完結
唐突ですが完結とさせてもらいました。
長い間書く気が起きなかったのが理由です。
もしかして無理してウンウン唸り続ければまた違ったのかな?
お金もらってるわけでもないのでまあ、ということで。
ここまで読んで下さってありがとうございました。
長い、100年以上の時が流れた。
シロノとリブは今、打ち捨てられた廃城に住んでいる。
主の寝室だったと思われる1室を綺麗に改装し、そこで寝泊りしていた。
裸のシロノは、同じく裸で隣に寝ているリブの髪を手櫛で撫でている。
「ねぇねぇリブ」
「なんだ?」
「ボクの寿命ってどれくらいなんだろう?」
2人の関係は長い。
アンヌヴンと一時期激突したりもしたが、今では協力関係になった。
敵対していた幹部が他の者に倒されたり、弟子にその地位を譲って代替わりしたことが大きかった。
「お前の寿命か……分からんな」
「そっか」
以前リブは不死ではないが不老で寿命はないと言った。
その割には魔法の使いすぎでポンポン心臓が止まり、死にかけてはシロノに頭突きをされるということがあったが。
ここ数十年ではキスの際の唾液の交換で魔力を渡すことができることが分かり、そっちをしている。
「断言はできんが、お前は魔力を生命力にしている節がある。このまま平穏に生きるなら、心配することはないだろう」
シロノはリブ同様、出会った時から姿が変わっていない。
シロノは自分が死んだ後、リブが独りになることが心配だったので、それを聞いて安心した。
「シロノ」
「なぁに?」
「だっこ」
「はいはい」
これからもこうしてリブを甘やかしながら生きていくのだろう。
シロノは胸に温かいものが宿るのを感じる。
キィィ……。
「……」
静かにドアを開ける者がいた。
犬のくせに、器用にドアノブを回す犬、ダッグ。
「あれ、どうしたのダッグ」
「すまない。朝から待っているのだが、もう昼近いのでね。我慢できなかった」
「あ」
そういえば、今日はオークを狩りに行く約束をしていた。
「リブ、行こっか」
「ふん。仕方ないか。おいダッグ。さっさと弟子を育ててそいつに頼め。城を紹介してもらったのはありがたいが、シロノとイチャイチャする時間を増やしたい」
「とうとう開き直ったか……分かった。育つまでは我慢してくれたまえ」
リブはワンピースを、シロノは短パンにチューブトップ姿で城を出る。
「ナナ」
ジャラジャラと、先端に竜の牙をつけた鎖が7本飛び出す。
シロノとリブは熱くないが、真っ赤に燃え盛っていた。
ダッグはいつものことなので遠くに既に避難している。
「シロノ君。焼きすぎにだけは注意してくれると嬉しい」
「任せて」
オークのいる場所へ駆ける。
久しぶりの出番に張り切ったナナが、焼きすぎどころか細切れにした上で灰にしてしまうのだが、それはまた別のお話。
Fin




