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減る日常

作者: 勝瀬うしょ

7度目の投稿です。

「そこにいるのはわかってんだよ!」


俺はドンドンと叩いた。


「……」


奴は何も言わない。


いつだってそうだ。


昔は、よく出てくる奴だった。


再び叩いた。


それでもやつは出てこない。わかっている。これぐらいじゃダメなのだ。


いつもそうだ。何度も叩かないと出てこない。


しかも、前回と同じかそれ以上叩かないと出て来ない。


こいつはもう、変わってしまった。


以前の真っ直ぐだったあいつは、いつしかネジ曲がった姿を俺に見せるようになった。


「なあ、どうしてだよ……」


日増しに、叩く回数が増える。


増えて、増えて、増えて――。




段々と叩かない日も増えてきた。面倒くさいのだ。出向くのでさえも。


俺は段々、諦めるようになった。短気、と人に怒られるのだろうか。


なかなか出てこない奴のところにわざわざ行くのが嫌だった。


でもこれは俺が決めたことだった。


どんなに嫌になっても、たまにやらなくても、やめてはいけないのだ。


それを心に言い聞かせて体を動かす。そして叩く。




ある日。


叩くだけでは駄目だと思い、壁を壊した。


そして中を見た。


俺は奴がもう二度と反応しないことを悟った。


俺がどんなに叩いてももう出てこないわけだ。



いずれこうなることはわかっていた。



やつが、出てこなくなってからわかっていたことだった。




それでも俺は一縷の望みにかけて、必死に叩いていた。


その必要はもうないらしい。




その日のうちに、俺は奴を葬った。



奴を目の前にして俺は最後にこう言った。














「新しい歯磨き粉買ってこないと」

褒めるとこがあったら言って欲しいのですが、全力で否定されてもみたいです。意味分かんない、以外で。たまに、というより最早ほとんど、登場人物が何か考えるような仕立てになっていますが、(もし前のを読んでる方がいたら)今回はどう感じましたか。

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