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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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カラオケルーム

作者: 結城 からく
掲載日:2026/09/17

●深夜のカラオケの個室

カラオケの個室。

四人の女子大生、酒を飲みながら盛り上がっている。

茶髪の一人、音程を外しながら熱唱。

歌が終了し、採点が始まる。

画面に「65点」と表示される。

茶髪、残念そうに肩を落とす。


茶髪「えー、全然ダメじゃん!」


他の三人、ゲラゲラと笑う。


眼鏡「音痴すぎでしょ!」

金髪「酒のせい?」

黒髪「いつもこんな感じじゃん」


茶髪、頬を膨らませてマイクを置く。


茶髪「もう! トイレ行ってくる!」

眼鏡「はいはーい」


茶髪、部屋を出て行く。

その間に眼鏡が端末を使って曲を探し始める。


眼鏡「何か聞きたいのとかある?」

金髪「別にー?」

黒髪「一番得意なやつにしてよ」

眼鏡「りょうかーい」


曲を送信する眼鏡。

前奏中、扉がノックされて店員が入室する。

店員、盆にのせた酒とポテトをテーブルに置いていく。


店員「お待たせしましたー、カリカリポテトとカシスオレンジですー」

金髪「ありがとうございまーす」

黒髪「グラス持ってってもらっていいですか」

店員「はい、かしこまりました」


店員、空のグラスを受け取って退室する。

眼鏡、熱唱する。

金髪と黒髪、だらだらとポテトをつまみながら歌を聴く。


金髪「そういえばさ」

黒髪「うん」

金髪「ここの店って出るらしいよ」

黒髪「何が?」

金髪「幽霊に決まってるじゃん」


金髪、不気味な表情になる。

黒髪、真に受けず笑う。


黒髪「何それ。都市伝説?」

金髪「実際に死亡事故があったらしいよ」

黒髪「それ本当?」

金髪「いや、知らないけど。そういう話をネットで見ただけ」

黒髪「なんだ。じゃあ嘘じゃん」


安堵する黒髪。

それを見てニヤニヤと笑う金髪。


金髪「あれ、怖かった?」

黒髪「別に……」

金髪「心霊系、苦手だもんね。かわいいー!」

黒髪「ちょっ、やめてよー」


じゃれる金髪と黒髪。

金髪、ふと我に返って扉に注目する。


金髪「ていうか、あいつ帰ってこなくない?」

黒髪「確かに。長すぎるかも」

金髪「吐いてるかもしれないし、あたし見てくるわ」


金髪、部屋を出ていく。

歌い終えた眼鏡。

採点表示は72点。

眼鏡、不思議そうに尋ねる。


眼鏡「どうしたの?」

黒髪「トイレから戻ってこないから、念のため様子を見てくるって」

眼鏡「なるほどね」


金髪、部屋に戻ってくる。

黒髪、尋ねる。


黒髪「いた?」

金髪「この階のトイレにはいなかった」

黒髪「どこに行ったんだろう……」

眼鏡「別の階で吐いてるのかもね。私もトイレ行きたいし、ついでに探してくるわ」


眼鏡、さっさと部屋を出て行く。

入れ替わりで座った金髪、黒髪に促す。


金髪「歌ったら?」

黒髪「そうだね」


黒髪、歌う。

歌が終了し、採点は93点。

それを見た金髪、感心した様子で拍手する。


金髪「すご! めっちゃ上手いじゃん」

黒髪「まあね」

金髪「じゃあ、次はあたしの番ね」


金髪、歌い始める。

採点は79点。

金髪、微妙な表情になる。


金髪「うわぁ、微妙……」

黒髪「悪くないでしょ」

金髪「93点の後にこれだもん……」


金髪、ふと部屋の扉に注目する。


金髪「二人とも帰ってこないね」

黒髪「混んでるんじゃない?」

金髪「この時間に? もう夜中の一時だよ?」


金髪、立ち上がって扉を開ける。


金髪「ドリンクバーに行ってくるわ。何かいる?」

黒髪「じゃあウーロン茶で」

金髪「はいはーい」


金髪、退室する。

一人になった黒髪、無言でスマートフォンをいじる。


しばらくすると、扉がノックされる。

黒髪、顔を上げるが誰もいない。

黒髪、首を傾げつつ、スマートフォンに視線を戻す。

すると、また扉がノックされる。

黒髪、苛立ちながら顔を上げる。


黒髪「誰? イタズラやめてよ」


黒髪、扉を見てぎょっとする。

扉が僅かに開いており、血だらけの金髪が這いつくばった姿勢で顔を覗かせている。

黒髪、驚愕する。


黒髪「えっ、何してんの!?」

金髪「たす……けて……」


金髪、泣きそうな顔で懇願する。

次の瞬間、悲鳴を上げる金髪が引きずられて消え去り、扉も勢いよく閉まる。

ほぼ同時にカラオケの液晶画面が乱れ、不気味な制服姿の少女が表示される。

異変に気付いた黒髪、画面に注目し、気味悪そうに呟く。


黒髪「なにこれ……」

少女「音痴は嫌いです。だから死んでもらいました」


画面が乱れ、少女の背後に退室した三人の死体が表示される。

黒髪、驚愕して画面から離れる。

その際、テーブルにぶつかってグラスが倒れる。


黒髪「ひっ!?」

少女「あなたは歌が上手だね……もっと聞かせて。ただし、80点を下回ったら……」


黒髪、慌てて扉を開けようとする。

しかしいくら力を込めても扉は開かない。

画面の中の少女、ニタニタと笑う。


少女「まだ時間はたっぷりあるからね。たくさん聞かせてね……」


●早朝のカラオケの個室

店員、扉をノックして入室する。


店員「失礼します。そろそろ退室のお時間ですが……」


部屋には誰もいない。

四人の女子大生の荷物だけが残されている。

店員、不思議そうに首を傾げる。


店員「……どこに行ったんだ?」


訝しむ店員の背後で、カラオケ映像が流れている。

映像には四人の女子大生の死体が映し出されている。

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