自由すぎる女友達の話
私立桜花高校は、県で有名なヤンキー校である。そして一番有名なのがこの女
「そこのお前今すぐシュークリームとウインナー買ってこい。10分待ってやる。もちろんお前の金でな」
クラスの男子を絶対領域ギリギリのスカートの脚で、踏みつけてる 美棘愛である。そして僕の唯一の女友達である。
踏みつけられた男子は察したのか逃げるようにクラスを出ていった。
「食いすぎると太るぞ~」
「ウインナーとか、びっちめ」
「あんな女……私の方が可愛い」
「美棘様、今日もお美しい……」
クラスメイト達は本人に聞こえないように話していたようだが、
「あ?俺が全部食うわけねえだろ低脳ゴリラ共。
これはな、こいつが食うんだよ。そんなこともわかんねーのか?あ?その辺に落ちてるゴミの方がリサイクルできて有能だぞ?」
ちなみに美棘はゴミ拾いボランティアをしている。
ボランティア団体の最高責任者で意外とすごい奴で
ある。ゴミはゴミ箱に捨てようね。
美棘はギロッと鋭い目でクラスメイト達を睨む。
「それにウインナーとか……って言ったやつ、出てこい。表出ろ。ウインナーはな!あれは!あれはな!!!!!!」
「あれは………………?」
クラス中が息を飲む。
そして解き放った一言。
「美味い!!!!!!!!!!!!!!」
ここまでためてその感想かよ!
「ウインナーしか勝たん!」
そしてこの笑顔である。
その時、机を蹴り飛ばす音がした。
「こいつ、俺らのこと舐めすぎだ。
痛い目に合わせなきゃダメだな。いい体してるし。ふへへ」
「こういう女、服従させると気持ちいいんだよな。
うへぇへ」
「てめえ……黙っていれば……言いたい放題いいやがって……。女は男に勝てないことを教えてやる。三人と一人、バカでもわかる。勝てないってな!!!!!俺の女になれ!!!!!」
男が三人、同時に美棘を囲むように飛びかかろうとして、同時に地面に倒れた。
ゴキッ バタッ ドスッ
「じゃあ、勝てた私はバカではなく、負けたお前らは、バカってことだね」
長い髪を靡かせる。いつ見ても何が起きてるのか分からない。それは僕だけではなく、皆も同じだろう。
でも一つだけ分かることは、
誰がどう聞いても骨が折れる音だった。
「俺に勝てるのは俺が負けを認めた奴だけよ」
骨が折れている男はもがき苦しみ、後の二人は気を失っていた。
「あ、愛……その辺に……な……?」
「愛って呼ぶんじゃねーって何回言ったら分かんだよ!!俺の作ったクッキー食わせるぞ!いいのか!?」
絶対に嫌です。もう二度と食べたくない。てかあれはクッキーではない。
「そもそもお前が強ければ私が出る幕じゃねーんだよ!制服もスカートも汚れるし、汗もかくし、髪もボサボサになるし、汚い豚どもを蹴ると脚も汚れる。
私はお腹すいてるんだよ!分かるか?乙女がお腹の音聞かせられるわけねえーだろ?!」
いや、あなた蹴りではなくまるであの漫画のような覇気で気絶させたよね?――――と言えるはずもなく。
「それにな!!-++*%#@+-+&--」
そこからは、もう何を言っているか分からなかった。
結局、シュークリームとウインナーが到着するまでマシンガントークは続きそれまでまるでこの世を終わらせる悪魔のような顔だったが、シュークリームの甘さで
ただの女の子に戻っていた。
「シュークリームしか勝たん!!!」
さっきのウインナーはどこ行った。どっちしか勝たんのだ。JKの考えてる事は分からない。
「弱くてごめんね……。僕、男らしくないよね」
「……いいよ。私がまもr……何言わせんだよ!!!!!!」
愛は急に顔を赤くする。それを見た瞬間、激しい痛みが走る。
一瞬何されたか分からなかったが、膝で腹を蹴られた、という事をすぐに理解した。
「ばーか。ばーか。ばーーーーか!!!」
そう言って、愛は走り去っていった。