『最期の戦』弐
あと二、三話に収めたい……!!
曜日ごとの主たち全員がサンに突撃して、様々な攻撃を繰り出した。だが、全くもってダメージはない。当然だ。人間に対して蚊がブンブン飛び回っているようなものだ。
「一気に行くぞ!!!」
そう水曜日の主が叫ぶと、一気に全員の心がひとつになり、サンを狙った。弱点の一点を狙って全員が攻撃すればダメージが入る。
頭だ。神と言えど頭を狙えば……そう思い、魔王も『創造破壊』の能力で巨大な槍を作って頭にぶん投げた。
だが一点を狙うというのは、簡単に避けられるということだ。全員の攻撃をサンは楽々避けた。全員の動きが一瞬止まった。サンが避けたからではない。サンは突然縮んで、球体になったのだ。
「何が起きたっ……!?」
「あれは……核!?」
木曜日の主の問いに答えた。魔力の流れを感じない。一点に膨大な量の魔力が集合している。あの作りは核……!!
全員が核を狙おうとしたが、水曜日の主が全員に向かって叫んだ。
「待ってくれ!!俺の能力『侵入』で核の中に入ることができる!!任せてくれ!!」
『侵入』、なんて奇抜、というか珍しい能力なんだ。そんなことを考えている間に、水曜日の主は核に近づいていった。だが、核に近づいた瞬間、爆発するようにして核の中から六体の何かが現れた。その内一体は九尾。だが恐らく偽物だろう。あまりにも魔力が少ない。他の五体も、曜日ごとに送られた使いであることが分かった。
どこかで見覚えがあると思ったが、思い出した。地獄に行く時、あの六体の姿を見た。そんなことを考えている間に、九尾に近づかれていた。九尾は俺の頭上に飛び上がると、踏み潰そうと落下してきた。だが、腹ががら空きだ。そのまま腹に一撃を入れた。やはり思った通りだ。腹から風船がしぼむようにして九尾の姿は消滅した。恐らく簡単に作られたクローンと言ったところだろう。そんなことを考えている間に主たち全員が倒し終わっていた。
あとはあの核を壊すだけ。そう思った時にはもう遅かった。核は卵のように薄い膜になっていて、中には人の大きさの何かが入っていた。
「カエルのタマゴみたいだ……」
思わず金曜日の主が気持ち悪がってそう言った。その例えが一番似合う見た目だった。だがそんな話をしている場合ではない。そうそうに潰しておかなければ。そう皆が思ったのだろう。全員で一気に魔法や攻撃をぶつけた。だが、卵はビクともしないどころか、少し揺れた程度で傷にもなっていなかった。
次の瞬間だった。膜は突然破れ、中から裸の人が出てきた。誰だ……?そう思っていた時、突然その男は何処かから服を生み出して着た。まるで『創造破壊』のように。
そう思っていた途端の出来事だった。突然全員が引き寄せられ、磁石のようにひとつにくっついてしまった。突然の出来事に困惑していると、土曜日の主は驚くべきことを言った。
「まさか『磁石』……俺の魔法……!?」
全員が驚いて息を飲んだ。
「おい待て……もしかしてさっきのも俺の『創造破壊』……!?」
☾︎君たちの世界は最早私の手の中にあるのだ……☽︎
そのサンの生まれ変わりのような男はサンよりも低い声でそう言った。そう、現在月曜日から土曜日の世界全てが、サンに半分支配されているのだ。だから主達の魔法もサンは今使用できる。
☾︎万事休すだな……主たち……☽︎
ニヤリと笑みを浮かべながらサンはそう言った。
『最期の戦』弐 終
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