俺の異世界転移のため、説明するならばっ!
あるところに異世界転移に憧れた男がいた。彼の口癖はいつもこう。
「もしも俺が異世界転移したならばっ」そういってよく語り出す人物だった。
俺の名前は高梨駿河、生まれは岡山県のはしっこの方、なかなかの田舎だ。別にそれが嫌なわけではない。近くにはファ◯リーマートもあるし映画館だってある。それなりにものはあるのだ。一番近くの高校にさえいくには45分かかるけど…だからこそ俺は憧れていた。不思議溢れる異世界ってものに。
猫耳や、エルフ、ドワーフに、奴隷、盗賊……いろんな善悪が、いりまじった世界に、憧れていたんだ。
俺の高校は普通のどこにでもある高校、普通科に通っている。普通に恋をして、普通に失恋したりもした。バレンタインにチョコをもらったことも普通にある。
正直に言おう。平凡だ。当たり障りない毎日を過ごしている。
いろんなことをそれなりに楽しんで生きてきたが、一番楽しいと思うのはサイトで小説を見たり、ちかくの本屋で面白そうな小説を探すことだ。ファンタジー、アドベンチャー、推理もの。
いろいろ見るが、やっぱり一番は王道だ。ハーレムにチートに、ラブコメ!これが俺の大好きなカテゴリーだ。だってもし自分がそうなってみろよ?ウハウハだぜ?幸せだぜ?
だからいつも考える。もしも……
「この俺が異世界転移したならばっ」