表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

今日から学校と仕事、始まります。②莞

魔女狩り宅急便

作者: 孤独

配送トラブルはいくつも起こる事であるが、現場にいると誰がやらかしやすいのか分かる事がある。上司はそれを良くチェックしているし、指導するのは当然の事である。

だが、そーいう事を極端に嫌っている担当者は、こちら側のトラブルは極力避けたがるので、あまり言われない。矢木配達員とかはそうである。



「え?2日前に出された荷物が届いてない?」



正当受取人と思われる人物から、担当者を出せと言われて、電話に出たが……。



「3日間は自分がその担当地域を任されてましたけど、お客様の荷物は一つもありませんでしたよ」


こっちからは分からないしか、お答えができないような対応って、やたらと怒ってくる。

解決しろという割に全然解決に取り組まないタイプの相手。滅茶苦茶言っているので、ここの話はさすがに書かないでおく。ホントにメチャクチャで、……は?とかしか、答えにならずに怒ってるから。


「ひとまず、差出人にご連絡して確認してみます。こちらの中でも調べますけれど」



とりあえず、それしかないから。電話を切ってくれないと困るんだよ。同じことを10分以上も言われても、探しようがない。



ガチャ


「は~~……」


深いため息をついてしまうのだが、……差出した日にちから、こちらにも到着してないというのが無難な状況なのだが。それで納得していないから、電話されているという。探して来いと言われても、単純に到着してないんじゃないか。で対応だから、とりあえず周辺地域を捜索するだけしか今日はできない。確かになかったはずだと、自信は持っている。ありました、とか答えるわけないでしょ……。

疑問なのが、無くしたと相手に説明しろとか、早く寄越せとか、お前等が謝罪しろとか、差出人は配達員ゴミのミスがないと配送しないなど……そーいう風に訴えてくるのが謎である。そのくせ、荷物の番号が分からないと来た。どーなってんだこりゃ。



◇      ◇


翌日。


「という状況でした、本日も届いてないんです」

『左様でございますか。担当の者を呼んで参ります』


結局、荷物そのものが今日になっても届かないし。差出人に電話をしなきゃいけないわけだ。お客様の言い分をこちらから通して言う。こーいう時の電話対応さんは助かる。


『担当の原です。本日はこちらから発送したと思われるお荷物が届いてないという事ですか』

「そうです。〇〇〇〇〇お住まいの、✖✖さんのお荷物を3日前に差し出したと、✖✖さんが申しているんですけど」

『少々お待ちください……』


待つ事、1分ぐらい。


オチとしては、すぐに差出人に電話すりゃいい話ではあったのだが、本当に荷物を出しているのに、新たに発送してしまったら、差出人がさすがにね……。

数日ほど前の不着トラブルの場合は現地調査が基本で、1週間以上遡る場合は差出人に問い合わせる。


『あ、こちらですね。✖✖さんへのお荷物は、……今月はこちらも発送してませんね』

「え?」

『特に商品のご注文をされたとかはございません。こちらから✖✖さんにご連絡しましょうか?』

「いや、こちらが受けているので、こちらからお電話しますよ」


たったそれだけであるが、良い対応であった。話が分かる相手は対応しやすい。


『ほとんど、この時期に頼んでいますけど、今月は1個もないのと。お客様が追跡番号が分からないのも、荷物を頼んでないからだと思いますよ』

「✖✖さんはそちらにもお電話したと仰られてましたけど」

『3日前の電話記録にはないですね。いつもこの辺りに発送してますし、配送会社に対応されるといった事はこちらからはご案内しませんよ』

「じゃあ、✖✖さんが勝手に言ってるんですかね」


お客様対応同士で、推理ゲームを始める事ができて、ようやく解決の糸口になる。

っていうか、……


「『自分で対応しやがれ!!』」


心の中でお互いに思っておく。


「『ありがとうございました』」


お互いにお礼を言って、電話を切る。

これで解決できる。これで終わる。そー思えるじゃん。


◇       ◇



4日後。


「なんで今日も電話にでねぇーーーんだ、クソ野郎!!!」


こーいうお話の場合、相手側が急に電話に出なくなるから、本当に解決するまで時間がかかる……。

おまけに電話に出るだろうという時間帯まで、こっちは電話をかけたりする。

いやー、仕事が終わらないんですけどね。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ