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キミの声  作者: AYA
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テスト勉強

授業が終わり、ホームルームも終わって

テスト前と言う事もあり生徒はそれぞれ教室から出ていく


僕も鞄の中に教科書を入れながら、無意識に窓の方に視線を移す


視線の先にあるグラウンドには当然いつもの野球部の姿は無く・・・

佐々木くんの姿を見る事が出来ない現実を目の当たりにして自然とため息が出る


いつまでも教室に居ても仕方ないから

今日は学校内にある図書館でテスト勉強しようかな…


京弥はバイトがあるからって言ってたし・・・


テスト前なのにバイトを優先する所が京弥らしい

元々、京弥は特進クラスに入ってもおかしくない位勉強が出来るのに


「ガリ勉仲間になりたかねぇな」


なんて言いながらランクを落として普通科に入ったのだ

まぁ。進学するつもりが無いなら特進クラスに入っても仕方ないけど


そんな事より

図書館もテスト勉強生でいっぱいかも知れないし

早く行こう・・・


そう言えば、部活動停止中の佐々木くんも

クラスの誰かとテスト勉強とかしてるのかな…


教室を出て図書館へと向かいながらそんな事を考えていると学校内にある学食のホール前で何人かのグループの中に佐々木くんの姿が見えた


いつものユニフォーム姿では無く制服なのが少し新鮮で、思わずチラチラ見てしまう

何を話しているのか分からないけど、凄く楽しそう


あ・・・


野球部のマネージャーの女の子も一緒だ

気の強そうなハッキリした顔立ちをしている可愛いと言うより美人タイプ


マネージャーと言う立場にあるからか、佐々木くんとも他の男子とも気兼ねなく話している

羨ましいな・・・

僕は話す事も目を合わす勇気さえないのに


昨日、初めて話した事が嘘の様に今は凄く遠くに感じる…


僕は佐々木くん達グループを横目に元々小さい体を更に縮める様にしながら図書館へと再び歩き出す


歩きながらフッと笑いがこみ上げてくる

僕はなんて自意識過剰なんだろう・・・


小さく体を縮めて俯かなくても、僕以外にもホール前には人が居る

佐々木くんが僕に気付くなんて事無いのにね・・・


人を好きになると、どうしてこんなにも自分中心な考えで自意識過剰になるんだろう

そして、それが全然的外れな行為だと後で気付いてとてつもなく恥ずかしい思いして、勝手に傷ついて・・・


こんな僕が誰かと・・・なんて考えてる

馬鹿だなぁ・・・本当に馬鹿


よし!今はテスト勉強だ!

頑張ろ!!


縮めていた体をピンっと伸ばし

俯いていた顔を上げ、大きく息を吐き出し

僕は図書館へと歩く速度を速めた



その姿を佐々木くんがずっと見ているとも知らずに・・・


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