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歌舞伎町が僕を食べる。  作者: 夜坂ネオン


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エピソード59 んーギャル

歌舞伎町、昨今なにかと世間を賑わせている街。


そんな場所で実際に経験したこと聞いたこと考えたこと


そんなことを織り交ぜたノンフィクション風ファンタジーです。


まおの席に戻ると、まおは俺の顔を見るなり少しだけ眉を上げた。


「大変そうじゃん」


「まあ、同業付き合いも大事だよね」


「暇だったから友達よんだ」


「え、誰?」


「前に職場が一緒だった先輩。だめ?」


「いや、いいよ。初回で通せばいいの?」


「うん、適当に」


「わかった。どんな人なの?」


「んー、ギャル」


その説明が雑すぎて、少し笑った。

まおはこういう時、こっちが知りたいところほど適当になる。

たぶんわざとだ。


「情報量ゼロじゃん」


「見ればわかるって」


「まあ、たしかに」


そう言って一杯飲んだところで、席のほうに女の子が来た。


たしかにギャルだった。


明るめの茶髪に、爪も長い。

露出が多いわけじゃないのに、

なんとなく全体のテンションが高く見える。


店の照明の下でも変に気後れしてない感じがあって、

こういう場所に慣れてるのか、

もともとそういう空気をまとってるだけなのか、

一瞬ではわからなかった。


「おつかれー」


「おつかれ様です。これが奏楽」


「どうも、奏楽です。初めまして。これって紹介ひどくない?」


「初めましてー。話は聞いてる」


その一言に、少しだけ引っかかった。


「話って、悪口?」


「どうだろ。まあ、だいぶ聞いてる」


「ろくなこと言ってなさそうだな」


「それはそう」


まおが悪びれもせず言う。

さっきまでみくの席で飲み込んでいたざらつきとは別の意味で、

少しだけ気が楽になった。


初回でつけるよう店に伝えて、

少しだけ場をつなぐ。


先輩は思ったより喋るタイプで、

しかも人を見るのが早かった。


店の雰囲気をきょろきょろ眺めるでもなく、

卓についた瞬間から、

誰がどういう立ち位置で喋ってるのかを自然に拾っている感じがあった。


まおがトイレに立った時、先輩が俺に声をかけてきた。


「ねえ奏楽くん、ここだけの話、まおがずーっと奏楽くんの話してくるの」


「え、あのまおが?」


「うん。なんか運命とか言ってるよ」


「なんだよそれ。かわいいところもあるもんだな。

話してるとめっちゃツンツンなんだけど」


「そういう子なんだよ。

でも、あんまりお金使わせすぎないであげてね」


「強制はしてないよ。自分で予算言ってくるし」


「それならいいけど」


その言い方はやわらかいのに、ちゃんと釘は刺されていた。

まおが誰かに心配される側なんだと、そこで少しだけ思い出す。


まおが戻ってきた。


「二人で何話してるの?」


「別に。先輩の担当、誰がいいかなって話だよ」


「あーね。私的にはやっぱ北斗さんかなー。かっこいいし優しいし」


「はいはい、そうですね」


たぶん、聞かれたくない話をしていたのがわかってるんだと思う。

だからわざと、どうでもいい顔で別の男の名前を出す。


そういう逃げ方が、まおらしかった。

よんでいただきありがとうございます。

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