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爛れた心に口づけを。狂愛の魔帝と、殺せぬ魔女の物語。R15  作者: 島田まかろん三世


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産声

 一年が過ぎた。


 セレスは分娩台の上で、声にならない悲鳴を上げた。

 魔帝によく似たツノが、生まれてくるのを拒んでいるようだ。

 忌まわしいほどの、強い証。


「腹を裂いたほうが早いのでは?」


 という、声が聞こえた。

 別の声が言う。


「陛下が――それを望んではいません」


 必死に、産もうとしている傍で、勝手に、決断が下されている。

 腹立たしい。


 この子は、私が最初に抱き締めるのだ。

 産声を聞くのは私だ。


 ◇


 生まれた。

 その圧倒的な命は、言葉を失うほど、尊い。


 産湯に浸かり、原初の声を張り上げる。

 暖かな布に包まれて。

 ヴェルに似ている。悔しいほどに。


 魔帝が分娩室に入ってきた。

 その子を腕に抱く。


 小さな指が、魔帝の親指を握ったのを、セレスは見た。


「セレス。セレス。セレス――」


 魔帝はセレスの額に、自分の額を重ねた。

 なんの――つもりだろう。


 けれど、今まで、存在していなかった命が、そこにある。


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