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遅刻

点数が2点ついてる!やったぁ!

自分の配信は始めた頃5回再生もされなかったから、嬉しいです。今は、70再生くらい。

 「え、選ぶ権利ってないんですか?」


 女の子が顔を真っ青にして聞きます。


 「残念ながら、1時間前の転移のときに全員の行き先が決定しました。」


 女の子に続いてどのように場所を決めたのか聞きます。


 「あの・・・どのように転移先は選ばれたのですか?」


 「じゃんけんです。勝った順にモニターに写っている好きな場所を選ばせました。雪山は2人しか行けないレアな場所だったんですけど誰も選びませんでしたね。」


 じゃんけんかよ。適当すぎない?女神の勘はここじゃ使わないんかい!つうか、雪山とか誰も選ばねえよ!なんで2枠だけなんだよ!10枠くらいないと厳しいだろ!2人だけじゃ凍死確定じゃねえか!


 「え、なんで2枠なんですか?雪山もっといてもいいじゃないですか。」


 おお、女の子が突っ込んでくれた。ズバッと言っててかっこいい。顔は絶望しきってるけど。


 「それにはわけがあるんです。これからくわしく、まとめて説明しますよ。」


 なるほど、納得の行く説明をちょっとだけ期待します。


 「今から行く場所は文明レベルが地球で言うところの近代くらいです。江戸時代とか、火薬とか、お城とか城塞とか。国は主要なものが7つほどあって、殆どの人はその7つの国のうちのどれかに飛ばされましたね。あとは辺境の村とかに飛んだ人も。もちろん魔王もいて、魔物もいて、ダンジョンもあります。ダンジョン都市とか、対魔王戦線に飛んだ人もいましたね。」


 転移者にはよくある世界観です。ダンジョンと対魔王戦線はちょっと怖いですね。わたしは辺境の村に飛びたかった。


 「これから行く世界は魔法を使え、ステータスが念じれば見ることが可能。レベルがあり、ステータスがあり、スキルがあり、装備が身体能力に影響を与える世界です。」

 

 まあ、一般的な異世界ですね。こういうものの仕組みはわかりませんけど、これこそ異世界転生の醍醐味といったところでしょうか。


 「そして、世界は様々な魔王の出現に大混乱しています。あなた方にはこれらの魔王を倒してもらいたいのです。」


 なるほど、女神様は人間側の味方なんですね。身勝手だと思ってましたけど、結構真面目なのかも。


 「というのが、さっきの人達に言った内容ですね。皆さんこれを聞いてから目つきが変わりましたね。やはり、英雄になれるかもって思うと人って変わるんですね。人間って単純。」


 前言撤回です。この女神、全然人の味方じゃなさそうです。まあ、それはそれとして、様々な魔王?


 「女神様、魔王は一体じゃないんですか?」


 「はい。一体ではなく、たくさん居ます。スライム、オーク、ゴブリン、カブトムシにクワガタ、ゾンビ、イヌ、ネコなどなど様々です。」


本当に多種多様ですね。でも、カブトムシとかクワガタって、何ができるんだ?


 「その、魔王の目的ってなんなんですか?女神様はなぜ魔王を討伐させようとしているんですか?」


 「それらの情報は一切教えられません。現地で自分で調べてください。」


現地調査ですか。コミュ症のわたしには辛いですね。


 「あ、あの、それで、雪山がレアっていうのは・・・?」


 完全に意気消沈して蚊帳の外だった女の子が口を開きました。落ち着いたようです。ナイス質問。わたしは完全に忘れかけてました。


 「はい。これから行く世界には宝箱があるんです。」


宝箱?


「その宝箱は数に限りがありますが、その中身は物凄いお宝が眠っているんです。場所によって数が違い、雪山の宝箱は数こそ少ないものの、破格の性能のお宝が眠っています。宝箱の数が少ないところは転移者も少ないのです。」


なるほど!確かに雪山がレアだということが分かりました。あれ?でも前の人達が雪山を選ばなかったということは・・・


「あのその情報は前の人達につたえたのですか?」


「宝箱がある、ということは伝えましたが、どの転移先に良い宝箱があるのかは教えてません。公平性がなくなってしまいますからね。」


「え、でも俺たちに言うのは良いんですか?」


「はい。あなた方は雪山に行くのが確定してますし、雪山に行くのに絶望しているようでしたので、少しでも希望を持ってもらおうと思って。」


不幸中の幸い?というより残り物には福がある?といったところでしょうか。まあ、よかったのかな?


「あの、私はこの男の子と一緒に生活するんですか?」


あ、ごめんなさい。遅刻しちゃって・・・やっぱりこんなブサイクと一緒はつらいんでしょうね。


「はい。そうですね。まあ、これから行く先には一軒家が建っているので部屋を別にしても良いんじゃないかと。」


「「え、一軒家?」」


「はい。一軒家です。洞窟素泊まりが良いんですか?」


「え、それってどういう・・・」


「あ、そろそろ着きます。身構えてください。」


一軒家というのが気になりましたが、 女の子の顔が残念そうにも嬉しそうにも見えたのも気になりました。


女神の忠告はあまりにも唐突で、身構える暇もなく、後ろから凄まじい風が吹き荒び、体が一気に引っ張られましゅたッ!?


イタいっ!舌を噛みまみた・・・どうやら夢じゃないようです・・・残念。

次回はちょっと期間が空くかも。

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