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歌舞伎町が僕を食べる。  作者: 夜坂ネオン


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46/65

エピソード45 時間

歌舞伎町、昨今なにかと世間を賑わせている街。


そんな場所で実際に経験したこと聞いたこと考えたこと


そんなことを織り交ぜたノンフィクション風ファンタジーです。


閉店作業が終わった店内。


客のいないフロアは、

さっきまでの騒がしさが嘘みたいに静かだ。


スマホを開く。


今日送りになった子と、

新規指名だったまおにラインを送る。


リコピンにはまだラインを教えていない。


「100回来たら教える」


酔って言った言葉なのに、

あいつは律儀に守っている。


俺も、

なんとなく守っている。


まず、まおに送る。


「今日は来てくれてありがとう」


「またグンマ帝国から来てくれよな!」


次に、送り指名の子。


「今日は送りに選んでくれてありがとう」


「また会えたら嬉しいな」


送り指名とはいえ、

飲み直しや次回の約束がなければ、


正直、

ラインは半分くらい返ってこない。


俗に言う、


冷やかしみたいなものだ。


ホストクラブの初回は安い。


一時間、

1,000円〜5,000円。


店によって差はあるが、


指名して入るより、

圧倒的に安い。


だから女の子は、


自分のドストライクの担当を見つけるまで


初回を回り続ける。


いわば、


担当オーディションみたいなものだ。


その中で、


「また会いたい」と思わせられるかどうか。


それが、


ホストの仕事だ。


まおからすぐ返事が来た。


「今やっと家ついた。マジ遠い」


「でもまた行きたい」


群馬、遠いな。


「来てよ。今日5万だったから次6万ね」


すぐ既読。


「は?無理なんだけど」


「5万でもやっとなのに」


「まってるね♡」


「きっしょ!仕事増やすわばーか!」


なんだかんだ、


まおはツンデレだ。


スマホが震える。


電話。


送りの子だ。


「もしもし、奏楽?」


「アフター来れない?」


アフターのお誘い。


「どこいるの?」


「まだその辺うろうろしてる」


「この時間危ないからうろうろすんなよ」


「すぐ行くから場所教えて」


少し間。


「えーイケメンなんですけど」


笑う声が聞こえる。


正直、少し面倒だ。


営業は終わってるし、


体も疲れている。


でも、


これで少しでも本指名につながるなら


時間を使う。


それが、


今の俺の仕事だ。

よんでいただきありがとうございます。

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