この脆く臆病な心はもう
ずっと一人だった
目に映る全ての人が敵に見えた
ずっと暗い部屋の中
悪いのは全て自分だと
自分を責め続けた
どこへ行っても馴染めなくて
どこへ逃げても
白い目にばかり晒されて
助けなんてなかった
一人で生きてきた
そんなこと口が裂けても言えないけど
一人ぼっちで生きてきた
そうとなら言えてしまう半生
この心が酷く脆いのは
崩れるたび
砕けるたび
不器用な僕が
セロハンテープで貼り付けるしかなかったから
いつまで経っても
人が恐いのは
常に自分が悪いのだと
間違って植え付けられた価値観に
肩までどっぷり浸かったまま
生きてきてしまったから
失敗を犯すのが恐くて
そこから繋がる
誰かに迷惑をかける事が
何より恐くて辛くて
いたたまれなくて
そんな内側にしか向いていない感情が
過去から地続きの
刃みたいな自責が
自らの歩みを遅らせていること
もう気付いているのに
この心が酷く脆いのは
継ぎ接ぎのまま
あの日の痛みや恐怖を
失わずに闘ってきたから
いつまで経っても
臆病が直らないのは
人の心を傷付けてしまうことの罪深さを
その痛みを
嫌というほど知って
ちゃんと心に刻みつけているから
ずっと僕は独りだった
でも今はもう独りじゃない
明るい場所へと踏み出したからこそ
見えた痛みや迷いや悩みを知って
この脆く臆病な心はもう
ただの弱点や恥部ではない
その痛みや恐さを知って
忘れないまま抗い続けている
それはもう
弱さと呼べるものではない