怪人は仕事を辞める
ストックを作るということを学んだのでストックが続く限り
は連日投稿していきたいと考えています。
一応怪しまれないように遊びの約束を
「用事が出来てしまって〜」と連絡して
今日一日の休日を満喫する事にし、
その夜に辞表を書き上げた。
休日が終わって会社に出勤し、即座に
社長室へ向かう。
かなり高い地位の役職である私は顔パスだ。
…まぁ、役職は「五花の魔法少女プロデューサー」
とか言うふざけた名前のほぼお飾りの役職だが。
社長室のドアをノックし、返事が帰ってから
ドアを開ける。
「影山くん、こんな朝早くに何の用だね?」
社長からの質問が飛ぶ、それに対して私は
「辞表を提出しに来ました。
受理して下さい、拒否権はありません」
「分かった受理し…なんだって?」
どうやら聞こえなかったようだ、もう一度。
「辞表を提出しに来ました。
受理して下さい、拒否権はありません」
「待て待て待て待て!辞表!?
なんだって急にそんな事を言うんだ?
給料も待遇も問題はない筈だろ!?」
どうやら聞こえなかったわけではなく、
私の言葉が信じられなかったようだ。
「給料にも待遇にも問題はありません。
しかし極めて個人的な事情により
辞めさせて頂きたいのです」
「な、なんだね?その個人的な理由とは?」
むう、しつこいな。まぁ当然ではあるのだろう、
何せ急に辞表を叩き付けられたのだ。
驚いても無理はない。
「『五花の魔法少女』、彼女たちです。
もううんざりなんです、彼女たちに
休日を潰され、仕事時間に比べて僅かで、
至福の時間であるお昼休みも潰されて。
もう一人で自由に生きていきたいのです」
「む、むう…しかし」
「何か問題でも?私以外でも勤まる職務でしょう。
それに不届きな真似をしようとする輩が
いても彼女たちなら平気でしょう」
あんなスーパーパワーがあるのだ、
当然のように対応出来るはずだ。
「しかし…引き継ぎはどうする、そこだけは…」
「社長、半年前に私が教育担当した子覚えてますよね?
その子に後任をまかせられるよう教育していたので、
その子に任せてみてはいかがでしょうか?」
私はこういった事態を予測して、半年前ほどに
私の代わりになってくれるような子を新人の中から見繕っていたのだ。
今も、少しだけ仕事を手伝ってもらって私の今の仕事の内容は覚えているはずだから、
完全に引き継ぎに関しては問題はない。
「む、むぅ…」
「社長、もう何もないですね?
でしたら、辞表の受理を。」
「…分かった、もう私も折れよう。受理する」
どうやら納得してくれたようだ。よかったよかった。
「それでは失礼いたします、あぁ、それと」
「なんだね?」
これだけは言っておかねば。
「今までありがとうございました。それと、退社祝いの宴会とかはやらなくていいです」
「了解した、今までご苦労だったな」
最後に一礼して、私は部屋を出た。
最高の気分だ、スキップしたくなる。
最後に思いっきり有給を使って休みたいが故に、
デスクの私物を回収しに行く。
それが終わったら有給申請をして、この会社からも
おさらばだ。
そんな事考えながら、鼻歌を歌いながら
自分のデスクに向かった。
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