プロローグ
「私は神だ、まずは手始めに、この場所に恵みを与えに来た」
---え、何?
たった数分間の間、そんな短い間にも関わらず、彼女の発した言葉で、教室にいる、俺を含めた45人全員が (は!?) と思っただろう。
しかし、そんな事を思っていても、この教室内で、‘一言’も言葉を発した者は居なかった。
ー三分前 (推定)ー
先生が教室に入って来た時には、もう転校生の噂話でうるさいくらいだった。
右の方からは「金髪で超~美人なんだってさ!」とか、左の方からは「すっごいお金持ちのお嬢様らしいよ~」とか、そんな事を言っている中、前が一番ひどくて「俺、その子にちょっと、告ってみるわ!」なんて言ってた。
---いやいや、お前、その子と会ってすらないだろ!!
そして、先生が教卓に着き、長々と話して、それが終わったくらいの頃だった。
「では、転校生の紹介です。入って来てください」
先生がそういった後、教室の扉が開いた。
入って来たのは、金色の髪が綺麗で、目は透き通った桃色をしている、さっきの誰かの言葉どうり、超美人の女子生徒だった。
---うわ~、綺麗な人だな~……
あまり周囲を気にしない俺でも分かった。
彼女はこの教室に入ってくるなり先生の横に立ち、堂々としたまま、こちらに指を向けた。
そして、あの言葉を…
ー現在ー
彼女はまだ、俺達の方に指を向けたままだった。
---くそっ、一向にこの状況が変わる気がしない!!
先生の「はい…」という、なんとも言えないぎこちない感じで事態はなんとか収まった。
先生は、「はい」と言った後、二十秒ほど間隔を開けると「では…佐紀菜 丹野さんは…」そう先生が言うと、名前が意外にしっかりしていたためか、この教室に居た全員が「え?」と声を漏らした。
少々、声が出ていなかった人がいたが、顔では‘え?’という顔をしている。当然、俺は声は出ていなかった、だから顔に出ていただろう。
そして、またもや先生が二十秒ほど間隔を開け、ようやく話はじめたと思った瞬間、先生の言葉に俺は聞き間違えではないか、と疑って、先生に質問をした。
「あの、先生、今、何て…」
「えー、だから、佐紀菜丹野さんは、千春くんの後ろの席に…」
---あれ、千春って……俺!? まあ、確かに考えてみれば、一週間前くらいに俺の後ろに席が出来てて、なんとなく、(ああ、ここに転校生が座るのか)、なんて思ってたけど、いたけど、その転校生が、こんなにおかしな奴だとは、考えてなかった。どうしよう、もう俺の高校生活の終わりが見える……いや、落ち着け俺、意外と何とか………
気が付くと、佐紀菜さんが俺の前 (若干、右斜め前) に立って、俺を睨んでいる。
---何とかって思った自分がバカだった。この状況を考えて、何とかなる気がし無い
「あなたが千春って人?」
「は、はい…」
変な緊張のせいか、声が異常に小さかった
「もう一度だけ聞くわ、あなたが千春?」
「はい!…」
目線がそれていたものの、何とか緊張に耐えた。
「まあ、良いわ、あなた、私の家来、つまり、天使にして上げる!!」
---はい、嫌な予感、的中
彼女は子供の様に目を輝かせながら、俺に向かってそう堂々と言い放った。
今回は学園ラブコメです。
編集や見直しをしっかりしていくつもりな為、投稿は遅れたり、短かったりしたりします。
御了承ください。
ヨロシクオネガイシマス! (^^ゞ