろそうとしたのにも関わらず降りようとしなかった。

「……おい」

「あんた、名前は何?」

「は?」

「名前、教えて」

 突然聞かれたから少し戸惑ったが、だが少し考えて俺にデメリットがある訳ではないから答える事にした。

「ラット・ストライフだ」

「ふーん……」

 名前を言うと、今度は俺の体をあちこち見まわした後に、俺の顔をじっくりと眺め始めた。

「…………まあ、及第点ってところかな」

「おい、さっきから何言っている。さっさと――」

「あんた、私と契約しなさい!」

 そう言った途端、いきなり聖霊は腕を俺の首に回してキスをしてきた。

「な……!?」

 予想外の行動に驚いていると、俺の左手に人間型の聖霊と契約した証を証明する紋章が浮かび上がった。一度契約してしまった聖霊は、自分が死ぬか聖霊が消滅するか、そのどちらかでした契約を破棄する事は出来ない。

「あたしの名前は、ネネ! あんたはこれからあたしのマスターなんだから、これからきちんとあたしの面倒みなさいよ!」

「……………」

 いや……。

 それ以前に、俺はお前と契約をするなんて一言も言ってないぞ?

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