-自重しろって言うけどさせてくれないの間違いでは?学園入学編Ⅴ-
学園までで一旦ストップ……ハァハァ(*´Д`);;;
教室に戻り、席について順番に皆、両親目標の職種だったり、憧れの有名人目標だったり多種多様…
「では次、ゼルエル」
「ゼル?」
「エル?」
ザワザワする声…平民…両親が人族であればそこまで珍しいと言われる名前ではない。
だが、先ほどの俺の行動…
そして、俺の母親はキュアというのは知られている…だからこそのざわつき…
ゼルは魔族に多い名前…神柱であるネザゼルといったように…
エルは天族に多い名前…神柱であるリアティエルといったように…
「………俺は学べるだけ学び、手を取り合う世界を目指して行きたい…
困っている人を助けられればと思います。」
俺が思っている本当の気持ち…天族も魔族も関係ない世界…それが俺の………
「目標にしている人など居るか?」
「…両親をまず念頭に。
次は…行動としてはセキガンのように民を救えればと」
「はは、盗みはするなよ、力をつけて、正当にやれな」
「はい、そうします」
目標を言った俺は座って…
「お前の職はキュアか?」
俺が一番だ…と言い張っていたメルゼンという男が睨むように質問してくる…
「いや、まだわからないから学園に居る」
「両親はキュアなんだろう?」
「母親は、だ」
「なら父親は?」
「ソードだ」
「ならどっちかだろ?」
「そうとも言えない、俺の師匠はバッファーとシールドだ」
「シギルかクレリックか…ふん、まぁいい」
質問は終わったようなのでそのまま黙る…
「そうだなぁ…確かに両親の職種になりやすいとは聞くが、適正はそれぞれ、というからな…」
「先生の職種はなんですか?」
女子が質問をする…見た感じではボウやウィザードといったところ…中間とって
『「ガン」』
答えは心の中でそして一致した…
「一応ハイブリット系だ…基本ガンスタイルだが、ウィザードとしても、ボウとしてもやれる…」
「俺様のソードウィザード…魔剣士と言われるスタイルのボウってことだなっ」
自慢したがりなメルゼン…両親がソードとウィザードで英才教育受けたとか、貴族だ、とか…
そういうことを長々と語ったが、まだ足りていなかったようだ…教師も苦笑い…
「基本ハイブリットと呼ばれる職種が増えているが、特化型の方が覚えられるスキルの強さが強くなる…
ようはLvで覚えられるだけじゃなく、スキルには覚えられる限界というのが個体差ではあるが上限がある…
たまに、個人の天恵で与えられる中にスキル拡張型、なんてのがあって、他より多く覚えられることもあるがな…」
「先生、天恵とは…?」
前の方の眼鏡かけた小柄の男子生徒が小さく手を挙げて質問に入る…
「おいおい、天恵ぐらい知っておけよ!」
と、メルゼンがまたも五月蠅く言うが…
「いや、天恵は基本知らない者の方が多い…天恵は職種とは別で、個々が生まれ持った才能と言えばいいかな…
色々あるが、生命力だとか身体能力だとか技術力の特化とか…そういったのがある…
ちなみに俺は視野特化系と身体能力系を有している…
天恵は2個ほど受ける者が多いが…
後々足される場合もある…
それが、神柱と言われる者だ…
神柱、という各職の8つの天恵……神柱は天族に8名、魔族に8名とそれ以上になることはない。
この神柱と呼ばれるものは移り変わっていく…
天族であればジエル様、魔族であればジゼル様がそれを把握しているということしか
わかっていない…どう移っていくのか、というのもわからないものだ…」
「元からで、多いとどれぐらい授かるとか…ありますか…?」
「そうだな、多い人だと4つまで、は確認されている…
確か天族のキュア神様で4つ…生命力、支援力、技術力、探知力だったか
魔族側だとソード神様も4つで、生命力、身体能力、急所突破力、集中力だったか…?
ああ、リアティエル様とネザゼル様も同じく4つだったな…確か似ている天恵授かっているとかで、兄弟、姉妹…
基本は似て来るという話だ…親の天恵継ぎやすいとも言われているな」
「どうやってわかるんですか?」
「これは地道な作業というかな…実は明日から皆の天恵を調べるのも項目に入っている…これは学園システムの一部だ」
明日からは天恵を調べる……か…
流石に父さん母さん、師匠達にも調べてもらったことはない…
というか話も出てきていなかった。
それは当たり前にあることだからなのだろうか…
今日少し聞いておこう…
「では、今日はここまで、明日は職種訓練の合間に天恵を調べていくからな」
席を立って早々に教室を後にする…
「あいつどこ行ったっ」
「あいつ?」
「ゼルエルとかって半端ものだっ」
「ソッコーで出て行ったけど…」
「ッ…あいつのLvだけ聞けてないんだ…ッ…あいつが俺よりLvが上などありえん…ッ平民の分際でっ…!」
俺が帰った後の教室で、メルゼンが喚き散らしていたというのは後日知った事だった…。