サンダーバード
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瞬きをする。
自然の動作で、眼を開ける。
あれ程あった氷柱…は地面に落ちて跡形も無く全てなくなっていた。
「かかったな。伸びよ、そして捕まえろ…伸氷の植物」
すっと伸行は短めな詠唱をする。
すると、地面から氷が意思を持ったようにアリアスの足を絡め取ろうとする。
『甘いですよ。』
絡めとろうする氷の触手を雷を纏い触れさせない。
「ッち…。」
一度2人とも距離をとる。
アリアスは、今回の戦闘で初めて詠唱を使うことを決めた。
『その羽は雷、その目は炎。来い…雷の精霊』
ちかっと部屋全体光に包まれる。
伸行は現れたものに、驚いた。
「なんじゃ…そりゃあああああああああああああ!!」
体長は5mあろうか?!
大きな雷を纏っていて、目は炎のように赤い鳥が目の前にいるのだ。
『サンダーバードです。』
淡々と言うアリアス。
「未確認種じゃねぇか…。」
伸行もすかさず詠唱をし始める。
…が。
『Repetition。』
アリアスがそういって目に魔力をとおすと、
先程の大きな球が先程と同じように伸行を狙う。
「ふんっ。」
今度は掌を使って威力を削りながら交代していく。
また、弾き返しても結局アリアスが吸収してしまうし
雷の玉を反らしたとしても追撃されては意味が無い。
「…いい事思いついた。」
普通の人が見れば1歩下がりながら、玉を無力化したように見える。
そして、目の前に迫る雷の鳥を見ながら…そう呟いた伸行だった。