連動
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第三戦、vsポーランド。マドリード、サンティアゴ・ベルナベウ。
スターティングメンバーが発表されたとき、ニコラスはベンチだった。
ターンオーバーだった。トゥヘルが第三戦でメンバーを入れ替えた。すでにグループ突破は決まっていた。
アリスターが先発に入っていた。
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ウォームアップ中、アリスターがニコラスの隣に来た。
「俺が先発だぞ」
「見ていた」
「見てろよ」アリスターは言った。「ロングシュートを打つから」
「打てる場面があれば」
「作る」アリスターは言った。「そういうものだ」
ニコラスは少し笑った。
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前半、ポーランドは予想通りだった。
3-5-2で低く構えてきた。五枚の中盤がコンパクトなブロックを作り、イングランドがボールを持つ時間が長くなった。でも崩せなかった。
アリスターは中盤右寄りで動いていた。
ボールを受けるたびに前を向こうとした。ポーランドのMFが食いついてきた。
三十一分、アリスターがボールを受けた。前向きになった。DFが距離を取った。
迷わなかった。
右足を振り抜いた。
ボールがカーブしながら左上隅に突き刺さった。
スタジアムが沸いた。
ベンチからトゥヘルが立ち上がった。
ニコラスはそのゴールを見ていた。
走りながら打った。DFが距離を取った瞬間を逃さなかった。躊躇がなかった。
あれがアリスターのゴールだった。
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ハーフタイム、ロッカールームでアリスターがニコラスの隣に来た。
「見たか」
「見た」
「どうだった」
「躊躇がなかった」
アリスターは満足そうに頷いた。「そうだろう。あそこで止まったら打てない。二年かけて覚えた」
「次の武器は何だ」
「まだ考え中だ」アリスターは言った。「でも今日はこれだけで十分だろ」
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後半、ニコラスは六十七分から出場した。
アリスターと交代ではなかった。パーマーと交代だった。
四分間だけ、アリスターとニコラスが同じピッチに立った。
ニコラスが前線に入り、アリスターが中盤にいた。
七十一分、アリスターがボールを持った。前線を見た。ニコラスへ縦パスを入れた。
ニコラスが受けた。DFが来た。ポストで落とした。フォーデンが受けた。シュートを打った。GKが弾いた。こぼれ球をベリンガムが押し込んだ。
二対零。
ゴールを決めたベリンガムがアリスターを指差した。アリスターが右手を上げた。
ニコラスはその場面を見ていた。
アリスターのパスから始まった。チェスターフィールドで初めてボールを渡してきた男のパスが、ワールドカップのゴールに繋がった。
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七十一分、アリスターが退いた。
ピッチを出るとき、ニコラスの横を通った。
「四分間だったな」とアリスターは言った。
「そうだな」
「でも一回パスが通った」
「通った」
アリスターは少し笑った。「チェスターフィールドから来た意味があった」
ニコラスは少し間を置いた。
「あった」
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試合終了、二対零。グループ首位通過。
ロッカールームで、ケインがニコラスの隣に来た。
「今日、途中から入ってどうだった」
「物足りなかった」とニコラスは言った。
「それでいい」ケインは言った。「物足りないと思えるなら、次が楽しみになる」
「決勝トーナメントは全力で出る」
「そうだ」ケインは言った。「今日学んだことがある。ベンチから見ていたとき、何か気づいたか」
ニコラスは少し考えた。
「アリスターのゴールの場面、DFが距離を取った瞬間に打った。迷わなかった。その判断が早かった」
「それだけか」
「ポーランドのブロックは崩しにくかった。でも前半、何度かスペースが生まれていた。引きつけて逆を使う形が通りやすかった」
「昨日練習したことが使えそうだったか」
「使えると思った」
ケインは頷いた。「決勝トーナメント、やってみろ。俺が動く。お前が逆を取る。今度は試合でやろう」
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ホテルへ戻る車の中で、アリスターが言った。
「グループ突破だ」
「そうだな」
「決勝トーナメント、俺はあまり出られないかもしれないけど」
「わかっている」
アリスターは窓の外を見た。マドリードの夜だった。
「でも今日の四分間があった」
「あった」
「チェスターフィールドから始まって、ベルナベウで一緒にプレーした」アリスターは言った。「それだけで十分だ」
ニコラスはアリスターを見た。
「十分じゃない」とニコラスは言った。「次はもっと長く出ろ」
アリスターは少し驚いた顔をした。それから笑った。
「お前に言われるとは思わなかった」
「来季また戦おう」
「絶対にな」
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