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狂イユク夏ノ日ハ延々ト  作者: 大亀
19/30

第十九話 相談に乗ってくれた渚さん

あらすじの注意通りによろしくお願いします

「ふぃ~~。なんとか、乗りきった~~」

「お疲れ、真琴君」

「ありがとございます渚さん」


渚さんからの労いの言葉が身に染みる。今一時半だけど、渚さん昼休憩の時間大丈夫なのかな。


「にゃぎさ、私にはにゃにもにゃいのかにゃ?」

「そうだな。今日は結構混んでたし、よく頑張ったな」

「…にゃ~ん」


頭を撫でられ、気持ち良さそうにしている猫田さん。ほんとに猫なんじゃねぇの?その風景を見ていたら、バシンと背中を叩かれた。


「イテッ」

「ぼさっとすんなよ。まだお客さんは居るんだから」

「うぃーっす。ちょうど呼び鈴鳴らされましたし、注文とってきます」


俺は呼び鈴を鳴らした3番テーブルの注文を聞きに行く。あと何時間だっけ。そんなことを思いながら俺は注文をメモしていた。


――――――――――――――――――


「真琴君、よく働くねぇ」

「まこ坊は良い子にゃよ」

「ただ、ちょっと危ないかもけどね」

「?どういうことにゃ?」

「今日、春風で写真を撮っている客がいたら鎮圧してって言った理由だよ」


俺は携帯を見せる。それは真琴君達の昨日の春風での写真だ。


「にゃるほどね。だからまこ坊は昨日電話をかけてきたのかにゃ」

「たぶんね。こんなことするのはきっと真琴君と霙ちゃん…だっけ?その子が仲良く遊んでいるのをよく思わないやつがいるってことだ。もしかしたら真琴君とその子が一緒に居るときこういう行為が相次ぐかもしれないよ」

「ちょっと携帯借りるにゃよ?」

「良いけどなんで?」

「すぐにわかるにゃ」


俺は菜那の行動を見ていた。菜那は注文をメモしてきた真琴君に携帯を見せて確認している。あーあ、遠くから見守っとこうと思ったんだけどな。仕方ない、俺も出るか。


――――――――――――――――――


「何でこの写真持ってるんですか?」


猫田さんが注文をメモして来た俺に携帯を見せてきた。それには俺達の中で問題になっている写真があった。


「にゃぎさが気づいてたにゃ。これがどういうことか説明してほしいにゃ」

「ごめんね真琴君」


猫田さんの肩に手を置き、渚さんはそう言う。


「いえ、説明してなかった俺が悪いんです。とりあえず注文を店長に渡しに行って良いですか?」

「ああ、話はそれからにしよう」


俺は店長のところに注文を届けに行った。店長は疲れはててフラフラだった。


「店長、大丈夫ですか?」

「う、うん。心配ありがとね真琴君。新しい注文?」

「はい。ミートソーススパゲッティとドリアだそうです」

「わかったわ」


店長は料理を作り始めた。今日はもう一人料理担当の人いるんだけど、風邪で倒れちゃって1人で全部を料理している。


「頑張ってください」


そう小声で言い、店内に戻る。そして猫田さんと渚さんの所へ行く。


「えっとですね」


渚さんと猫田さんに話す。霙が噂を流したということは伏せる。それ以外全て話した。


「それは面倒な相手だね」

「だけど、私たちができることと言えばまこ坊を励ますぐらいにゃね」

「それだけで嬉しいですよ」

「わかった。情報通りの人物を見かけたら教えるよ」

「ありがとうございます」


渚さん達は犯人探しに一応手を貸してくれるみたいだ。それだけで十分。できれば犯人は俺が捕まえたいからな。


「にしても犯人は何がしたいのかにゃ?」

「さあ?でも霙ちゃんと真琴君がくっつくのが許せないんじゃないか?」

「やっぱりそうなんですかね」

「まあ、今できるのは推測だけだし、それは犯人に聞かないとわからないかな」

「相談にのってくれてありがとうございます!」

「良いよ良いよ。そういうことを相談されるのは大人の役目だしね。あと、警察に相談はしなくて良いのかい?」

「いや、犯人は自分で捕まえたいんですよ。しかも猫田さんが気付かないってことは警察を使うと余計に尻尾を出さないじゃないですか。やられっぱなしは嫌なので」

「そうか。じゃあ頑張りなよ。俺はそろそろ仕事に戻るから」


そう言って渚さんはレジに向かう。レジには彩音さんがいる。会計を済ませた渚さんは俺に手を振って出ていった。


「ふぅ、相談できて良かったぁ」

「私もそういうやつ見つけたら報告するのにゃ」

「ありがとうございます」


そんな会話をしていると俺は料理置き場に料理が置かれているのが見えたので運んだ。さっきとった注文だったのですぐにそのテーブルに運ぶ。


「お待たせしました。ミートソーススパゲッティとドリアです」


そう言って運び終わった時、ドアが開いて鈴がなる。


「いらっしゃいませー」

「ゲッ!なんで居るのよ」


入ってきた客の姿はここから見えなかったが、レジに居る彩音さんがとても嫌そうな顔をしたのが見えて、嫌そうな声を出したのは聞こえた。一体誰なんだろうと思い、ちょっと見に行く。


「…何で居るんですか」

「あら、居てはいけないのかしら?」


居たのは雪華生徒会長。彩音さんが嫌そうな顔したのは昔、雪華会長と何かあったらしい。「喋りたくないわ」と言っていたので深くは聞かなかったが、とりあえずヤバイことらしい。


「さっ、真琴君?席に案内してくださる?」

「…こちらです」


俺は雪華会長を空いている席に案内する。くそっ、会長が来たせいで気分が乗らない。さっきまで渚さんに相談できてめちゃくちゃ嬉しかったのに。

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