ルーナの特製クッキー
※文章の一部、AIを活用しています
精霊城の近く、ラーナとルーナの家の台所。
ルーナは、リシアに送るための特製クッキーを作ろうとしていた。
しかし、ルーナは掌ほどの大きさしかない精霊だ。
それなのに、この小さな手でどうやって料理を作るのか――と、自分でも思わず呟いてしまった。
「……やっぱり、このままじゃ作業が大変すぎるよね~」
そう言うと、ルーナは指先をかざし、柔らかく光をまとった。
体がふわりと膨らみ、見る見るうちに人間とほぼ同じ大きさに変わる。
なんと!精霊特有の人化魔術で、自分の体を人間サイズに変えたのだ。
「これで準備オッケー♪」
小さな手では難しかった作業も、これならもう楽々。
ルーナは小さなエプロンをきちんと結び、木の小さなボウルの前に座った。
「よし、リシアちゃんのために、特製クッキー作るよ~!」
そう言って、ルーナは家に置かれた氷結箱へと向かった。
材料は人間界でこっそり手に入れたものだ。
「盗んだわけじゃないもん……」と、ルーナ自身は思っている。
しかし、現実には十分、立派な強盗だ。
ルーナは材料を全て揃え、机の上に並べた。
そして、自己流のレシピ通りに作業を進めていった——。
***
柔らかな午後の光が、リシアの家の庭を優しく照らしていた。
ルーナは小さな羽をぱたぱたと震わせながら、手に持った小箱をぎゅっと抱えた。
「リシアちゃん、来たよ~!」
掌サイズの彼女が、光の粒をまといながら庭の入り口に現れる。
小さな体からは想像できないほど、箱にはずっしりと特製クッキーが詰め込まれている。
リシアは庭で花の手入れをしていた手を止め、目を細めてルーナを見た。
「ルーナちゃん……どうしたの?」
ルーナはにこりと笑い、手を伸ばして箱を差し出す。
「じゃじゃん!さっき作ったルーナ特製クッキーだよ~。食べてほしくて持ってきちゃった♪」
そう言いながら、箱を開けると、甘い香りがふんわりと広がった。
丸くてかわいい形、少し焼き色のついた表面……ひとつひとつに、ルーナの丁寧な手仕事が感じられた。
ルーナは箱をリシアに差し出す。
リシアは身長に受け取った。
「……ありがとう、ルーナちゃん」
ルーナは小さな手を胸に当て、嬉しそうに羽を震わせた。
「えへへ、喜んでくれると作りがいがあるよ~!」
「……ルーナちゃんのクッキーは甘くて、ほっとする味だよ」
その一言に、ルーナは満面の笑みを浮かべた。
「ほんと!? えへへ、照れるなぁ。あ、疲れたときとか、魔法の鍛錬の後に食べるとぴったりなんだよ!」
天真爛漫に話すルーナを見て、リシアはいつもとは少し違う、柔らかな表情を浮かべた。
それに気づいたルーナは、にこりと優しく微笑んだ。




