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狂イユク夏ノ日ハ延々ト  作者: 大亀
15/30

第十五話 茜と入浴

あらすじの注意通りによろしくお願いします

「お兄ちゃん…ダメ?」

「ダメではないんだけど…」


世間の目が気になる。年頃の兄妹が一緒に風呂に入ってるってなったら、お兄ちゃん恥ずか死しちゃうよ。ここはやっぱり断らないと…でもいつも何もねだってこない茜のお願いだし、悩むところだなぁ。


「ダメなの?お兄ちゃん」

「大丈夫だ。入って良いよ」


くそっ、そんな甘い声で聞かれたら良いよって答えるしかできねぇじゃねぇか。あー、一応タオル持ってきといて良かった。局部は隠せる。俺はタオルを腰に巻いた。巻き終わると同時に茜は入ってきた。ちゃんと胸の所にタオルを当てて。


「茜。何で一緒に入ろうなんて言ったんだ?」

「うーん、なんとなく?」

「そうか」


茜は体を洗い始めた。不思議だね。兄妹って。裸とか見ても全然興奮しない。家族ってこともあるのかもしれないけど。つーか家族だからだな。


「お兄ちゃん」

「んぁ!?ああ、浴槽入るのか。わかった上がるよ」

「いや、上がらなくて良いから、股開いてくれない?」

「?良いけど」


俺は浴槽の中で股を開いた。するとそこにできたスペースに茜はストンと入ってきた。


「ええ…」


茜が小さいから入れたんだ。霙だったら入らないだろうし。まあ良いや。


「茜。期末テストあったろ?どうだったんだ?」

「お兄ちゃん。それ前に言ったよ?」

「え!?マジか…。俺もボケが始まったのかな。もう一回聞かせてくれないか?」

「えっと、国語92、数学100、理科98、社会95、英語97、技術家庭99、美術100、音楽100、保健体育100」

「・・・」


天才じゃん?副教科ほぼ百点じゃん?兄貴ととんでもないほど違うじゃん?お兄ちゃん悲しくなってきたよ。自分が兄貴で良かったのかって。


「お兄ちゃんどうしたの?」

「いや、茜は本当に俺の妹なのかなぁって。俺と全然違って頭良いからさ」

「買い被りすぎだよぉ。私、今回国語100点だと思ってたもん。まだまだだよ」


俺、中学校のテスト最高92なんだよなぁ。泣けてくるよ。妹に悠々と最高点数抜かれてるんだから。ああ、悲しいかな。


「お兄ちゃん」


そんなふざけたことを思っていると、さっきとは違い真剣なトーンで茜が喋った。それにビビってピクッと動いてしまう。


「私、見たんだ。お兄ちゃんと霙さんが楽しそうにしてる写真が投稿されてるの」

「え?」

「あれって盗撮だよね」

「いや、自撮りであんなことしないよ」


ってそんなことより!何で茜があのこと知ってるんだよ。もしかして噂のことも?


「やっぱりそうだよね。じゃあ、あのお兄ちゃんが霙さんと付き合ってるって噂、流したのもその人なのかな」


あー、知ってましたね。はい。けどそういやあの噂流したの霙ってことは誰も知らないんだったな。


「多分噂流したやつと、盗撮したやつは違うと思うんだ」

「何で?」

「うーん、なんかこう、勘?」

「お兄ちゃんの勘って、当たったことないじゃん」

「うう、でも今回は違うと思う」

「…お兄ちゃんがそういうならそう信じるけど」

「ありがとな茜」


もしかしてこの事があったから、俺を慰めにわざわざ俺と風呂に入ってくれたのか?推測ではあるが、多分そうだろう。俺と似て優しいからな(自画自讃)。俺は濡れた手で悪いと思いつつも、頭を撫でた。


「えへへ」

「いつもありがとな。感謝してるよ」

「お兄ちゃん。さっさと盗撮してる人見つけてよね。怖くて外を歩けないんだから」

「あー、確かに盗撮される可能性は0じゃないな」


俺の妹だということで、つけられたりするかもしれない。それは避けねば。俺より優秀な茜の将来に何かあっては困る。


「それじゃあ私、上がるね」

「え、もう上がるのか?」

「もう充分だもん。これ以上いたらのぼせちゃうよ」

「そっか。何度も言ってるけど、ありがとな茜」

「…どういたしまして」


浴槽から出て、茜は一度笑顔を俺に見せて風呂場から出た。茜が風呂場から出た後、茜の顔を思い出すと、結構赤かったのを思い出す。…そんなに熱かったかな。

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