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第13話 死線遊戯

 ルイス・カードは落ちこぼれだ。

 それは間違いない事実である。

 魔力量は一般的なヒューマンの何倍もある規格外であるが、魔力を扱う術には長けていない。人よりもうまく、マナを動かして魔術を作ることが出来ないのである。


 だが、それでも幼い頃からずっと練習している魔術が一つだけあった。

 かつて、幼い頃に両親から聞かされた昔話。神殺しの英雄たちの中に出て来た一人が、得意とする魔術。それは発動自体なら、エンチャーターでなくても、少し魔力の扱いに長けている人間ならあっさりと出来てしまうことだが、随分とルイスは習得に時間が掛かってしまって。

 挙句の果てに、習得したそれが、誰かの助けになるどころか、誰かを害するような魔術になってしまうという、お笑い種だ。

 だから、ルイスは一度、そこで立ち止まってしまった。

 努力は報われないこともある、という当たり前の現実を目の前にして。

 好きなことが、必ずしも適していることでは無いという運命を目の当たりにして。

 落ちこぼれである自分を許容してしまった。趣味の女装に逃げて、かつての英雄願望から遠ざけて、下ばかり向いてばかりだった。

 けれど、それも今日までだ。


「流転は活力を作る」


 ルイスはこの場において、最適のエンチャントの発動を試みる。しかし、ルイスはレベッカのような天才では無く、詠唱破棄も、短縮も出来はしない。

 当然、振り下ろされた漆黒の拳が、その猶予を与えるわけがない。


「しぃやぁっ!」


 だから、賢悟はまず全力で時間稼ぎの手を打った。

 鎧の巨人が放った一撃を、今の賢悟が止めることは不可能。もちろん、付け刃で齧った合気術が通用する相手では無い。生半可な覚悟で挑めば、拳にかすった程度も半身が吹き飛ばされてしまうだろう。


「っつだぁ!」


 そのため、賢悟が選んだ方法は一つ。

 鎧の巨人が一撃を放とうとする瞬間から、高速で関節に連打を叩きこみ、僅かでも軌道を逸らすことだ。直接殴るのではなく、打撃を飛ばし、流すように弾く。


『ほう』


 賢悟の目論見は、半分成功で、半分失敗だった。

 確かに、賢悟の全力を賭した連撃は巨人の一撃を逸らすことは出来たのだが、余波の凄まじさは計算に入れてなかったのである。

 鎧の巨人が放った一撃は、例えそれていても、衝撃をまき散らし、路面を砕き割り、賢悟とルイスの体を吹き飛ばした。まるで、紙人形の如くあっさりと。


『見事。だが、その体ではもう先ほどと同じ芸当は出来まい』

「…………ちぃ!」


 逸らすことで精いっぱいであり、賢悟はルイスのカバーまで余裕が無かった。先ほどの衝撃に巻き込まれて、共に吹き飛ばされたのだ。詠唱は中断され、最悪、割れた路面の破片で重傷を負っているかもしれない、と危惧をしていた。


「猛き風よ、抗う戦士の背を押せ。振るう刃に、纏う鎧に変じよ」


 それでも、賢悟が視界の隅で見つけたルイスは、詠唱を中断していなかった。頭部に破片でも当たったのか、血が流れている。その血が片目に入って、視界を半分潰している。左腕がだらんと力なく伸びているので、骨が折れているのかもしれない。もう、まともに立ち上がれないかもしれない。

 紛れも無い、満身創痍の状態。


「風よ! 抗う者の活力となれ!!」


 その状態で、ルイスはついにエンチャントの魔術を発動させた。

 効力は身体能力の強化と、保護。きっと練習すれば誰にでも出来るような簡単な魔術を、それでも、ルイスは全力で行使した。暴走を恐れず全力で魔力を込め、なおかつ、細波すらも立たない水面の如き心境で。

 ルイスはこの窮地で、生涯最高のエンチャントを成功させたのである。


『…………む。思わずそこの人間の気迫に躊躇ってしまったが、ただの身体強化か』


 しかし、その魔術行使を眺めていた鎧の巨人が呟いた言葉は失望だった。


『古代魔術の一つでも出てくるか思えば、拍子抜けだ。そのまま死ぬがいい』


 ルイスの目に覚悟と希望があったので、せめて大魔術クラスでも放つかと思っていた鎧の巨人だったが、行使されたのは基本的なエンチャント。しかも、ただ身体能力を強化し、体に保護を掛ける程度の代物である。拍子抜けするのも無理はないだろう。


「よくやった、ルイス。後は俺に任せろ」


 故に、次の瞬間に放たれた拳打の嵐によって、背後の眷属たちを一瞬で殴り殺されてしまったのも、仕方ないことだろう。


『――な、に』


 油断していた。

 見逃していた。

 気を抜いていた。

 鎧の巨人の失策は、それに尽きる。もしも、油断せずに賢悟を警戒し続けていれば、あるいは防げた結果かもしれないのに。


『貴様、何をした!?』


 鎧の巨人は背後の惨状を振り返って、目を剥く。

 上級の魔物であり、並大抵の生物よりも強靭なサイクロプス。しかも、王である己の親衛隊。練度の高い兵士たちの頭部が、一瞬にして全て砕かれたのだから。


「別に。ただ、殴って砕いただけだ」


 いつの間にか、賢悟は悠然と立ち上がっていた。

 手の甲で、血の流れた頬を拭い、猛獣の笑みを浮かべる。


「お前が馬鹿にした仲間の力で、殴ってやっただけさ」

『…………っ!』


 目を凝らし、神経を研ぎ澄ませて気配を探る鎧の巨人。

 そこでやっと、鎧の巨人は、賢悟の内から湧き出る、凄まじいほどの強大かつ獰猛な力の奔流に気付いたのだ。


「いくぜ、デカブツの親玉」


 賢悟は笑みを浮かべたまま、拳を構える。


「矮小な人間の力で――――ぶち殺してやる」

『舐めるなよ、人間がぁ!』


 構えたまま、砕けた地面を蹴り飛ばす。

 白き閃光となって、黒き巨人へと、駆けて行く。



●●●



「すご……い……」


 目の前で繰り広げられる光景を見て、思わずルイスは感嘆の声を漏らした。

 半分の視界でも、焼き付くほど、しっかり見える。

 白い閃光が、賢悟が、鎧の巨人を翻弄し、少しずつ削っていく様が。


「ひゃっはぁ! いいねぇ! いいねぇ! 実にいい気分だ! ははっ、この世界に来て以来の、八割以上の再現戦闘だぜ! ルイス、お前の魔術は最高だっ!」


 賢悟は狂ったように喜びの声を上げながら、拳を振り抜く。

 ただし、刹那の間に数百もの打撃を行う拳を。条理から外れた、魔術とも違う法則を創り出す、絶技を。


「ははっ、それは、よかったです……」


 ルイスはその賞賛を込められた言葉で、満足した。

 己の膨大な魔力を、全力でつぎ込んだエンチャント。人の体に、ジェット機でも取り付けるような暴挙を、見事にあの白髪の少女は……否、男は乗りこなしているのだ。

 なら、きっと大丈夫だ。


「任せました、賢悟、さん……終わったら、起こして、ください…………」


 ルイスは、喜びと安堵を胸に抱きながら、意識を閉ざした。

 そして、賢悟と鎧の巨人の戦闘が激化していく。


「どうしたぁ! どうしたぁ! 偉そうに出て来た割には、ちょっと元気になった俺にタコ殴りか? ああん!?」

『ぐ――う!』


 賢悟の本領は、小賢しい奇策でも、合気術でも、遠当てという技術でもない。

 それは、殴ることだ。

 賢悟は幼少の頃から、祖父に様々なことを習ってきたが、それら全ては『神様を殴る』という荒唐無稽な目標に向けて積み上げられている。

 故に、賢悟はわかるのだ。どう殴れば、相手に打撃が通るのか。固い物質を砕くには、どのように殴ればいいのか。相手の攻撃だけを逸らし、己の打撃だけを通すにはどのように拳を動かせばいいのか。途方もない相手を見据え、日々修練を繰り返してきたからこそ、至れた境地。積み上げた経験値が生んだ、圧倒的な打撃である。

 その打撃に、ルイスから与えられた規格外の身体強化が加われば、どうなるだろうか?


「まずは、その気取った鎧から砕く」


 一度の拳を振り抜く動作で、千の打撃を放つようになるのだ。

 しかも、その打撃はどれも、頑強なはずの黒き鎧を砕くほどの力を有していて。


『きさ――――』

「おせぇよ」


 鎧の巨人が抵抗する間もなく、閃光の速さで鎧ごと、全身を砕いた。

 ギィーナの一撃で、ひび割れ一つすら付かなかった鎧が、数多の破片となって散っていき、そして――――


『謝罪しよう、人間――否、田井中賢悟よ』


 砕けた鎧の中から、膨大な闇が溢れだした。

 鎧の中からさらけ出されるはずの巨体は見えず、代わりに湧き出た闇が、どんどんと人型を象っていく。しかも、賢悟と同等ほどの……ヒューマンと同じ背丈まで凝縮されるように。


「貴様を、貴様たちを我は侮っていた」


 鎧越しでも厳格だった声が、より張りと重みを増す。

 散漫に放出されていた威圧感が纏まり、巨木を思わせる静かな気配が生まれた。


「一人の戦士として、雄として名乗ろう」


 人型の闇はやがて色づき、黒き髪と、褐色の肌を持つ隻眼の男へと変わった。

 そう、単眼ではなく、隻眼。左目を漆黒の眼帯で覆い、赤き右目を晒す隻眼。

 顔つきは凛々しく、けれど雄々しい。赤き眼光は鋭く、猛禽類を思わせる力強さがある。裸の上半身は、彫刻の如く整えられた機能美の筋肉で作られていて。服と呼べるのは、麻で出来たような粗末な灰色の下穿きのみ。

 されど、誰が彼を蛮族と笑えるだろうか。

 彼は魔物であっても、人間以上の知性を持ち、風格を持ち、今、戦士として名乗りを上げんとする男だ。


「我が名はシイ・エルゲイン・アジスト。巨人の民を総べる、魔王である」


 魔王。

 ファンタジー世界では、ある意味ありきたりな、けれど重大な意味を持つ単語を聞いても、賢悟の中にあるエリの記憶は、何も確信的なことを思い出さない。ロックとやらが掛かっているのか、それとも本当に知らないのか。

 そんなことは、全てどうでもいいと賢悟は思った。


「知っていると思うが、俺も改めて名乗るぜ」


 先ほどの鎧状態とは、比べものにならないほどの強さを秘めて、敵が目の前に居るのだ。ようやく、相手が本気を出して名乗りを上げ来たのだ。


「俺は田井中賢悟。ただの喧嘩屋のガキだ、魔王様よ。気軽に賢悟と呼んでくれ」

「…………そうか、なら、ケンゴ。貴様も我をシイと呼ぶがいい」


 ここで滾らなければ、『俺』じゃない、と賢悟は笑みを強めた。

 もはや、猛獣よりも凶悪な顔つきで、修羅のように、賢悟は戦いを望んでいる。


「おうさ――――じゃあ、殺し合おうぜ、シイ」

「無論だ、ケンゴ」


 そしてそれは、魔王――シイも同じだった。

 二人は同時に動き、同時に拳を繰り出す。


「がぁ!」

「ぐっ!」


 賢悟の拳がシイの内臓を揺さぶり、シイの拳が賢悟の肋骨を折る。

 賢悟はルイスによって強化された拳でもなお、シイの体は貫けず。

 シイの膨大な魔力によって強化した拳もまた、ケンゴの体を砕き切れなかった。


「ははっ」

「くかかっ」


 互いの一撃は、致命傷になってもおかしくなかった。されど、二人は顔を見合わせて笑い合う。口から血を吐き、壮絶な笑顔を浮かべて、笑うのだ。

 これ以上、楽しいことがあるものか、と。


「はははははははっ」

「くはははははぁ」


 打撃は交差し、痛みが交換される。

 肉が潰れる音と、骨が砕ける音が、共鳴し合い、暴力的な音楽を奏でている。

 一撃を放つたびに、致命傷を逸らさなければいけない、激闘。

 互いに死線を彷徨う、遊戯。

 二人はこの瞬間、数秒前までのしがらみも全部消し去って、純粋に殴り合うだけの境地まで高め合っていた。

 憎しみも、怒りも無く、ただ、痛みと歓喜だけがある修羅の世界の一つ。

 それは、ただ花咲くように鮮やかに赤によって染められて。


「――ぷはぁ! ははは……やるじゃねぇか、シイ。このレベルの俺とまともに殴り合った馬鹿は、祖父以外だとテメェだけだぜ」

「それはこちらの台詞だ、ケンゴ。金剛にして無双を誇る我が肉体に拳で挑み、ここまで追い詰めたのは貴様が初めてだ」


 賢悟とシイは、互いに血みどろだった。

 どちらも、人型を留めているのが奇跡なほど殴られ、その分、拳を返している。

 互いに美形を誇っていた顔は、ボロボロに歪み、骨が砕け、見られた物ではない。

 けれど、戦士として生きている存在ならば、誰しも彼ら二人の決闘に心を動かされてしまうだろう。今時、ここまで純粋に、スデゴロでの決闘を行う馬鹿はいないからだ。

 それが、人間と魔物、異なる敵対種族なら、尚更である。


「わかっているだろ? 次の一撃で最後だ」

「名残惜しいが、あぁ、分かっているとも」


 銀の瞳と、赤の瞳が睨み合い、ほぼ同時に、一歩踏み出した。

 互いの口元には、笑みが浮かんでおり、拳を構える挙動すら、鏡写しの如く等しい。

 そして、今度こそ、互いの命を奪わんとする一撃が放たれて――


「そこまでですよ、同志」


 その一撃を、突如として現れた白い影によって邪魔をされた。

 白い影は霧が濃く人型を象ったような姿をしており、一瞬にしてシイの姿を隠す。隠して、賢悟の拳が届かない場所まで転移させたのである。


「やれやれ、貴方ともあろう方が戦いによって本懐を忘れるとは嘆かわしい。せっかく、我々ナナシが用意した舞台だというのに。まったく、私だってね、やることやってから、街の隅でこっそりと虐殺を楽しんでいたのですよ? わざわざ権能を一部解除してですね? それなのに、折角遭遇できた貴方が、この場で貴重な生贄を殺しかけてどーするんだ、って話でありましてですね? あぁ、ほらなんかもう相手瀕死じゃないですか、もぅ。仕方ないですね、あぁ、本当に面倒ですが、命を繋ぐ程度には回復しておかないと――」

「うるさい」

「ぶげっ!?」


 賢悟はいきなり現れて、勝手に言葉を垂れ流す白い影に対して、拳を振るう。

 振るった拳は、当然の如く白い人影の顔面付近を揺らし、打撃を与えていた。


「ちょ、あれ? えー? あの、なんで私に打撃を与えているんです? これでも私、今、実体を持たない状態でここにいるんですが? 普通に殴ろうとしても、霧を殴るみたいにすかせるんですが?」

「根性」

「駄目だ、この人。理屈で説明できない人だ」


 信じられない生物でも見つけたように、賢悟から後ずさる白い人影。

 だが、賢悟の放つ銀の眼光が、それを許さない。


「つーかよぉ、お前。なに、人の決闘邪魔してんだ、ああん? 今一番いいところだっただろうが。人の決闘を邪魔する奴はリンチされて死ぬってことわざを知らんのか?」

「いや、こっちの世界にはありませんが――ごぶっ!? やめ、ちょ、無言で殴るのをやめてくださいよ!」


 なお、『サイエンス』の世界にもそんなことわざは無い模様。


「…………」

「いたっ、ごほっ! マジこれ…………ああもう! 折角格好つけて登場しようと思ったんですがねぇ!」


 無言で抗議するように拳を振るい続ける賢悟に、ついに白い人影は参ったと言わんばかりに両手を上げた。


「今日は貴方に完敗ですよ、まったく。大人し去りますよ、ええ。ただし、忘れなきよう。この近くに王国の兵士たちが集めっていなければ、私は確実に貴方を捕えられていたこと――」

「だからさっさとシイを戻せってんだろうが!」

「ぶべぼっ!?」


 いくら殴っても全然言うことを聞きそうにも無いので、本格的に殺す打撃を白い人影に放ったのだが、


「…………ちっ。そうかよ、元々通信用の分身だったか」


 強力な打撃によって、その白い人影を霧散させてしまう。

 この白い人影はエリの記憶から参照すると、幻術と通信術を組み合わせた分身であり、本来なら殴っても術者に打撃は伝わらない……のだが、賢悟の拳はなぜか術者本人まで届いていたようだ。もっとも、さすがに打撃の何割かは威力が落ちていたようだが。ただ、さっきの打撃は苛立ちのあまり、術者だけでなく分身自体も砕いてしまったらしい。


「まだまだ修行が足らんな、俺も……はぁ」


 賢悟は膝から崩れ落ちるように、ゆっくりと仰向けに倒れ込む。

 空を仰ぐと、ゆっくりと薄くかかっていた霧が晴れていき、オレンジ色の夕焼けが辺りを赤く染め始めていた。


「次やる時は、全力で…………殴り合いたい、もん……だ……」


 そのためにはまず、体を戻さなければならない、と。

 賢悟は疲労と負傷で薄れていく意識の中、元の体に戻る決意を新たにする。


「…………あぁ、絶対、レベッカに叱られる。超、こえー……」


 だが、賢悟が、意識が消える最後に思い浮かべたのは、保護者であるレベッカによる珍妙な説教の記憶だった。


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[気になる点] 付け刃で齧った ↓ 付け焼き刃で齧った 大人し去りますよ ↓ 大人しく去りますよ [一言] レベッカよりもメイドの方が怖そう
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