【阿修羅】【麒麟】
休載申し訳ありません。今も書ける隙に少し書いているだけなので、休載になる可能性がまだあります。すいません。
自身を『ミハイル』と名乗る少年は、すばしっこい動きでルシファーの腹に飛びかかって蹴りをかました。
「ぐぁっはっ…!」
ルシファーが吐血して吹き飛ぶ。「よっ」と地面にミハイルが足を着く。その所作すらも神の風貌というものを感じさせた。
「ミハイルゥッ!!」
激昂したルシファーが神々しくも、禍々しい翼をはためかせながらミハイルに飛びかかった。
油断していたミハイルが頭突きを食らって壁に叩きつけられる。その隙をついてルシファーがミハイルを炎に包んだ。
だが炎の渦の中からミハイルは甲冑と剣を持って周りの建物を切り刻んだ。落ちてきた瓦礫を全て蹴ってルシファーに飛ばした。だが炎の壁で全てを防がれた。
次はルシファーのターンだと言うように、ルシファーは自身の翼に炎を纏わせて、翼で体をおおった。
「『炎鳥』!」
そう叫んでルシファーは横向きにミハイルに突っ込んだ。次こそ腹に突撃して致命傷を食らわせた。
「っ……!!」
ミハイルの無邪気な笑顔が崩れ、腹に火傷のあとが出来た。吹き飛ぶことも無く、その場でよろ着いて、ミハイルは翼を閉じてその場に墜落した。
「見てる場合じゃねぇ!魔王!城が崩れてくるぞ!」
勇者の叫び声で我を取り戻した。上を見上げると、瓦礫が落ちてくる。寸前で避けた。ミハイルは相当の実力だが、任せているだけでは流石に無理がある。魔王は瓦礫の間を縫うように走って、ルシファーの近くまで行って、魔法を使用した。
魔法で『光の剣』を作ると、ルシファーに斬りかかった。当然防がれて、数メートル飛ばされた。背後で勇者の叫び声が聞こえた。何かを叫んでいる。だが、魔王に対してでは無いようだ。
一旦放置した。だが次の瞬間、何者かが三人魔王の横を通過してルシファーに攻撃した。魔王にはその人物に見覚えがあった。
「悪魔、獅子、大蛇…!」
「グァッハッハッ!堕天使ルシファー!我らが相手なり!」
「ルシファー…これが仲間の数の差だ!」
三人の封印を解いたと思われる勇者が、駆けつけて叫ぶ。ルシファーの美麗な顔つきが一気に歪んだ。焦りと言った感情ではなく、その表情からは「怒り」が感じられた。
「仲間…?数の暴力と何が違う…!!『個』を『複』が蹂躙する…!!何が友情!!何が愛情!!貴様らは論点をずらすだけだろう!!」
もはや悲鳴のようにルシファーは叫んでいた。冷静さを失っている。ルシファーの背後からも巨大な炎の弾が出てきた。
「何が違うか…知らないのかルシファー?」
魔王が問いかけた。そして、挑発するような笑みを浮かべて、ルシファーに向かい合った。
「『ルシファー』を蹂躙する為じゃない。『ミハイル』を守るために『個』が集まるんだよ。」
ルシファーの視点が一瞬ミハイルに向かって、怒りで直ぐに目を逸らした。
「戯言を…!」
怒りを抑えて、ルシファーは翼で撤退して行った。全員にドッと疲れが溜まっていた。
ここから悪魔や獅子、大蛇と戦うなんてとても出来ない。それはお互い様の様だった。ミハイルの事を簡単に治療して、夜までは休息した。
夜…
「おい、魔王。貴様俺たちは九尾だぞ。殺そうと思わないのか?」
大蛇が立ち上がって言った。背中からヤマタノオロチのような物を生やして、戦闘態勢をとった。
「別に?何で戦わなきゃなんねぇんだよ。そっちが戦う気ないなら俺は何もしねぇよ。」
大蛇が「フンッ」 と言うようにその場に腰を下ろした。完全では無いが一旦はそれで納得したようだ。悪魔も、右に同じという風に少し頭をコクンと動かして頷いた。
だが、獅子はそこらじゅうのものを吹き飛ばして立ち上がった。そして口角を吊り上げると、魔王を上から見下した。
「我ら九尾。九人意思は違えど儀式を終えれば同じ生き物。こんなもので折れはせん!!」
いつもの「グァッハッハッ!!」という雄叫びのような笑い声を上げ、魔王に正拳を食らわせた。腕で防御したのにも関わらず数メートル吹き飛ばされた。
「これで決戦の日のことは貸し無しじゃ。他の九尾のメンバーを助けたい気持ちは同じ。ここで争うのは愚行だろう。」
そうして獅子も納得?したようだ。
騒動で驚いて目を覚ましたミハイルを連れて、次の九尾の居場所を探しに行った。不幸中の幸いだろうか。悪魔には九尾のメンバーの場所が分かるらしい。地獄の住人かつ、九尾なので、センサーのような物が働くらしい。
そして歩くこと数時間。遠方に、この周辺の雰囲気に似つかわしくないクリスタルが、あった。
中には阿修羅と麒麟。走っていこうとすると、上空から数センチ程の何かが数千ほど降ってきた。
その何かは人型の白い人形だった。その人形は可愛らしい見た目で立っていた。だが、何も動かない人形に嫌気が差した大蛇が、その内の数人を蹴り飛ばした。すると突然人形の目が突然赤く光り、大蛇に飛びかかった。
初めは何も無いように処理していたが数十人集まると、大蛇も対処出来ないほどになった。
「大蛇!!」
誰かの叫び声が聞こえる。瞬間、上空からは巨大な人形が一人現れた。そして巨大な口を開くと、叫ぶように言った。
【人形兵、『殺戮人形』!!全てを殺しつくせ!!】
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