第七話 霙が訪問してきた朝
あらすじの注意通りでよろしくお願いします。
朝。土曜日なのに授業がある朝。ベッドから起き上がり、鞄の中身を確認して制服に着替える。そして1階の食卓に向かう。茜は起きていて朝御飯を用意してくれていた。
「おはよう茜」
「おはようお兄ちゃん。朝御飯できてるから食べてね」
「はーい」
朝御飯を口に放り込む。時間はあるけどなんとなく急いで食べた。美味しいんだよなぁ。味がごちゃ混ぜになるんだけどそれでもなお美味しい。
「ピンポーン」
インターホンが鳴り、茜が応答に向かう。インターホンを切ると茜は玄関に行き、外に出る。数分すると茜は戻ってきた。
「お兄ちゃん学校なんだよね」
「もごもごもご(約:そうだけど)」
「霙さん来てるよ」
「!?ゴホッゴホゴホ」
「お兄ちゃん大丈夫!?」
思わぬ来訪者の知らせに俺は驚いてむせてしまう。なんで霙が俺ん家に来たんだ?まあ登校するとき一人だから霙と一緒に行って良いんだけど。俺は水を飲んだりして必死に咳を止めた。
「ゴホッ、ハァハァ。それで霙は外に居るのか?」
「ううん。雨降っててお兄ちゃんご飯食べてるし家入れたよ」
「真琴、お邪魔だったかな…」
「いやいや、全っ然大丈夫だよ。それで、今日は登校も下校も一緒なのか?」
「そうしてもらえたら良いんだけど」
「わかった。そうしよう。じゃあちょっと待っててくれ。茜、コーヒーか何か出してくれ」
「わかったー。はい、霙さん」
「ありがと、茜ちゃん」
茜はコーヒーを霙に渡す。霙は茜からコーヒーを貰い、椅子に座った。ってことはさっさと朝御飯食べないと。必死に食べる。途中、二回ぐらい喉が詰まりそうになったけど水を飲んで回避する。
「ごちそうさまでした。ふぅ、食った食った」
「食器片付けておくね」
「ありがとう茜。霙、もう少し待っててくれ」
「わかった」
霙はコーヒーを飲む。その姿を見て、俺は椅子から立ちあがり、2階の自分の部屋に戻る。そして鞄などの用意を持って1階に降りた。
「待たせたな霙」
「ううん。私もちょうどコーヒーを飲み終わったところだから」
「霙さん、コップ渡してもらって良いですか?」
「あ、ごめんね茜ちゃん」
「いえいえ、お兄ちゃん、さっさと行きなよ」
「ああ、行ってきます。茜」
「行ってらっしゃい。お兄ちゃん」
俺はそう言って玄関に行き、靴を履いて外に出る。霙も俺に続いた。
「…そういや雨降ってたって茜言ってたっけ」
「真琴、どうするの?また昨日みたいに…その…相合い…傘をするの?」
「どうしようかなぁ。天気予報見てなかったし…」
数秒悩む。そして出た結論は
「考えるの面倒だから相合い傘で行こう」
だった。すると霙の顔はみるみる笑顔になっていく。
「うん!それが一番良いよ!」
「じゃ、また昨日と同じで俺の傘に二人で入るって感じで良いよな」
「うん!大丈夫!」
その返事を聞いた俺は傘立てから傘を取り出し、差す。そこに霙が入ってきた。今度は霙を濡らさずに行けるよう、先に傾けておく。
「じゃあ、行こっか」
「うん!」
笑顔でそう答える霙。その顔を見て顔が緩みそうになるのを必死に抑えて俺は笑い、歩き出す。
「茜ちゃん最近どう?」
「相変わらずできた妹だよ。家事全般やってくれるし、勉強は1年一学期終わりの頃なのに2年の範囲やってるし」
「へぇ、やっぱり茜ちゃんは凄いね」
霙は笑ってそう答えた。だが俺にはその笑顔の奥に何か暗いものを感じた。けど勘違いだと思い、何も言わない。
「あー、せっかくの土曜日なのに登校とかめんどくさいなぁ」
「でもそれ、高校入ってから毎週のことじゃない」
「毎週言ってるのかもな。土曜日来たらめんどくさいめんどくさいって」
「ふふ。面白いね真琴は」
そのときの笑顔は奥に暗いものは感じなくて、ただただ白く純粋な笑みだった。さっき感じた暗いものはなんだ?疑問は深まったが、口には出さない。
「面白いだなんて、俺には勿体ない言葉だよ」
「いやいや、真琴は誰よりもかっこいいし面白いよ」
「いやぁ、そんなこと言われたら照れるじゃないか///」
ほんっとに照れる。きっと今、俺の顔は真っ赤だろう。かっこいいも面白いも、全然言われないから余計照れる。もしかして霙は俺のことが…。なんて考えたけどそれで空回りしても嫌だなって思った俺はその事を考えるのをやめる。
「ん?」
「どうしたの真琴?」
「いや、勘違いだろ。何でもないよ」
「そう?」
「あ、今日行く喫茶店のことなんだけどさ」
俺は霙にその喫茶店の良さとかを話す。俺が疑問に思ったのは、登校してくる周りの生徒の目がいつもと違うような気がしたこと。俺の勘は外れることで有名なので気のせいだと思い、気にしなかった。
「へぇ。面白そうなところだね」
「ああ、俺はそこでバイトしてるしな」
「真琴ってバイトしてたんだ」
「そうだぞ?茜のためにも金は稼ぐようにしとかないといけないんでな」
「偉いね真琴は」
「おいおい、テストでトップ10に入ってるお前の方が十分偉いぞ?」
「私は私のためにやってるだけだもん。真琴は茜ちゃんのためにやってるんでしょ?誰かのために何かをするのは凄いことだよ」
「…ありがとな霙」
そんな風に褒められたことはなかったのでさっきよりも照れる。爆発しそうだ。ちょっとクラクラする。そんな状態で前を見ると校門が目の前だった。後信号を1つ渡ると登校完了だ。
「もうそろそろ着くな」
「うん、そうだね。ちょっと寂しいよ」
「いやいやいや、教室まで一緒だしそもそも同じクラスだぞ?」
「そっか。えへへ」
そんな会話をして信号を渡り、校門を通る。やっぱりここでも周りの目がおかしいと感じる。なんだ?何が起きてる?そう考えながら靴を履き替え、階段を4階まで上る。そして教室に入り、席に着く。そこでも周りの目がおかしいと感じた。そして授業の用意をしていると新が突っかかってきた。
「おい真琴!あの話ほんとなのか!?」
「ちょっと待て。何の話だ?」
「あァ?お前が霙ちゃんと付き合ってるって話だよ!」
…………はい?




