俺がダンジョンに行くならばっ!
東の方向にあるって言ってたトバリのダンジョン…多分これだな。
ニーナの鍛冶屋から東の通りを歩いていくと、町の中にダンジョンがあった。大丈夫なのか?町の中だぞ?
「ダンジョンってこんな感じか。」
「ん…ダンジョンに…よるけど…入ってみたら…違う景観…なんてことも…ある。」
「ほぉ…外見はただの洞窟だけどな。」
「そんなことよりさっさとやるぞー!」
メアは元気だなー。まあ確かに早く終わることに越したことはないしね。
目の前にあるダンジョンはどこからどう見ても洞窟にしか見えない。しかしほのかに明るい。たいまつでもかけてあるんだろうか。
「ほんじゃまあ、入ってみますかね。」
「ん。」
洞窟に入る、中はそのままうす暗い洞窟にしか見えない。
「ん…ここは…洞窟型の…普通の…ダンジョン…みたい。」
「なに型とかあるのか?」
「あー!スライムなのだー!」
「悪即斬ッッ!!」
「うぴゃあっ!?」
スライムは許せん、例えどんな数が存在していても絶滅させてやる。
前の方を彷徨いていたスライムを叩き潰す。ヌメヌメとしたスライム状の体が壁に飛び散る。
「ん…いい?」
「あ、悪い。諸悪の根元をぶっ殺してた。」
「今人間が見たことない顔をしてたぞ!?放送できないレベルだったぞ!?」
安心してくれメア、放送するなら18禁にするから。
「安心できない!?」
「こらこら、心を読むな。ティア、洞窟型ってのはなんだ?」
「ん…まず洞窟型は…ここみたいに…空洞が広がっている…ダンジョンのこと。階層が…下に…続いているのが…特徴…最深部に番人がいる。洞窟型には幾つか…種類があって…平原だったり…洞窟だったり…遺跡みたいなところも…ある。」
「番人…ボスか。」
「次に…建物型…地上に…建てられてる…ダンジョン。上に…続いていて…頂上に…番人が…いる。」
「なるほど。塔みたいなイメージか。」
「ん…どれも塔みたいに…高いわけじゃ…ないけど…そんな感じ。最後に次元型…これは一番発見数が少なくて…難しいけどレアな物も…多いと言われてるダンジョン。目に見えないダンジョンで…見た目からは…気付けないダンジョン。踏みいった瞬間に…初めて自覚できる。」
なるほど、場所が分からないなら発見出来た数も少ないだろう。
「よく知ってるな、ティア。」
「ん…昔…ダンジョン攻略も…してたから。」
「だから昔のティアさんアクティブ過ぎない?」
「なぁーあれはなんだー。」
話ながら進んでいると、メアが前方に指を指してそう言う
「あれは…階段か?」
前に人工物にすら見える階段のようなものがある。
「ん…あれで下層に…降りる。」
「なるほどな、道なりに進んでいただけだが意外と早く見つけられるものだな。」
「ん…さすが…あるじ。」
「そうか?はは!そうでもないさぁ!」
ティアの俺の株がうなぎ登りじゃないかぁ!ふはは!才能があったかな!?
「ちょろいぞ人間。」
「ん…降りよう?」
「そうだな!!」
階段を降りるとまた同じような空洞が続いていた。相変わらずうっすらとした明るさがある。
「さっきから思っていたけど、なんでちょっと明るいんだ?」
「これはヒカリゴケだな!我の家にもあるがこんなに薄暗いということは程度の低いヒカリゴケのようだ!」
「おお!意外と博識じゃないかメア!見直したぞ!」
「え!?本当か!?ふはは!やっぱり我はサイキョーだな!」
流石魔族のエリートさん。魔族に関しては知ってることが多いらしい。ていうかお前もちょろいじゃねえか。
「ん?ティアも褒めてくれるのか?ふはは、流石我だろう…え?ティア?うぴゃあ!なんでなんだ!?なんで脇をくすぐろうとしてくるのだ!?うぴゃぴゃ!?」
「ん…しらない。」
「や!やめるのだぁ!くすぐったいのだぁ!?ひ!ぴゃあ!?」
この狭いダンジョンのなかで幼女二人がくんずほぐれつ…いいね!
「助けろ人間ッッ!!うぴゃぴゃあ!」
「さぁ、行こうか。」
「なんでぇ!?」
仲良きことは美しきことかな!結構結構!
●
あのあとも数個の階段降りてニーアに教えてもらっていた階層に来れたみたいだ。
道中、見たこともない生物に襲われたが省略。だってお前、全部見えた瞬間にメアが雷落として終了なんだもん。
「万能過ぎじゃない?メアさん?」
「弱いなーここの魔物は!うちの近くの魔物ならあと3発は耐えるぞ!」
「魔物?魔族じゃなくて?」
「ん?知らないのか?魔族は賢い、正確には理性があって言葉を理解できる魔物のことを言うんだ。魔物はそれに満たない雑魚のことをいうんだ!」
やっぱり魔物には博識なメアさん、意外と頼りになる。
「…後付け設定やめない?」
「あとづけ…?」
「いや、全ての元凶に言ってたんだ。気にするな。」
「意味がわからないぞ。」
「ん…あるじには…よくある。」
「ダメじゃないかそれ?」
そんなことより素材だ素材。確かボムバッファローとかアラクネの糸が必要と言ってたよな。あとマグナ鉱石か。
「気配で探るにもボムバッファローの気配の特徴を知らなきゃ出来ないしな。アラクネの糸も同様に。」
「そうか、意外と使えないな人間は。」
「お?メア…いま何て言った?」
「意外と使えないなッ!人間はッッ!!」
「聞こえてる!訂正のチャンスを与えてたんだ!」
言葉通り受け取る辺りほんとアホの子。可愛いやつめ、この野郎。
「そんなことより早く見つけにいくぞ!」
「ん…籠手の…素材を取りに行く。」
「おう、待ってろよ俺の籠手。」
「魔物とかのことを素材とか籠手とか呼ぶのやめないか?」
メアも魔族なだけあって、同族?を素材とか呼んだら不快みたいだ。仕方ない、訂正しよう。
「待ってろよ俺の糧。」
「意味変わってないぞ!?」
ツッコミがどんどん鋭くなるメアさん。奴隷なのに逞しくなって…
「父さんは嬉しいぞメア!」
「誰がパパだ!我には既にパパがいるぞ!この変態!」
「変態は関係ないだろ!」
「うるさいぞ!このロリコン!」
「今何て言った!?」
「人間はロリコンじゃないって言った。」
「チャンスをモノにするなッ!」
こんなときだけ学習するなよ!!俺はロリコンじゃないんだよ!
はい、どーも。全ての元凶です。
「クロエだよー。」
まあ名指しされたわけじゃないですから私に言ったとは限りませんけどね!
「いや絶対作者のことだよね?」
そんなわけありませんよ!HAHAHA
「欧米風の笑い方になってるよー。」
ていうかですね。意外と気付かないものですよ。そういうものって。
「そうかな?」
ほら、駿河さん実はこの世界の時間軸やら暦とか知らないですし。
「あ!ほんとだ!」
ね?まあ時間の流れに違和感を感じていないところを見ると、多分時間軸にそんなズレはないのでしょう。
「なるほどねー。」
ダンジョンとかも、王都にはなかっただけで近くの町にあったから情報として出てきただけです。わざわざ異世界に行ったところで優先してダンジョンの有無を確認しますか?
「それは…どうだろう?」
でしょう。せいぜい気を付けた方がいい場所があるか?程度ですよ。そんなものです。
「そうなのかなー?」
はい、そうなのです。では今回はここまで!
また次回!!
「うまく丸め込まれた気がする…」




