青龍
何とかして勝ちを得たい悪役の『魔王ちゃま』は主人公の『勇者様』と友達になることにした。だが、友人の『狼男』達の組織『九尾』を失った魔王ちゃまは地獄に助けに行くのであった…
アバドンは死んだ。そう、それは変わりのない事実。そして目の前に立っているのもアバドンだ。それも事実だった。
「この地獄ではあの呪いは通用しないらしい。」
「そんなことはどうでもいいんだ。アバドン。本当に生き返ったのか…?」
そう聞くとアバドンは首を横に振った。
「僕は死んだ。死者蘇生が可能なのは死後一ヶ月間のみ。だから僕はとっくに死んでるんだよ。」
「な…なら幽霊としてここに来てくれたの…」
「もう時間が無いんだ。サタン様。僕は奈落を司る天使。だからギリギリで今まで命を繋げられてきた。」
そう言うとアバドンはニコッと微笑んだ。
「ヘラ…いや秘書様、そして魔王様。君たちに会う時にどっちも死んでなくて良かった。」
言い終わった途端に体が段々と透明になっていき、最後は清々しく微笑んで死んで行った。
「アバドン…」
「…」
「進むぞ。アバドンの覚悟を無駄にするな。」
そうして歩いていくこと数分、目の前には巨大な赤色の宝石が現れた。その中には九尾の一人、『青龍』が封印されていた。
「青龍…!?」
そう言って勇者が触れた瞬間、その宝石から呪いが吹き出して、勇者の腹の当たりを掴んで、頭の中に直接話しかけてきた。
【門番を打ち倒せば封印は破れるなり…】
瞬間、門番のような人物が背後から襲ってきた。
「お前は…!」
その人物をよく見ると腕には青い龍の鱗のような物がついていた。そして顔は見覚えのあるキリッとした顔。
「誰!?」
「流れ的に青龍のクローンしかないだろおおお!!」
そんな話をしている中でも青龍は遠慮なく攻撃してきた。
「こいつを倒す…!?」
そう言っていると、勇者は剣で青龍の腕を切ろうとした。だが、腕に触れた瞬間ある事に気がついた。
本物の青龍の腕にも切り傷ができている───
幸い、完全に切れる前に止めることが出来た。
「本物を助けるには クローンを倒さなきゃ行けないのに…クローンの傷は本物にも伝わるなんて…」
秘書様が嘆いた。そう、まさに“詰み”。そう思われた瞬間、魔王ちゃまは宝石に向かって走り出した。
「魔王様!何をっ…!?」
すると魔王ちゃまは宝石をわざと触り、呪いを生み出した。
魔王ちゃまの魔法、『創造破壊』は、存在しない物を作り出し、破壊できる能力。そのため、破壊出来るのは、作り出した物のみである。
その魔法で、呪いと宝石の間に隙間を作った。
【やめろおおおおおお!!】
宝石にかけられていた呪いはどんどん煙のように消えていき、クローンも無くなっていった。
そして宝石の中からは青龍が現れた。
「封印は解かせてもらったぞ。まるで小学生の算数の問題みたいにな。」
こうして封印は解けたのだ!
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