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狂イユク夏ノ日ハ延々ト  作者: 大亀
14/30

第十四話 あの物音の正体は?

あらすじの注意通りでよろしくお願いします

「それじゃあ俺帰るな。長居してまた何か撮られたりしたら嫌だから」

「わかったよ真琴。ありがと」

「ああ、じゃあな」


俺は靴を履いて扉を開ける。そして歩き出す。霙ん家の敷地から出て、歩いてすぐ靴紐を踏んだ。最悪だと思った俺はすぐにしゃがんで靴紐を結ぶ。すると後ろの方で物音がした。ストーカーかと思った俺は靴紐を結び終わってないが、そのまま走って物音がした方に行く。このまま行くと交差点だ。もしかしたら見失うかもしれないと思い、出来る限り最高速度で走った。すると横から歩いてきた葵にぶつかりそうになる。


「うわっと!」

「きゃぁ!」

「すみません…って葵か」

「葵か、ってそんな簡単に言わないでくださいよ。私、こけてるんっすから」

「悪い悪い」


俺は葵に手を差しのべる。葵は差しのべられたその手を掴み、立ち上がる。って!こんなことしてる場合じゃない!俺は周りを見渡す。葵以外に誰も見当たらない。


「葵、俺と衝突する前に誰かと会わなかったか?」

「…やっ…り……そ…っすか」

「?何て言った?」

「何でもないっす。先輩と衝突する前、誰かが私に当たってどっか行きましたよ」

「なんだと!?それは本当か!?どんなやつだった?顔は見たか?」

「待ってください先輩。私、当たられただけなんで顔とか見えなかったっす。けど、身長は私と同じぐらいで、髪が長かったです。あとなんかカメラ大事に抱えてましたよ」

「くそっ、逃げられたか…いや、犯人の情報が入っただけでも充分か」

「何かあったんすか?」

「いやな、…」


俺は投稿されていたあの写真の話をする。ただし、さっきの霙との会話のことは言わなかった。あれまで言う必要無いだろ。


「なるほど、最低ですね」

「ああ、だから俺たちも簡単に外を出歩けなくなる前に一度、距離を置くことにしたんだ」

「…はー、良い案っすね」

「?何でだ?」

「もしかしたらその犯人、先輩の事が好きなんじゃないんですか?」

「はいぃ?」


思わず変な声が出てしまう。その声に葵は驚き、笑った。


「あっははは、なんすかその声」

「悪い悪い。それでどういう意味だ?」

「ストーカーするってことは、本物のクソ野郎か歪んだ愛の持ち主って言うのが大体なんすよ」

「ほーう?」

「多分、今回は歪んだ愛の持ち主っすよ」

「なんでだ?」


さっきから疑問ばっかりだが、仕方ないよ。俺はそこまで頭が良くないんでな。


「2つの写真の投稿ですけど、なんかカップルってところをいじってません?まるで付き合ってるって噂を冷やかすみたいに」

「なるほど。だから盗撮されてるってわかりやすいところに投稿したんだな」

「まあ、あくまで私の推測なだけっすけどね」

「いや、充分だよ。ありがとう、葵」

「そっすか。お役にたてて光栄っす。それじゃ先輩、また会いましょう」

「おう。またな」


葵は走ってどこかへ行った。良い後輩を持ったな。さて、葵からもらった情報を整理しよう。長い髪、葵と同じぐらいの身長、カメラ、歪んだ愛の持ち主。…うん?歪んだ愛の持ち主かは知らないけど、何故か雪華会長が想像できるんだなぁ。あの人なら、俺をいじるためにやるかも…。でも、会長としての地位が…。どうなんだろ。これも推測の域を越えないなんとも言えないな。とりあえず家に帰って風呂に入ろう。集中するのはそれからだ。


――――――――――――――――――


「ふぅ~」


風呂に浸かる。ああ~気持ちいいなぁ。今あるもやもやしたこと、全部お湯で流してしまいたい。けど、こればかりはそれができない。


「とりあえず盗撮野郎を見つけないと…」


そうしないことには霙と遊んだり、会話したりしにくくなる。何なんだよ一体。確かに葵の言う通り、歪んだ愛の持ち主っていうのはあるかもしれない。どうしたものか。


「おにーちゃん」

「うん。どうした?茜」

「あのさ、入っても良い?」

「…ごめん、もう一回言ってくれないか?」

「久しぶりに一緒に入れないかなぁって」

「ふぇ?」


どういう事だ?もう何が何だかわからない。盗撮といい、霙といい、今度は茜か。今日は疲れるなぁ。

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