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【エッセイ】

朝を待った

 


 まだ来ないのか



 まだ来ないのか



 僕は早くこの布団の重みを、跳ね除けてやりたいのだ


 ジリジリと五月蝿くなるだろう目覚ましに、手のひらを叩きつけねばと


 右手をニギニギと、準備運動させていた




 頭の上の、白いレースのカーテンの向こうでは


 徐々に白みがかろうとする、暗闇が広がっているはず


 月はそろそろ太陽とバトンタッチするんだ




 うっすらうっすらと、滲むように白んで――





 アサガオは僕とおんなじだ


 まんじりともせずにその蕾の中で、


 じっと太陽の気配を探っている





 ――ちゃんと寝ないと、明日辛くなるわよ


 母さんの声が、耳の奥にこだまする



 その声がぐるぐると響くから、


 昨日は全然眠ることが出来なかった





 ――きっと今日は楽しい一日になるだろうな


 動物園では、どんな動物を観ようかな




 パンダ、象、キリン――ライオンは絶対外せない




 でも、たかしが大きい動物を怖がるだろうから、


 ちょっとしたら亀とかリスとかも観てやってもいいな



 そして、昼は母さんの作ったお弁当を食べるんだ。




 ハンバーグにベーコン巻きに卵焼き、あとウインナー


 きっと僕の大好物で沢山だ




 あぁ、待ち遠しいったら、ありゃしない。




 時間はいつもよりのんびりのんびり進んでる


 さっきから、”カッチ  カッチ”と牛が歩いているみたい


 あっチュンチュン スズメが鳴きだしたぞ!



 きっともうすぐ朝が来る!





 あぁ、まだ来ないかなぁ



 まだ来ないかなぁ




 来ないかなぁ




 zzz……















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