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狂イユク夏ノ日ハ延々ト  作者: 大亀
16/30

第十六話 疲れのとれない入浴

あらすじの注意通りでよろしくお願いします

俺は茜が上がってからも、数十分風呂に浸かっていた。でも、さっきよりはすっきりした気持ちで浸かれていた。


「ふいー、そろそろ上がるか」


俺は浴槽から、そして風呂場から出て脱衣場で体を拭いて、部屋着に着替える。そして台所に行き、冷蔵庫を開けて牛乳を取り出す。牛乳をコップに注ぎ、ゴクゴクっと飲み干す。


「あ゛ー、うまい。風呂上がりは炭酸も良いけど、牛乳だよなぁ」


夏場はアイスも良いかもな。今夏だけどさ。そう考えるとアイスが食べたくなったので、俺は冷蔵庫からアイスを取り出し食べながら携帯を触る。見ると新からメールがきていた。


『おい!あの写真なんだよ!』


あいつも見たのか。下手な嘘はつく意味がないので、俺は今日あったことを簡単に書いて返信する。アイスを食べ終わる頃に新からメールがきた。


『そうか。説明が適当な気がするが…。まあ、今回は俺も沈静に参加するわ』


沈…静?今回?どういう事だ?俺はアイスのハズレ棒を噛みながら沈静や今回がどういうことかを問うメールを書いて送る。その後、噛んでいた棒をゴミ箱に捨てに行く。そして携帯を持ち、自分の部屋に行く。ベッドにダイブして携帯を見る。すると携帯が録画中になってることに気付く。いつ触ったっけ?と考えつつ、このままにしておく意味が無いので録画を切る。そして録れていた映像を見ようとしたとき、新からメールが届いた。


『沈静っていうのはな、会長がほぼ一人でやってるんだけど、問題が大きくなりすぎないように生徒に呼び掛けたりすることだよ。今回っていうのは前回あのカップルの噂の時も生徒会長は沈静やってくれてたらしいから』


へぇ。雪華会長、ただウザいだけかと思ってたけど、ちゃんと仕事してたんだな。でも前回、それで今回の沈静をしてくれていたのなら、俺は感謝しないといけないな。俺は『ありがとな』と送る。


「霙、どうしてるかなぁ」


罪悪感に押し潰されてないだろうか?辛い気持ちになってないだろうか?疑問だけが頭の中を巡る。…一度メールしてみよう。


『霙、大丈夫だよな?』


いや、ダメだな。俺が深読みし過ぎてるだけかもしれない。打ち込んだ文字を消していき、俺は携帯の電源を消す。そしてベッドの上で体を大の字にした。


「あー、疲れたぁ」


風呂で疲れがとれないことなんて今までで数えれるぐらいしかない。瞼は寝転んでいたら無意識に閉じていく。ああ、おやすみなさい。


――――――――――――――――――


「誰?誰がストーカー?」


誰も居ない家の中に、自問自答している私の声は響き渡る。大体の目星はついてる。あのガキと会長、このどれか。だけど探し出すパーツが少なすぎる。下手に動いてまた写真撮られて真琴に迷惑をかけたくない。


「ううー。わかんない」


学年トップ10と褒められることのあるこの頭は今使わずにいつ使うのよ。頑張るのよ私!会長なら誰かを雇ってこういう行動ができる。それを自分で沈静して、真琴からよく見られるっていうのは出来なくはない。それでガキは、よくわからない。真琴にメールしてみよう。また新しい情報があるかもしれない。


『真琴、また新しい情報あった?』


「送信っと。今回、真琴には悪いことしたなぁ」


いつも外側から見守るぐらいにしておいたけど、思いきって声をかけたあのときから、私の何かが壊れた気がする。けどそれはきっと、真琴への愛を抑えていた物が壊れただけだから、大丈夫だよね。ふふ、ふふふふフ、ふフフふふフフフフ。


――――――――――――――――――


「…ちゃん、…いちゃん!…お兄ちゃん!!」

「んあ?あ、茜?なんだ?」

「起きて!もう6時だよ!?」

「あらら、すまんな」

「もう、お兄ちゃんなんだからしっかりしてよね」

「すまんて。晩御飯はなんだ?」

「白ご飯とカレイの煮付け、味噌汁」

「そっか。悪かったな、料理中に俺を起こしに来てもらうなんて。よいしょっと」


俺は起き上がって、携帯を持って茜と一緒に一階のリビングまで降りる。


「電源、電源っと」


携帯の電源を付ける。少しの時間待って、起動が完了すると、通知に霙からメールだときた。それをタップすると霙からのメールが2件きていた。一件目は多分俺が寝たぐらいの時。二件目は今から十…いや二十分前か。俺は一件目から確認していく。


『真琴、また新しい情報あった?』


ふんふん。多分、推理しようとしてるのか。俺はそこまで頭が回らないから諦めていたんだが、霙はやろうとしていたのか。ありがとう。さて、二件目は?


『真琴?寝てるの?起きてたら反応して』


あー、よくあるやつ。言ったけど反応なかったらちょっと怖くなるやつだよな。俺も始めた頃はよくなってたよ。これはさっさと返信した方が良いよな。


『悪い悪い、寝てた。新しい情報か。会長が沈静をしていてくれていたということぐらいかな』


それを送信して俺は椅子に座る。そして茜の作った料理を待った。

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