あの日、あの時………。
「終わりにしよう」
部活が終わって、誰もいなくなった体育館。私は頭が真っ白になった。
家に帰っても、なにものどを通らない。
いつもはくつろげるお風呂でも、その事が何度もループする。
それは寝る時も同じ。
なんであんな事言われたんだろう。
そもそも、私は相手を好きだったのか。
そんな事も分からなくなるくらい、私は悲しかったんだと思う。
だって、悲しいはずなのに涙が出ないなんて、初めてだったんだから。
一週間、眠らず、眠れずに悩んだあげく、私は勇気をふりしぼった。
「…………もう一度」
でも、返ってきたのは……
「ごめん」
たった一週間。されど一週間。相手だった人には、すでに次の人ができていた。
今なら分かる。
私は舞い上がっていたんだ。
修学旅行、他人に言われて気持ちに気付き、
クラスメイトが勝手にその事を伝え、
なぜか実ってしまった思い。
思えば、始まりも体育館だった。
修学旅行が終わって幾日も経っていない日。
部活も終わり、二人っきりで鍵を返しに行く。
私と相手は、部活の部長だから、それも自然。
「本当に、好きなのか」
そう聞かれた。
「好きです」
そう思ったわけでもないのに、叫んでいた。
「やったー」
でも、それは自分だけじゃなかった。
だって、相手も叫んでるんだから。
その事が、なによりも嬉しかったんだ。
でも、それからなにもなかった。
恋なんてした事ない。
部活と塾と習い事。
なにをすればいいか、分からなかったんだ。
今思えば、学校以外で会った事は、ほとんどない。
もっと二人の時間を作っていれば。
なんて事を考えてた。
そんな時に言われたんだ。
「終わりにしよう」「ごめん」
たった二言で、私の恋は、半年で終わった。
ぽっかり空いた穴がイタイ。
イタイが治るのに、一年かかった。
私と相手、今ではなんでも話せる友人。
だから、聞いてみたんだ。
「なんで、あんな事言ったの?」
「友達にからかわれて、嫌な気分にさせたと思ったから」
そして、私も聞かれた。
「なんで嫌って言わなかったの?」
だから答えた。
「別れたいんだと思ったから」
全ては、想い合うがための、些細なすれ違い。
あの時、嫌と言っていれば、抱きしめていれば、唇を重ねていれば、私の中学生活は、高校生活は、もう少し違っていたのかもしれない。
―――迷った時は、勇気を出して―――
―――そうすれば、ちょっとだけ―――
―――違った世界、見られるはずだから
うわ、恥ずかしい………………。
みんな、絶対忘れてね、お願い。
衝動的に書いちゃったのなぜか。
あれ、よく見ると脚色がないよ。