あれ?
中には大きなリビングがある。
そこに通されて座らせれる。
『改めて自己紹介させていただきます。アリアス・レインでございます、貴方様の付き人とし…』
先程とたいした差が無いのに丁寧に挨拶してくる。
「貴方様、とか辞めてくれ。」
苦笑いをしながら、伸行は肩をすくめる。
『と、いいますと?』
アリアスは眉ひとつ動かさずに聞き返してくる。
「俺はそんな風に呼ばれる人間じゃないぞ。そんなことより、どうせなら仲良くしたい。」
握手を求める伸行に、アリアスは戸惑っていた。
『しかし…。』
伸ばした手を、アリアスは引っ込めてしまう。
「実はさ…色々と心細かったんだ。」
伸行は、じーっとアリアスの眼を見ながら話す。
『え?』
アリアスは驚いた。
過去にここに連れて来られた人物は皆、自信に溢れていて、実際に実力も凄かった。
その代わり付き人のアリアスなどに目もくれなかったのも事実。
「だから…もっと仲良くしたい。」
伸行の歪みの無いまっすぐとした眼光に、アリアスは嬉しくなった。
「レインは俺の付き人だろう?」
再び手を出す伸行に、
『はい…。』
アリアスはとても嬉しくもあった。
「一緒に居てくれ。」
おいおい、伸行それは…人にとっては違う意味に。
『え、え?』
ほら、アリアス困ってますよ。
「は・や・く」
照れつつ、手を差し出してる伸行にアリアスは…。
『はい、不束者ですが宜しくお願いします。』
いいんですか、アリアスさん?!!
「ん?こちらこそ。」
ニコッと笑って握手を交わした2人であった。