祭りの終わったその後に
長らくほうっておいた書きかけ小説です。そういうわけで、更新は遅いでしょう。それでもいいとおっしゃってくださる。気の長い方大歓迎。
鳥の鳴き声でナギは目を覚ました。細い講師の隙間から、日差しが目を差し、まぶしさに目を細めた。
藁の中から這い出して、講師を結わえた紐を解く。
まだ、藁の上に寝そべるほかの子供たちもそろそろ起きだしてくるだろう。
肩にかかる黒髪を書き上げて、太陽を見上げる。
陽はさして高く上ってはいない。さほど寝過ごしたわけではないようだ。
ナギの住まうすなどりびとの里は山のやや中腹より下にある。
おじじがすでに起きていた。おじじは船を降りた船乗りだ。
船乗りと、すなどりびとは違う。すなどりびとは生きる限りここにいるが、船乗りは遠くに行ってしまう。帰ってくることはほとんどない。
だからここにいる船乗りはおじじだけだった。
昨日祭りが終わった。ナギがとても楽しみにしていた祭りが。
どこか白々とした気持ちで、おじじの元に歩み寄った。
おじじは白いものが混じるまだらな頭を向けてナギを見た。
「腹が減ったのか、なら、土の女衆のとこにいけ、何かしら、もらえるだろう」
ナギは無言で肯いた。