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狂イユク夏ノ日ハ延々ト  作者: 大亀
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第四話 荒稼ぎしちゃう霙ちゃん

「えっと…」

「霙ちゃん、これやるの?」

「あ、うん」


霙ちゃんがやろうとしているのはメダルでする競馬みたいなゲーム。これ初心者でも元手が多ければ稼ぎやすいっていえば稼ぎやすいゲームだけどなぁ。やり方しっかり覚えないとメダルどぶに捨てるようなゲームだな。教えんのだりぃけど真琴に言われたし、霙ちゃん可愛いから仕方ない。


「これな、まずメダルを入れる」

「はい」

「このボタンは1枚、こっちは10枚賭けるんだ」

「うん」

「例えばあの馬に10枚賭ける。これでその馬が一位になったらあそこに書いてある数字かける賭けた枚数、10倍になって返ってくるんだ」

「わかった。ありがとう」


うん。この子塩対応だね。真琴といる時はあんなに明るいのに。俺は眼中に無いのかよ。さて、俺もやるか。最初は…霙ちゃんと同じ100枚で。


「あ、当たった」

「へー、凄いじゃん何枚?」

「700枚」

「…ん!?何したんだ?!」

「何か数字が10以上のやつに十枚ずつ賭けたら70枚のやつが当たったの」

「は、はぇぇ」


やばっ、1回目でこれだけとれたら癖になるぞ。俺50枚使って何も当たらなかったのに。くそ、ゲーセンに入り浸っている者としての意地が許さねぇ。700枚にして勝負だ!


「また当たった」

「何枚?」

「1000枚」

「ふぁぁ!?これヤバッ!」

「何がヤバイんだ?」


真琴が手にたい焼き二枚とビミンC(カオス)とチュロスを持って帰ってきた。


「真琴、当てたよ!」


そう言って席を離れ、真琴に近付く。ああ、こりゃやる気はないけど横取りは無理だな。霙ちゃんの目、真琴しか見えてないから。


――――――――――――――――――


「凄いじゃないか。何枚だ?」

「最初100枚全部で700枚、次に200枚で1000枚当たったよ」

「…え、普通に凄くね?」

「真琴、チュロスチュロス」

「はいはい。お前が当て方教えたのか?」

「違うぞ。操作とやり方教えたら当てた。当てれる方法教えてるんだったら俺が当ててるわ」


新は自分の席の残りメダルを表示する所を指差す。そこには0とあった。まあそうだろうな。俺は葵のところに行き、ビミンC(カオス)を渡す。


「あざーっす。これ代金っす」

「ああ、良いよ。後輩から金を徴収するほど俺の財布は寒くないから」

「さすが先輩、優しいっすねぇ」

「じゃあ俺の代金も渡さなくていいよな」

「もちろんお前からは徴収するぞ?」


俺についてきて話を聞いていた新が逃げようとするのをがしっと掴んで逃がさない。


「チュロス何円だっけ?」

「250円」

「あー、まあまあだな。でも美味しいんだよな。はい」


俺に100円玉2枚と10円玉5枚を渡し、チュロスを食べる。


「真琴、たい焼き2つも食べるの?」

「ん?ああこれか。はい」

「え」


俺はたい焼きを霙に渡す。


「昔からカスタードのたい焼き、好きだったろ?」

「う、うん。そうだけど」

「腹減ってるかなって思って。いらないか?」

「う、ううん!いるいる!ありがとう」


霙はたい焼きを食べる。出来たてで熱かったのか「はふはふ」って言って食べてる。そして美味しかったのか霙は笑みをこぼす。


「良かった。喜んでもらえて」


俺もたい焼きを食べる。珍しい苺のたい焼きがあったから買ってみた。意外とイケるな。カスタードとあんこしか食べたことなかったけどこれも中々ですな。霙を見ると俺のたい焼きを見てキラキラ目を輝かせている。


「…食べるか?」

「ん、ううん!大丈夫だよ!たい焼き奢ってもらって、更に食べてるたい焼き貰うとか」

「じゃあそれを一口食わせてくれ。交換なら良いだろ?」

「…うん。交換」


カスタードとストロベリーのたい焼きを交換する。霙はもじもじしていたが、俺は一口齧る。


「あふっ(熱っ)」

「大丈夫!?」

「もぐもぐ。ああ、大丈夫だよ。それより霙は食わないのか?」

「食べる!食べるけど…」

「?けど?」

「…食べるよぉ」


はむっと一口。すると霙は「んー!」と言ってぴょんぴょん跳ねた。よほど美味しかったんだな。


「真琴!これ美味しい!」

「そうか。良かったよ。じゃあ返すな」

「あ、うん」


お互いのたい焼きを返すとき、霙は悲しそうな目でストロベリーのたい焼きを見ている。「行かないでたい焼き君!」みたいな。


「しゃーない。これあげるよ」

「え、でも」

「良い良い。霙が喜んでくれたらそれで良いから」

「!!ありがと!」


ものすごく可愛い顔で笑う霙。今日は霙を喜ばせるデー(?)みたいなものだ。できることは何でもやろう。って、今思ったらあれ(霙のたい焼きを食べたこと)、間接キスじゃん。もしかしてだから霙は食べるに食べれなかったんじゃ…。それに気付いた瞬間、俺は顔が真っ赤にする。


「どうしたの!?顔赤いよ?!」

「いや、何でもないよ」

「でも」

「いいよいいよ。さー遊ぶぞー」


そう言って俺はクレーンゲームのコーナーに行く。霙はその俺にたい焼きを食べながらついてくる。あー、外に出てこの真っ赤な顔冷やしてぇー。

あらすじにある注意通りでよろしくお願いします。

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