枯葉舞う季節の中で 【冬の詩企画】
「はぁ~」っと手にはきかかける息が白くなってきて
街角すれ違う人びとの歩行速度も鈍り始める
空は抜けた青空がその姿をひそめ
今はドンと重りのような曇天が続いている
一雨一雨についてくる季節の変わり目
一風含む冷たさが速度を上げて行く
宙に浮いたようにぼんやりと眺めていると
ここまでの道のりを感じる
振り向きもしないで進んできた一日一日を
「ふぅ~」と言いつつ吐き出すため息も白くなる
ただ歩いていても感じる冬の足音
今はまだ一人まだ一人でいるこの場所
僕は忘れたってまたここに戻ってくる
続く冷たい雨粒の痛さも
ほほを刺すような朝の冷たさも
公園から眺める街の夜景のかに
赤や緑の灯が見え始めてくる
缶コーヒーを握ってただ俯く僕の事を
今は誰も僕の名を知らなくても
諦めている?
始まってもいないのに?
何に期待する?
羽ばたけるのか明日を
「はぁ~」っと手にはきかかける息が白くなてる
すれ違う人びととは歩く速度を変える
空は抜けた青空がその姿をひそめ
今はドンと重りのような曇天が続いている
冷たい手を握るもう一つ碧い手
白い息を隠してしまう碧いマフラーが首を温める
僕の速度に合わせて隣を進む君
今日も空は抜けた青空がその姿をひそめ
今はドンと重りのような曇天が続いている
かさかさと木の葉舞う風に乗りながら進む
僕と君と見上げた空には曇天からも輝く星が見えた
諦めていた
信じてなかった
人の温かさ
君の背中にその翼を見つけた時までは
そして今は二人で歩く
ずっと未来まで
冬が来ても……ずっと
その手が離れて行かぬように
ずっと暖かいままで
本作は「冬の詩企画」参加作品です。
企画の概要については下記URLをご覧ください。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1423845/blogkey/2157614/(志茂塚ゆり活動報告)
なお、本作は下記サイトに転載します。
http://huyunosi.seesaa.net/(冬の詩企画@小説家になろう:seesaablog)